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ひどい6月だった

朝6時前、2泊3日の徳島出張に出る前に筆を執った。

大きなスーツケースひとつと大きな旅行カバンひとつ、と出張期間に比して荷物が多いのは、徳島から羽田空港に到着後、そのままイスタンブール経由でパリに向かう飛行機に乗り込む予定だからだ。徳島から合計すると2週間ちょっとの出張となる。

ポップアップや展示会、その他日々の業務に忙殺されていたこの2週間だったが、これから先の2週間はどうなるのだろう。きっとバタバタするはずだ。私はいつもそうなのだ。


それにしても、ひどい2週間だった。土日も全てポップアップの店頭接客で埋まっていたし、こんなにもあれこれに振り回されたのは久しぶりだった。その上、まだ大変な日々は終わりそうにない。

それを言い訳にしたくはないが、ここ最近はそんなわけで納得のいく記事を書けていない。余裕のなさが文字の上で踊っていたと思う。きっとそういうのは読む側にも伝わっていたのだろう。それでも、最低限続けることはできたので、とりあえずはよしとしようと思う。たまには自分を甘やかさなければ。


この2週間で感じたことがふたつあった。

1つは目は、外からだと思っている以上にブランドが大きく見えている、ということ。面接や展示会、それ以外で会った人から、çanomaがさも大きなブランドであるかのような評価を受けることが多々あった。

もちろん、そんなことはない。今はアシスタントとふたりでブランドを運営しているが、そのアシスタントももうすぐ抜けて、しばらくはほぼひとりきりで切り盛りすることになる。手が回っていないこともたくさんあるし、多方面に迷惑をかけている。当然のことながら、売上もそんなに大きいわけではない。日々お金の心配をしながら、どうにかこうにかやり過ごしている。荒れ狂う波の上の筏のようなものなのだ。

2つ目は、それでも以前と比べると遠くに来てしまった、ということ。今までアシスタントに任せていたあれこれの業務を一旦自分が引き受けることになったわけだが、改めてそれらの業務に取り組んでみると、アシスタントが入る前の、本当にひとりであれこれこなしていた頃と比べて、業務量は格段に多くなったことを実感した。

昔は発送作業も全部自分で行っていた。以前友人の手伝いで荷物を段ボールに詰めていた時、私の手際の悪さ及び梱包の稚拙さを見て、「本当に自分で発送作業してるの…?」と心配されたことがある。あの頃に私から荷物を受け取っていた取引先のことを思うと、申し訳なさでいっぱいになる。ちなみに私は、いまだに段ボールに封をするガムテープすら綺麗に貼ることができない。


目の前のことに追われる日々を過ごしているが故に、今後ブランドが今以上に大きくなることなんて、私にはうまく想像ができない。でもきっと、私の気付かぬところで、ゆっくりと、着実に、ブランドは育っているのだろう。3年半前、ブランドを立ち上げた地点を見返そうとしても、もはや遠すぎてよく見えない。来年、再来年には、さらにそれはかすんでしまうだろう。


6月にはとても悩まされた。もしかしたらブランドが始まって以降で一番頭を抱えたかもしれない。いくつかの決断をしたし、まだやらなければいけない決定事項が残っている。私はとても苦しんでいる。

ただきっと、少し先の未来では、この苦しい日々を、笑いながら思い出すことができるようになっていると信じている。もしかしたら「そんなことあったっけ?」なんて、すっとぼけられるかもしれない。

そんな日のために、今歩んでるこの茨の道を、きちんと丁寧に進んでいこうと思う。


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