生きづらさの行方
予め明記しておくが、この記事において以下で書かれるような対応をするお店を批判している意図は一切ない。私はお店にはある程度客を選別する権利やその店の方針を客にお願いする権利があるという考えを持っている。
この記事は、そういった権利の行使により浮き彫りとなった私自身の「生きづらさ」について書かれている。あることをされて何も思わない人がいれば、それにより大きなダメージを負う人もいる。私の身に起きた、客観的に見れば些細な出来事で、私は思わぬ傷を負った。それは基本的には私の問題だ。
夜7時前、横浜付近での用事を終わらせた後、「有隣堂伊勢崎町本店」に向かった。最近ハマっているYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」の影響だ。「聖地巡礼」といったところだろうか。
当該YouTubeチャンネルに関するポスターがあちこちに貼られている有隣堂店内を堪能したのち、番組内で紹介されていた「ウカンムリクリップ」を購入した。
店を後にしたのは7時半ごろ。遅い時間に電話会議が予定されていたので、夜ご飯を食べてから帰ることにした。
Googleマップ上で、誰に教えてもらったのかは全く覚えていないが、チェックしていたラーメン屋があったのでそちらに向かうことに。
店の前についた時、嫌な予感がした。扉のところに張り紙がある。ただでさえ外は暗くなっているのに張り紙の上の文字は小さい。それにもかかわらず、「日本酒を飲まないお客様はお断り」という部分だけは即座に判読できた。お酒を飲まない私は、扉にかけた手を反射的に引っ込めて踵を返した。
飲酒なしの入店を認めないお店は結構ある。その理由は「儲けのため」というよりかは「店のこだわり」であることの方が多いように感じる。お酒を楽しむための店だからお酒が飲めない人は入店してほしくない、という気持ちそのものはよくわかる。
ただ、今回はGoogleマップ上の表記が「ラーメン屋」だったところでそれだったので面食らってしまった。それがその日ひとつ目のダメージ。
諦めて付近のラーメン屋を探すことにした。飲食店が多いエリアだったので、容易く違うラーメン屋を見つけることができた。
入り口から伸びた通路の両側にそれぞれ5人がけほどのカウンターがあった。厨房に隣接した向かって左側の奥で若い男女ふたりがラーメンを啜っていた。
「奥から詰めて座ってください」
入店と同時にそういわれた。こんなに他に席があるのにわざわざ人の隣に座るなんてなんだか馬鹿げている。各カウンターには透明な仕切りまでされている。ひどく窮屈だ。
隣のカップルの女の子が大声で仕事の愚痴をこぼしていた。どうやら産休に入る同僚の仕事ぶりが気になるらしい。
「あーあ、私も早く結婚して、搾取される側からする側にいきてー」
ラーメンに全く満足できなかったのは、好きな席に座れないためだったのか、産休を“搾取”と捉える彼女のためだったのか、あるいはその両方だったのかはよくわからないが、これが2つ目のダメージ。
少し風にあたりたかったのでLUUP(電動キックボード)で横浜駅まで向かうことにした。車通りの少ない車道を逆走する自転車とすれ違った。なぜ逆走自転車はこんなに多いのだろう。交通ルールを知らないのだろうか。
LUUPに乗りながら最近予約したとあるレストランのことを思い出していた。予約したその日からいかなる理由であれ100%のキャンセル料が発生する等、数多くの“約束事”への承諾が予約時に行われた。失礼な客がいるのはよくわかるが、そこまでガチガチにしないといけないのだろうか。お店に行く前に暗い気持ちになった。これが3つ目のダメージ。
これら3つのダメージは、どれも人によっては全く気にならないものだろうが、一晩経った今でも、私が受けたそれらによる傷は全く癒えていない。なんだかモヤモヤしたものを抱えながらこのnoteを書いているし、そもそもこれについて書いていいものかを2時間ほど思案した。
冒頭に書いた通り、私はこれらのレストランを批判するつもりはない。それぞれのお店がそれぞれの考えでそれぞれのルールを敷いているのだ。
ただ私はそれらのルールが、ひどく着心地の悪い硬い素材の服であるように感じてしまう体型であるようだ。
私は今日も、あちこちでそんな生きづらさを感じながら、それでも生きていくのです。そしてその生きづらさが、noteの記事になったり、香りになったりしていくのです、きっと。
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