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ちゃんと着陸しました。

飛行機の中で目が覚めた。目的地のパリまでは残り7時間。ということは6時間半ほど眠っていたことになる。


羽田空港第2ターミナルに到着後、荷物を預けて手荷物検査、出国審査と終えるまでに20分程度しかかからなかった。第2ターミナルから出る国際線はまだ少ない上に、最新設備が導入されているため、とにかくスムーズだったのだろう。

搭乗までの2時間ちょっとを、免税店の物色、朝ごはんにラーメン(羽田空港から海外へ飛び立つ際は何時であろうといつもラーメンなのだ)、そしてnoteの執筆にあてた。ちょうど記事が書き上がったところで搭乗となった。

機内では進行方向向かって左側、かなり後方の3人席の通路側だったが、結局私はこの3人席をひとりで使うことになる。離陸前に真ん中の席に移動し、すぐに眠りに落ちた。

あまり良質な睡眠ではなかったが、とりあえず機内でまとまった時間寝れるのは悪いことではないだろう。少なくとも一睡もできずにパリに到着するよりはよっぽどマシだ。6時間ほど寝たようだ。ちょうど時差ボケの軽減にもなりそうな睡眠時間と起床タイミングだった。起床後はしばらく本を読み、その後このようにnoteを書き始めた。

私は元来閉所恐怖症のきらいがあるため、飛行機の中に長時間閉じ込められるのは生理的に好き好むところではないのだが、最近は電波がないことで何の連絡も届かないこの空間が気に入っている。何にも邪魔されることなく、睡眠や読書、noteの執筆ができることが、思いがけず快適であると気づいたのだ。

つまり私はそれだけ、日頃各方面からの連絡に気を揉んでいる、ということだろう。あるいは「怯えている」という方が正確かもしれない。悪い連絡があると(もちろん、日々の連絡に占める悪いものの割合はかなり小さいのだが)、途端にひどく塞ぎ込んでしまうのだ。私はそうやって、ビクビクしながら、日々を、特に平日を過ごしている。

当然のことながら、今この瞬間も私のメールボックスにはあれこれの連絡が入ってきていて、その中には悪いものもあるかもしれないが、飛行機の中にいると「まぁ、もしかしたらこのまま墜落してしまうかもしれないし」という不思議な妄想で、そういった懸念を払拭できる。嫌な連絡を目にするくらいなら、墜落して私が跡形もなく消えてしまった方がマシ、とどこかで思っているのだ。

なんだか極端に聞こえるかもしれないが、私は実際にそんなふうに思っている節がある。不満がないわけではないが、私は今それなりに人生に満足しているから、もし仮にここで人生がぷっつりと終わってしまったとしても、後悔することはさして多くない。もちろん、周りの人は悲しむかもしれないが、よく言われるように「一人称の死はない」のだ。私自身は死ぬ瞬間を知覚することすらできないのだから、どこでどのような形で終わろうとも、変にその直前に苦しまない限りにおいては、別にどうだって構わない。

会社を経営していると、様々なトラブルに見舞われる。特にものづくりの現場においてはそれが顕著だと思う。この10月に出す新作香水の製造に、幾つのトラブルがあったか…思い出したくもない。

いい経営者はきっとトラブル対応が上手なのだと思うが、私はそれがめっぽう苦手だ。


………………ぐー、ぐー………………


ここまで書いたところで、気がついたら眠ってしまっていた。残りの飛行時間から鑑みるに、2時間ほど寝ただろうか。頭痛薬が効いたタイミングだったからか、とても気持ちのいい睡眠だった。

あと3時間半で着陸するようだ。あれこれブツブツと書いてきたが、心地よく眠れたおかげで、どうでもよくなってしまった。パリに着いたらそれなりに楽しみも待っている。久々の友人、眼鏡の展示会、そして、香りのクリエーション。滞在はたったの2週間。変な連絡に怯えないで、きっちり楽しもうと思う。


だから、お願い、墜落しないでね…!変なこと書いちゃったけど、やっぱり、ちゃんと着陸して…!

お願いします…!


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