見出し画像

いま子ども達に必要なチカラ

子ども達にとって本当に必要な学びとは何なのかを探るために、前回は、私なりに”いま”をとらえ直してみました。
今回は、それらを踏まえ、「いまの子ども達に必要なチカラ」ってなんなのかを私なりに考察したいと思います。


まず、前回まとめた現代社会の4つのフェーズはこちらになります。

私なりの「いま」
1.ありとあらゆるものに先端技術が導入される「Society5.0」時代の到来
2.目まぐるしく変化する予測困難な社会
3.グローバル化・多様化の更なる進展
4.選挙権年齢・成人年齢の引き下げ
             (前回の記事はこちら→「いま」をとらえ直す)

これらをもとに、私なりに”いま”の子ども達に必要なチカラを4つにまとめました。こちらです。

いまの子ども達に必要な「4つのチカラ」
1.コミュニケーション力
2.グローカル力
3.探究力
4.認める力


1.コミュニケーション力

ありきたりですが、AIやロボットが普及するSociety5.0時代において、人は「人にしかできないこと」をすることによって、その存在価値を保ちます。その鍵になるのがこのコミュニケーションです。

コミュニケーション力には「話す」「聴く」「話し合う」の3つが含まれます。
「話す」は、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力
「聴く」は、相手の考えをしっかりと聴き理解する力
「話し合う」は、自分と相手の考えをすり合わせて最適解を導き出す力

です。コミュニケーション力というと、どうしても「話す」に意識がいきがちですが、コミュニケーションが双方向のものであることを考えると、上記の3つの力がバランスよく備わっていることが重要だと考えます。


2.グローカル力

グローカル力とは、グローバル(Global)ローカル(Local)を掛け合わせた造語で、「地球規模の視野で物事を捉え、地域視点で行動すること」を表しています。

グローバル化の進展に拍車をかけようとしているのが、SDGsです。

昨年時点で、東証一部上場企業のうち、SDGsに取り組み始めている企業が45%、取り組みを検討している企業が39%となっています。

実に8割以上が地球規模の課題を視野に入れ、その解決に企業ぐるみで取り組もうとしています。「SDGs時代」ともいわれるこれからの社会では、地球規模の課題に対して問題意識を高め、倫理的な判断と身近なところで具体的な行動ができる”グローカル力”を高めることが、子ども達にとって重要だと思います。


3.探究力

気候変動や技術革新などにより激動する社会の中で、我々に求められるのは”創造的な力”です。決められたことをきちんと実行するだけでなく、新しい価値を創造しなければなりません。

そのために必要なのが探究力です。自ら課題を発見し、解決策を考え、実行に移し、新たな価値を創造するチカラが現代社会において求められています。


4.認める力

認める力には、自分を認める力と相手を認める力があります。

①自分を認める
アメリカの学習科学者キャシー・ハーシュらは、これからの時代を生き抜くために子どもが備えるべきスキルを"6C"にまとめました。この6Cの中には、「Confidence(失敗を恐れない気持ち)」があります。失敗を恐れずに何事にも前向きにチャレンジするためには、自分を認めていること(=自信)が必要になります。

残念ながら日本の子ども達は自分を認めることが上手ではありません。
自己肯定感をいかに育むかは日本の教育の大きな課題といえるでしょう。

画像1

画像2

②相手を認める
教育の本質は「自由の相互承認」の感度を高めることと苫野一徳氏がいうように、お互いがお互いを認め合い、よりよく生活できるように協力する姿勢を養うことが教育の本質だと思います。様々な人種や国籍、ジェンダーや障がいの有無など、多様性の中で生活し、協働するために、”相手を認める”素養が欠かせません。


以上が、4つのチカラです。これらのチカラを学童という自由な空間の中でいかに育んでいけるかが私のこれからのテーマになります。


放課後の時間は、子どもたち一人ひとりの意思が尊重され、伸び伸びと楽しく過ごすことのできる時間です。子ども達の自主性、主体性を尊重し、そして何より楽しく生活できる空間づくりを大切にしながら、質の高い教育を提供することができるよう心掛けていきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?