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『ブルーピリオド』、刺さる


「ブルーピリオド」をみた。
絵画の奥深さと藝大の厳しさをはじめて知りつつ、
その物語を彩る言葉が温もりを持っていながらなんて鋭いんだろう、と感銘を受けた。
時間を持て余していた僕がそれらを丁寧に受け取っては一段、また一段と物語とソファにのめり込んでいったのは想像に容易いだろう。


僕は高校時代にお酒を飲んでオールして明け方に〆のラーメンを食べて道端で吐いて、みたいな生活をしたことはないし、かと言って時間と精神を削ってひたすらキャンバスと向き合い腕に蕁麻疹が出るほど自分を追い込んだ経験もない。


たぶん、どちらにも振り切れないほど中途半端な真面目さと諦めでこれまでを生きてきたからだ。
それはそれで楽しく生きてこれたから後悔はないけど。



ただ作中、所々自分に言われているような台詞があった。

「君は溺れる人がいたら
救命道具は持ってきても海に飛び込むことはしない
裸で泣いてる人がいたら
服を掛けて話を聞くことはあっても自分も脱ぐことは
絶対にない」

人生で時折感じる自分の嫌な部分と憧れている姿を上手く言語化したような台詞。
この言葉はもれなく僕に向けた言葉でもあったのだ。
だから聞いたときは、なんだかスッキリした。

ありがとう、ブルーピリオド。


こうしてふとしたきっかけで観たアニメに
自分を気付かされたりするから何でも触れてみる行為は面白い。

今度世界堂にでも行って画材みてこようかな。


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