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ユーザーの声とKPIに向き合って2年間考えてきたこと

メリークリスマス🎅株式会社マクアケの高橋優です。アプリのグロースやプロダクト改善などをしています。

この記事はモバイルアプリマーケティング Advent Calendar 2020 24日目の投稿です。(Makuakeのアドベントカレンダーとしても使おうと思います😇)


@n_11oさんにご連絡いただいたので、やってきたことや大切にしていることを整理して、アプリのグロースやマーケティング、プロダクトを担当している方々に少しでも役に立つと嬉しいな〜と思い書いていきます。

Makuakeとは

僕も転職時はクラウドファンディングの会社。という認識でしたが、今はアタラシイものや体験の応援購入プラットフォーム「Makuake」とメッセージを変えて、「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」というビジョンのもと、運営しています。
▽サービスサイト
https://www.makuake.com/

▽コーポレートサイト
https://www.makuake.co.jp/

iOSアプリは2017年10月に、Androidアプリは2019年12月にリリースされました。僕は2018年9月に入社して、アプリのチームはない状況でした。(通知を送る人はいるけど、それ以外何も引継ぎはありませんでした😇)

全体像を理解する

まずはユーザー体験の全体の流れを把握します。簡単なファネルの図やジャニーマップのようなものを作ってみます。実際にアプリに触りながら、計測されているものは何か調べながら作ってみるのが良いと思います。

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明らかに数字が悪化している箇所やネガティブな体験から改善していくことなどいろいろ進め方はあると思いますが、

・致命的な課題や感情の変化はあるか?
・いつまでにどの指標を改善するか?
・リソース(使えるもの)は何があるか?
・最小工数でインパクトの大きそうなことはあるか?

など優先順位をつけて、着手していくことにします。

ユーザーの声に向き合う

最初はレビューの対策から開始。アプリストア体験は新規ユーザーのファネルの最上段であり、どんなにたくさんユーザーを流入させても、ここで離脱してしまったらインストールも会員登録も決済もされません。

あと当時レビューが2.9で、人に紹介するとき嫌だったので絶対に改善しようと思いました😇

やったことは2つでとてもシンプルで、結果4.5まで改善しました。

・SKStoreReviewControllerを導入してポジティブな体験の後に表示する
・レビューに全部返信する

公式の開発者向けサイトにとても良い動画があります。
日本語でも英語でも字幕付けれるのでぜひ見てください。(3:37)

ユーザーの声を信じるかどうか

「ユーザーの声を反映させた施策や開発」について、チームで議論したり迷ったりした経験はありますか?

考え方の流派はあると思いますが、「感情の変化やシチュエーション、顧客インサイトの参考にする」というのが現段階の自分なりの考えです。

例えば、「検索結果を保存したい」というレビューがあった時に、ユーザーはどんな体験を経て、感情が変化し、意見に至ったか。を考えるべきだと思います。「何度も入力して手間だった」「他と比較検討していた」「過去に入力した内容や条件を忘れてしまった」「特定のエリア・カテゴリ・タイトルしか見ていなかった」などユーザーが本当に必要だったものを考え、機能やUIに落とす必要があると思います。

また、前提としてデータを土台とした事実をもとに考える必要があると思います。ある時点の行動ログの総和や差分や確率を考慮しないと実施した改善や施策から期待した結果が得られないことがあります。

検索の例の場合、レビュー通り検索結果を保存できる機能をリリースしたとします。ですが、後日計測してみたら全然利用されていませんでした😇
原因はアクティブユーザー数に対してそもそも検索を行っているユーザーが少なかったことです。検索体験改善の前に検索機能の認知やメリット、導線の見直しなどが必要だったかもしれません。

計測する指標

アプリにはたくさんの指標、KPIがあります。
作り方や考え方などはこちらの記事にとてもわかりやすくまとまっています。(初めてアプリを担当したときはグロースハックジャーナルでたくさん学びました🙌)

記事にもあるように、マネタイズ手法ごとに作り方は様々ですが、まずは小さく作ってみて、計測してみて足したり減らしたり修正していくのが良いと思います。

KPIを定点観測するのは、

1.現在地を正しく把握すること
2.変化に気付くようになること

の2点の理由でやっていくべきかなと思います。
(ダッシュボード作ってslackに投げてとかの話はいったん置いといて。)

例えば「累計100万インストール目指すぞ!」となった時に、今累計何万で、残り何ヶ月で、予算いくらで、広告と検索でどれくらいの割合で、新しい施策で何万必要で、hogehogehoge....

と言ったようにある程度構造を理解していると脳内でもざっくり作れるようになるんじゃないかなと思います。

あまり詳しいことは書けないので、今回はキャンプ好きが集まるキャンプギアショップ「キャンパーの森🏕」で簡単なシートを作成しました(全部適当です。)https://docs.google.com/spreadsheets/d/10Wl85c3P5cr7uvBuGjfZTif0NnbaIHuXeg41B6KbZCI/edit#gid=0

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そのKPIはあなたの都合でしかない

KPIを考える上で、大切にしていることは2つあります。

1.売上至上主義にならないこと
2.そのKPIはあなたの都合でしかないこと

もちろんビジネスの世界で戦っているので結果は大事です。売上は絶対に大事です。

ですが、施策によってユーザー行動や感情が変化し、その結果売上が上がったり、stickyな体験が作れます。最初から売上を目的とした施策はユーザーを置いてけぼりにしてしまう可能性があります。

「平均単価を1万円から2万円にします!」や「CVRを3%から5%にします!」などはすごく魅力的ですし、(計画上)インパクトも大きくできるし、カッコよく社内でも言いやすいです笑

でもそれはあなたたちの予算の都合で、ユーザーには関係ありません。正しくユーザーとコミュニケーションして向き合うには、なぜ必要なのか、どんな想いを持って取り組んでいるか、使ってもらいたいかを伝えていくべきだと思います。(ファネル突破でも一時期に売上に繋がるかもしれませんが、ユーザーの蓄積や長期的なLTVで考えるとむしろマイナスに働くこともあると思います。)

最後に

毎月数字に責任を持ち、プロダクトを考え、初めてのことをたくさんやってきました。

ある日、一緒にアプリのプランニングや半期の計画を作っていた尊敬しているエンジニアの先輩からカイゼン・ジャーニーという本をいただきました。

僕はこの本が好きです。

めちゃくちゃしんどいと思うし、チーム内でぶつかることもあるけどこんな風に働きたいと思いました。

チームは「われわれはなぜここにいるのか」
プロダクトは「ユーザーはなぜ使い続けてくれているか」を考え続けたいと思います。


通知の体験設計とかオンボーディングの紙芝居(初回起動時にでるやーつ)とかユーザーの離脱予測とかカート追加未決済ユーザーへの施策とか細かい話はまたnote書くか今度話そうと思います。

明日はRadiotalkのKaori Inoueさんです!🙌


がんばるぞい💪