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「やりたいことを仕事にする」に捉われすぎない 生き方

やりたいことについて考えはじめたのは2012年、大学3年生の12月からだった。12月というのはその年の就職活動が正式に解禁された月。よく分からないまま就活サイトに登録し、企業説明会に足を運び、エントリーシートを書いていた。ただ周りに流されるように、なんとなく就活をしていたため、熱意など全くなかった。面接であっても、熱意がある様に装うことに対して違和感があったため、全くと言っていいほど就職活動は上手くいかなかった。わざわざ面接の時間をとってもらっていて失礼な話だが、実際に働いてもいないのに熱意など湧くはずがない、というのが本音だ。受け身の就職活動は上手くいくはずがない。ポテンシャル重視の日本の新卒採用において、熱意が非常に重要だ。また会社都合に柔軟に対応できる柔軟性も大事な要素と言える。新卒一括採用が主流の日本において、仕事への興味の有無に関わらず、大学3年、4年になると就活はしないといけない雰囲気があり、そのタイミングを逃すと非常に不利になる。1時間程度の企業説明会と数時間程度のOB訪問で、実際の仕事内容なんてわかる訳がないし、イメージもできない。そんなよく分からないものに対して、周りの就活生はよく熱意が湧くものだな、と疑問を持っていた。就職活動を上手く乗り切るためには、そのような状況においても、自らモチベーションを上げて、行動し情報を得て、企業を理解し、熱意を伝える必要がある。社会人になってから気が付いたが、これは情報収集能力やコミット力を試されていたのだなと思う。ただ私は思い入れがない物に対して、情熱や時間は注げない人間だったし、今もそうだと思う。不器用な人間なのだろう。笑

昨今、やりたいことを仕事にしようという風潮がある。私もそれを念頭に就活も社会人になってからも、探し続けていた。何冊の本を読んだことか。だがまだはっきりしたものはない。でも考えはじめた当初よりは、明確になってきている。やりたいことを見つけるキーは2つあると思う。1つ目は、なんとなく興味があるものを小さくはじめてみること。2つ目は、まず目の前のことを一生懸命取り組んでみること。この2点を続けていれば、視界がクリアになっていく。やりたいことを見つける系の本を何冊読んだとしてもヒントは書いてあるが、答えは書いていないし、一向に見つかるわけもない。実際に体験してみるということが重要だ。やってみたらより興味を持って、どんどんのめり込んでいけるかもしれないし、やっぱりちょっと違うなと引き返すかもしれない。やってみないと分からない。いきなり仕事にするというよりかは、ボランティアで始めてみたり、自分の休日に参加してみたり小さく始めることをおすすめする。また2つ目に関しては、一生懸命やることによって、自分の得意不得意が明確になる。やっていく中で、必ず困難な状況に対峙することになると思う。自分のキャパを超えすぎて、手に負えないレベルであれば、逃げ出すのも一手だと思うが、できる限り立ち向かおう。必ず学びになるし、自信もつく。これからのステップの選択にも役に立つ。経験は貴重な財産になる。

やりたいことを見つけるキーを紹介したが、結論そのことに執着しすぎなくてもいいと思う。やりたいことがわからないからと言って、ずっと中途半端に彷徨うよりも、まずはなんとなく興味のあることを続けること、目の前にあることを一生懸命やることにフォーカスするべきだ。その中で人生をかけて挑戦したいことに出会うかもしれないし、出会わないかもしれない。スティーブ・ジョブズに触発され、自分も人生を捧げ、みんなの生活に影響を与えるような何か偉大なものを成し遂げたいと意気込んでいた時期もあったが、今は縁を大事に、自分の置かれた状況で最善を尽くそうと日々過ごしている。人生を捧げるものに出会わないから不幸せと言うことでもないと思う。あれば色々なものを犠牲にする可能性もある。隣の芝生はめちゃくちゃ青く見えるものである。自分のペースで、自分の役割を全うする。これもまたいい人生だと思う。

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