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【読書】健康の結論

本書は、ホリエモンの愛称でお馴染み、実業家の堀江貴文氏が予防医療の重要性、ノウハウについてまとめた本である。(発行が2018年であり最新情報ではない可能性もあるため、その点はご注意されたし。)

今、日本人のおよそ3人に1人はがんで死に、さらに3人に1人は心臓病か脳卒中で亡くなり、残りの人もほとんどが肺や腎臓などの病気で命を落とす。
著者も少し前までは特殊な医療技術が開発されないと、健康で長生きなんてできないのではと思い込んでいたとのこと。
ところが、調べていくと「検査を受けて、予防する」、たったこれだけのことで治療が難しい病にかかる可能性がかなり減らせることがわかった。
しかし、この簡単なことが思いのほか知られていないし、やっていない人があまりに多い事実を目の当たりにするのであった。

本書は、著者が日本の医療情報の格差を是正するべく立ち上げた、予防医療普及教会の取組みの一環である。著者が多くの専門医に対し徹底的にインタビューをおこない知見を引き出している。

私事ではあるが、最近2歳の娘がRSウイルスに罹患し、細菌由来の二次感染を起こし入院していた。保育園に通っている娘にとってRSウイルスは完全に予防できるわけではないので仕方ないと言えば仕方ない。
だがやはり、娘の入院中は本当に切なくなった。初めての経験だった。いつも元気な娘がぐったりしている様子や、大泣きしながらもなんとか点滴を受けてくれたり、家に帰りたいと泣いたりと幼い娘にとって心身ともにかなり大変な経験だったことだろう。病気の仕組み、予防策、発症後の対策をしっておくことで、今後助けてあげられることも多いだろう。そう感じて本書に手を伸ばしてみた。

予防医療については、知っているようで知らないことも多いものだと感じた。
とくに本書でピックアップされている疾病については今後しっかり予防していこうと思い、iPhoneのメモ帳に必要な予防策、検診を受ける適齢期、検診の適正頻度などをまとめた。歯周病、大腸がん、胃がん、脳卒中、心臓突然死、HPVなどである。

また、妻と初めての脳ドッグを受けることにした。最近ではテクノロジーの発達によりスマート脳ドッグなるものがあり、近所の脳神経外科でも導入されていることを知った。実際の検診自体以外は、予約から検診結果の確認までを全てスマホで対応できる。しかも検診当日も所要時間は30分で済むとのことでかなりハードルが低く使い勝手が良い。費用も1回17,500円と良心的でありがたい。

本書で強調されていたのは、防げる死がまだまだあるということ。
リテラシーを高めるだけでQOLの高い生活を長期間にわたって享受できるとすれば、それは幸せなことだろう。医学的知識をわかりやすく教えてくれる本書は、自分のみならず、妻や子供、親など、大切な人の健康、命を守るためのマストアイテムかもしれない。

本書は入門編に位置するため、トピックが限定的になっており、得られる知識量はそんなに多くはないだろう。
が、このようなライトな教材から興味・関心を刺激しておくことで、より専門的な分野に対しても好奇心が湧いてくるようになる。

人生を楽しみたいと考えているのであれば、健康は必要条件だ。長生きするだけでなく、いかに健康でいられるかだ大事だ。病気にもならずボケもせず楽しくいきていきたい。死ぬまで病気から完全に逃げ切ることはできないだろうが、できる限り長く楽しい時間を好きな人たちと過ごしたい。

他方、健康に気を遣いすぎてストレスを溜めるようであれば本末転倒。なので本書のような重要なポイントに絞って解説してくれる書籍は重宝したい。賛同されるのであれば、ぜひ一読されることをお勧めする。

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