見出し画像

【読書】逆説の日本史 第1弾 戦国三英傑編(コミック)

掲題の書籍を読んでみた。

本書は教科書でならった日本史の解釈と異なった見方(仮説)で日本史をとらえなおしている。また、時代別に習う学校の歴史の授業と異なり、流れ(全体像)を大事にしている。そのため、歴史的出来事の内容(結果)と年号をただ覚えるためでなく、その背景(ストーリー)を理解するのにかなり役立つ。

オリラジ中田あっちゃんのYoutube大学で歴史回を好んで見る人なんかにはドンピシャの内容だと思う(笑)しかも、コミックなので歴史漫画を読んでるのとなんら変わらない。

本書の面白さは、著者の鋭い仮説をベースに戦国時代の三英傑(信長、秀吉、家康)についてシームレスに描いてくれている点にあると思う。

著者の井沢元彦氏は、元TBS報道記者の作家。歴史学者ではない。歴史学者が史料に書かれていることのみを事実として取り上げているのに対し、史料として残っていないことも推察し筋の通る仮説を展開してくれている。

たとえば、信長の比叡山焼き討ちや石山本願寺との十年戦争。一般的には信長の宗教弾圧と教わっているはずだが本書の仮説はこうだ。

信長がこだわっていたのはあくまで信教の自由。なので宗教団体が武装して反対派を襲撃するようなことはやめさせたかった。

そこで信長は、宗教団体同士の殺し合いをやめさせるため、武装解除させ、政治や戦争に介入することなく宗教活動に専念せよと再三警告してきた。現に加賀では、本願寺が大名を追い出し支配していた。

が、信長の警告は聞き入れられなかった。それでは、信長の野望である天下統一の邪魔になる。ということでやむなく比叡山の焼き討ちや石山本願寺との戦争という手段をとった。つまり、宗教団体の弾圧であって、宗教弾圧ではない。

それを読んで比叡山延暦寺焼き討ちについての印象がガラッと変わった。タイトルに逆説とあるだけあって、著者の筋立った仮説がかなり面白く、歴史的背景がどんどん頭に入ってくる。教養としての歴史を身につけられていると実感する。たまらなく面白い。

歴史の教科書は歴史学者がつくるものなので、一般的には史料として残っているもののみがベース。また学習体系も時代ごとの縦割り。著者のように歴史を横串でさし全体感を踏まえた上で歴史的事象を解説してくれる人はそういない。本書は、ある事象のみならず脈々と続いてきた日本史全体の理解を助けてくれる。

ところで本書を読んだきっかけは、著書と堀江貴文氏がコラボし日本史について対談する動画を見たこと。そして、日本史を理解することが、現代の日本人、母国日本を理解するのにたいへん参考になると思ったから。

あとは単純に2人の対談に自分の好奇心をもろ刺激されたから。Peatixで2,500円払った価値は十二分にあった。現在発行されているシリーズ4巻とも全部、即Amazonでポチった。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?