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【遊山箱の想い出】お雛さんと遊山箱(上板)

こんにちは。遊山箱文化保存協会です。

私たちは、徳島県に伝わる遊山箱を守り、伝え、つなげるために活動する遊山箱愛好家団体です。遊山箱文化の伝承を目的とし、遊山箱を使ったテーブルコーディネートの提案、交流イベントの開催など、暮らしの中で楽しみながらその魅力を体験する機会を設けております。

3月3日(日)イベントの告知をさせていただきました。
イベント当日までnoteで遊山箱のお話をしていきたいと思います。

どうぞ、お耳からも遊山箱のお話を聞いてください。


普段行けんような大きなお家にも行けたんよ

上板に住んどんでよ。80代です。 私んくの近所には、同年代の女の子がいっぱいおったんでよ。自分くも飾っとったし、隣も飾っとったけん、旧暦よね。

3月3日の日は隣からずーっと回って遊山箱下げて、普段行けんような大きなお家にも行けたんよ。すごいお雛さんやったわ。

家から詰めて行って、近いところだったら家にもんておかわりを入れてもらいよったけど、遠いところまで行ったら、そこの家でおかわり詰めてもらって、誰が来てもいいように用意してくれとったな。

子どもやけん、ほんなにようけは食べんしな。 あくる日は「鹿の悪日(しかのあくにち)」というて、4日は日が悪いということで、あくる日もお弁当をしてもろうて吉野川行ったり、お寺の5番さんに行ったりもしたんでよ。

聞いてみたら、近所に女の子がおらん地域では、家によってはお雛さんなしに掛け軸だけのお家もあったらしいんよ。そんな家もあったから、お雛さんの前には行かんと、羅漢(らかん)さんに入ったり河原に行ったりしたような。人によって違うみたい。男の子は山に行ったりしたって言うんよ。

子どもにしたら最高のごちそうやね。最高の日。


今は巻き寿司やお寿司やあるけど昔はなかったけん、ひな祭りにごちそうが食べられて嬉しかったな。りんごが美味しかったわ。

一番下にお巻き寿司、二番目にお煮しめ、三番目に羊羹と寒天とな、色のついたピンクやグリーンやら、色粉やな。1個は青いんを入れるん。

ちょっと大きいになったら手伝わされるんよ。あの寒天が溶けるのをね、ちぎっては混ぜるんよ。ほらもう、子どもにしたら最高のごちそうやね。最高の日。

遊山箱はカラフルな赤やら黄やら緑の引き出しがあったな。私んくのそんな高いもんではなかったけんど、丸いところから見えとんがね、すごい楽しいんよ。 75年前のことやけんど、ほらはっきり覚えとうなあ。楽しかったわ。

子どもの頃の思い出をお話しくださる皆さんの体験談、楽しかったその景色が浮かんでくるようです。最高の思い出と美味しいご馳走。街の景色や近所の人の笑顔。

遊山箱の思い出を語り伝えていきたいと思っています。

【イベントのお知らせ3月3日は遊山の日】

私たち、遊山箱文化保存協会はこれからも遊山箱の文化を伝えていきたいと考えております。どうぞ、遊山箱を懐かしく思い出される方も、遊山箱を初めて知る方も、3月3日は阿波十郎兵衛屋敷イベントにお越しください。

イベントの詳しいご案内はチラシからもご覧いただけます。この日のためにアレンジした遊山箱セット(お茶付き)はご予約が必要です(50名様まで)

予約はこちらから。

https://docs.google.com/forms/d/1gi9VxXmFZYUSUmdLDaMgyftlLzfNPAMT-m7oD290tbo/edit



文責:遊山箱文化保存協会 事務局


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