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🍥燻製フィナンシェ🍥


コンビニをはじめ、至るところで目にするフィナンシェだが、17世紀にL'ordre des Visitandinesの修道女によって作られことから、ヴィジタンジーヌと呼ばれたことが起源と言われている。

蛇足だが、最新のiPhoneで「ゔぃじたんじーぬ」と入力すると、『ヴィ時短ジー主』と予測変換された。この体たらくでは、ジョブズも修道女も草葉の陰で苦虫ならぬ辛酸リンゴを齧ったような顔をしているにちがいない。


さて、フィナンシェといえば、バターの豊かな味わいが最大の特徴と言えるだろう。

そして、煙属性の私としては、乳黄色の柔肌バターを燻製せずにはいられない。ナオヤ・イノウエがレバーに左フックを叩き込まずにはいられないようにだ。

沈黙の臓器も騒ぎ出すナオヤ・イノウエのレバー打ち


ちなみに、バターの融点は28℃前後とたいへん低いため、冷燻法で煙に巻いていく。冷燻の方法はいくつかあるが、ここでは準備が楽で季節を選ばないオーブン燻製器の登場だ。
食材直下のマルチパンに氷を敷いて、温度上昇を抑えることが手軽に出来るおりこうさんだ。
バターをはじめ、生卵、クリームチーズ、チョコetc…と、我が家では菓子作りでよく活躍してくれる。

身を寄せ合ってカメラを見つめる燻製バター




面倒くさいのでレシピは割愛するが、バターを燻製にするならば、そのバターを焦がすのは避けたほうがいいだろう。
燻製バターと焦がしバターは、喩えるなら「おにぎりでごはん食う」といった趣の同工異曲と言えるからだ。

蘇りしマーキュリーと
スモーキーなヴィジタンジーヌ



こうして焼き上がったフィナンシェは、バターの周りを煙がふわっと漂う面白い味わいだ。

とびきりスモーキーな燻製で酒を飲むのも最高だが、煙を味のピースとして料理やお菓子にはめ込んでいく作業も、男の実験心をくすぐる楽しさがある。

ただ、面倒すぎて発狂してしまいそうなこともある。それだけは言っておきたい。


フィナンシェは甘いが、煙は目に沁みる。

そういうことだ。


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