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第18回:たった一人を熱狂させる/UCHIWAをNIWAKAに

こんにちは、株式会社TO YOUの岩下です。

第1回から第4回で「たった一人を熱狂させる」という弊社コンセプトと渋谷・神泉で営業しているセレクトショップR for Dにどう落とし込んでいったのか、という全体像をお話してきました。

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)

第5回目では私の自己紹介もしましたので、第6回以降はもう少しディテールに注目してミクロに切り分けたテーマを取り扱っていきたいと思います。
テーマ設定は気まぐれです。

せっかくなので続けたいなと思っていますが、どこまで持つのか。
毎日1つ文章を書くことを続けるというのは結構大変なことなのだと毎日感じます。でもやっぱり反応をいただけると頑張れる気がするので、ぜひスキやフォローなどお願いします。

第18回のテーマは「UCHIWAをNIWAKAに」です。

私たち株式会社TO YOUが運営するセレクトショップR for Dでは国内のデザイナーズブランドを中心に今シーズン東京コレクション(Rakuten Fashion Week TOKYO)に参加しているBALMUNGbodysong.、パリで行われた「第34回イエール国際フェスティバル」でのファッション部門で準グランプリを受賞したRe:quaL≡ (リコール)など、熱狂の詰まった個性的な洋服を数多く取り扱っています。

どれも私たちが自信を持っておすすめできるブランドばかりですが、洋服屋さんとしてはもっともっと多くの人に知ってもらいたいし、着てもらいたい、そのためにはどうしたらいいだろうといつも考えています。

その時になんとなくイメージにあったことは山のシルエットで、ファッション業界の熱量をグラフにすると頂点はものすごく高いけれど裾野の狭い山で、これはせっかく頂点がこんなに高いのだから裾野を広げる働きかけが必要なのではないかななどと漠然と考えていると、ほぼ日の糸井さんがラグビーの話でNIWAKAと言い出しているのが目にとまりました。私は割と糸井さんウォッチャーなので何度も聞いていたようなこの言葉ですが、改めて調べてみると始まりは2015年ラグビーW杯にまで遡るようです。調べていて「NIWAKA」なのか「にわか」なのかはちょっとわからなくなってきましたが、とにかく4年もにわか、NIWAKAと言い続けて、2019年に熱狂がとうとう爆発的に日本中に伝播しています。まだまだW杯2次予選とはいえ、同時期に試合をしているサッカー日本代表が霞むほどです。

これがもしプロモーション戦略だったとしたら(実際は最初から仕事だったのか途中からそうなったのか今も趣味なのかわかりませんけれど)、と考えてみた時に

UCHIWAフェーズからNIWAKAフェーズに移行するお手本なのではないかと思い始めました。

◼️UCHIWA
◼️NIWAKA

◼️UCHIWA
これはたった一人が熱狂している状態です。どんなクリエイションも内輪から生まれます。本当に一人だけから始まったばかりの熱は小さなロウソクの炎のように風が吹けば消えてしまうかもしれない弱いものですが、時間と労力をつぎ込んで必死で守られる熱は確かにそこにあります。それが徐々に家族や友人、知り合いと近いところにまず伝わり、熱狂は燃料を得て小さな火種から焚き火くらいになってくると、多少の雨風が吹いても揺らがず燃え続けることができる。焼き芋だって作れます。

◼️NIWAKA
これはたった一人の熱狂が伝播、拡散して燃え広がっている状態です.。時間をかけて口コミで広がっていくこともあれば、影響力のあるメディアなどによって急速に火力を増やすこともあります。生産が追いつかないような状況になる可能性があり、多忙と周囲からのさまざまな期待や批判に晒される段階でもあります。UCHIWAで生まれたたった一人の熱狂が、世界から注目される段階です。

UCHIWAとNIWAKAの関係は山のシルエットの例でいうと山頂と裾野の関係です。山頂の高さを決めるのはUCHIWAの熱狂であり、裾野の広さを決めるのはNIWAKAの熱狂です。そう考えていくと、ファッション業界に必要なのはNIWAKAの強化なのではないかと思うのです。デザインする洋服のクオリティが高く、UCHIWAの熱狂が十分に高いのであれば、言い換えるとコンテンツに圧倒的な自信があるのであれば、UCHIWAにとどまらずNIWAKAにチャレンジしていくべきなのではないかと思います。

きっとそれが糸井さんがラグビーでやったことで、糸井さんはラグビーというスポーツのUCHIWAに触れ、その熱狂は本物だと感じたからこそNIWAKA、にわかとメッセージを出し続けたのではないでしょうか。社会現象みたいなことをいくつも生み出してきたからこそ、こういう時UCHIWAからも反対が出ることを経験上知っていたからこそ、それでもUCHIWAの殻を破らなければもっとおもしろいことができなくなることもわかっているからこそ、あえて嫌われ役を引き受けてNIWAKAと自虐とも取れる言葉を使ったように思います。

今回思ったのは、ラグビーというコンテンツで糸井さんがやっても4年かかるんだということです。きっとファッション業界ももっと自分を信じて、長い時間をかけて成長していく覚悟が必要なのかもしれません。

そんなことを考えると、やっぱり東京コレクションは自由に観ることもできないし、期間中に渋谷の街を歩いてもいまいちわかりにくいし、基本招待制で私たちメディア関係者やいわゆるVIPみたいな人だけの閉じられた空間だし、変えた方がいいのでは、ということもたくさんあります。

なぜなのだろう、余程コンテンツに自信がないのか、コミュニケーションを増やす覚悟がないのか、他に何か言えないけど重要な理由でもあるのか。

こんなこと書いたら近藤に余計なこと言うなと怒られるのかなとも思いつつ、怒られないような気がするのでそのまま書いちゃいます。

東コレ、なんなら私たちに運営させてください!

R for Dはいつでもオープンマインドで営業していますので、気軽に遊びに来てくださいね。むしろたまたま通りかかった近所のおばあちゃんとかが野菜買った帰りに地下への階段を降りてわざわざ入ってきてくれるのとかとても嬉しいです。洋服大好きな人たちの集まる場所でありたいし、街にだって溶け込みたい。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

株式会社TO YOUでは、それぞれの「たった一人を熱狂させる」を実現したいビジネスパートナーを募集しています。
ファッション業界でも、そうでなくても、どちらでも大丈夫です。
私たちはより多くの人が熱狂を形にできる社会がいい社会であると考えています。

あなたの熱狂を私たちに教えてください。そして一緒に実行しましょう。
反対の場合もあるかもしれません。
ビジネスのバックグラウンドがあるあなたであれば、そこでどんな熱狂を起こせるのか、私たちにも一緒に考えさせてください。

ご興味をお持ちいただけたら、Twitterのフォロー、DMやメールでのご連絡もお気軽にお願いします。

Twitter: @Iwashitayusuke

Mail: iwashita@deedfashion.com

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)






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