加江

土佐の民俗を記録していく国語教員。 高知県中土佐町より。

加江

土佐の民俗を記録していく国語教員。 高知県中土佐町より。

記事一覧

法事のこと

今年は祖母の三十三回忌でした。 当地では初七日以降の法事で、紅白の団子を供えます。 葬儀が終わり、後飾りの祭壇に紅白一対の団子を供え、七日ごとに作り変えます。 四…

加江
4か月前
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船霊様のこと

一隻の船には、必ず一体の船霊様が祀られます。 船霊様とはそのまま船の神霊のことなのですが、それぞれ船によって、つまり船を作った船大工によって、その御神体は様々で…

加江
5か月前
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しめ縄のこと

しめ縄。注連縄、七五三縄などと書きます。 今回はお正月のしめ縄について。 一五三のしめ縄 しめ縄と一口にいってもその形は様々。 特に土佐で飾られるしめ縄は、正月に…

加江
5か月前
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正月のこと

ぼちぼちとやっていこうと思います。  土佐の小さな漁村では、今でも古い習俗が残っていることが多いのですが、それもコロナ以降は虫の息といった有り様で、今後記録でき…

加江
5か月前
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法事のこと

法事のこと

今年は祖母の三十三回忌でした。
当地では初七日以降の法事で、紅白の団子を供えます。
葬儀が終わり、後飾りの祭壇に紅白一対の団子を供え、七日ごとに作り変えます。
四十九日以降は、一周忌(むかあれ)、三回忌と回忌ごとの法事でこの紅白団子が供えられます。
同じ町内でも山を超えた隣の地区では白のみで一対供えるらしく、風習が異なっています。

団子の作り方

この紅白の団子は三十五個の団子からなっています。

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船霊様のこと

船霊様のこと

一隻の船には、必ず一体の船霊様が祀られます。
船霊様とはそのまま船の神霊のことなのですが、それぞれ船によって、つまり船を作った船大工によって、その御神体は様々です。
船霊様を奉製するのは船大工の棟梁の仕事です。

中土佐町の場合、共通しているのは、木の板(厚みのある札状のもの)の中心を長方形に穴を開け、そこに御神体を封じ込めて蓋をするというもの。
御神体は、女性の髪の毛、小銭(寛永通宝から1円玉ま

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しめ縄のこと

しめ縄のこと

しめ縄。注連縄、七五三縄などと書きます。
今回はお正月のしめ縄について。

一五三のしめ縄

しめ縄と一口にいってもその形は様々。
特に土佐で飾られるしめ縄は、正月には一五三の垂れをつける習わしがあります。

垂れというのは、しめ縄に垂らされる藁のこと。普通の神事ではしめ縄を綯う時に、藁を右から七本、五本、三本となるように垂らします。
しかし、お正月のしめ縄に限って、垂れは右から一本、五本、三本と

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正月のこと

正月のこと

ぼちぼちとやっていこうと思います。 

土佐の小さな漁村では、今でも古い習俗が残っていることが多いのですが、それもコロナ以降は虫の息といった有り様で、今後記録できる機会も少なくなっていくのかもしれません。

さて、小正月になってしまいましたが、お正月のことです。高知県は中土佐町の小さな町では、暮れの28日頃からお正月準備が始まります。

正月準備

門松

「迎え飾り(飾り物を家に迎えてその日のう

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