榎本裕介

工学の学位を取得後、学振PDを経て中高に転職。実験助手をしながら教員免許を取得して、私…

榎本裕介

工学の学位を取得後、学振PDを経て中高に転職。実験助手をしながら教員免許を取得して、私立中高の理科・情報科教諭。専門は植物遺伝学。

最近の記事

学びについての大人の声かけが、色々間違っていたかもしれません

諸事情あって2023年度中1学年所属→2024年度も中1学年所属となり、大変光栄なことに所属を離れた2024年度中2学年から「【学習について】の連載を今年度も続けてもらいたい」と言っていただきました。果たして2学年に刺さる文章が書けるかちょっと不安もありましたが、とりあえず1学期を終えました。当たり前だと思っていた言葉を疑うって大事です。 4月発行:学校に通う目的は?学校に通うのは何のためでしょうか?その答えは学費の内訳を見ると明らかです。学費の中で最も大きな割合を占めてい

    • 子どもに学んでほしいなら大人がまず学びを楽しもう

      2023年度3学期に発行した中1向け学年通信「学習について」の記事。1年間で1万字超の連載をやらせてもらいました。毎度FBで公開して知人からコメントをもらうものの、思い返してみれば保護者からのフィードバックを全く聞けていないまま1年間が過ぎ去ってしまいました。これはまずい。 1月発行:好奇心“Curiosity killed the cat(好奇心は猫をも殺す)”というイギリスのことわざをご存じでしょうか。背景としてまず、猫が神秘的な生き物とされていて、死に際を人に見せない

      • 「良い成績を取りなさい」と言わないでください

        2023年度2学期に発行した中1向け学年通信「学習について」の記事。例年だと「計画的に勉強しましょう」とか「苦手な分野もちゃんと頑張りましょう」みたいな文章が出るようですが、独自のテイストで好き勝手書かせてもらいました。要は大人が「良い成績を取りなさい」というのが諸悪の根源だっていう話です。 10月発行:内発的動機付けで学ぶということ授業で演習問題を扱うと「あと5分ください!」といった声を聞きます。この言葉の奥にある動機について考えてみたいと思います。学びの過程で体験する「

        • 学びを強制することをやめましょう

          2023年度1学期に発行した中1学年通信に私が書いたメッセージをまとめてみました。生徒の保護者に向けたメッセージという体裁にはなっていますが、真の狙いはこれを発行する側になる教員に、学びに対する姿勢を見直すきっかけを作ってもらうことです。学校や家庭で中学生によく言われそうなことを理詰めで否定するものになっています。将来のことや、通知表や定期考査で付けられる評価を脅しの材料にするような学びの強制をやめませんか。 4月発行:将来のために勉強をしなければならない?『将来のために勉

        学びについての大人の声かけが、色々間違っていたかもしれません

          現代教育の迷走

          現代における中等教育は大きく道を外してしまっていると私は考えている。社会全体が誤った価値観を持ってしまったことにより、個人が違和感を持ったとしても上書きされ、多くの人がそこから抜け出せないまま大人になっているように思う。そうして育った思考停止した大人が子どもへ不適切な命令をすることにより、また次の世代の子どもも不適切な価値観を形成していると推察している。最近ではブラック校則の見直しが話題になるなど、やっと少しずつ閉鎖されていた教育界メスが入ってきたように見えるが、まだまだ根は

          現代教育の迷走