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「ジャズはずっと同じメンバーでやるものじゃない」

BLUE GIANTを観た。
びっくりするくらいに心に来たから
書き残しておこうと思う。

ネタバレも少ししちゃうから
見たくない!って人は映画観てから読んでね。


「BLUE GIANT」
存在は知っていた漫画で、きっと好きだろうと思っていたけど、絵柄とかタイミングとかそういうもろもろで手を出していなかった。

だけど先日中野新橋アトリエペガサスのまんペガという企画でこの作品のプレゼンを聞いた。

そして映画がやっていた。

今、出会うべくして出会った作品だと思った。

アツイ音楽漫画だろ、うんうん、って
心の準備をしていなかった。
後半、ずっと涙が止まらなかった。
なんだよ、なんだこれ。

観終わった私「もう.…あかんわ.…(泣き疲れ)」
心の中の感情がおかしなことになっていた。

かっこいい、熱い、悔しい、悲しい、羨望、めっちゃいい、自分ダメだ、すごかった、ジャズすごい、涙ぁぁ.…みたいな。



みたいに一直線になれる人間であれば、どれだけ良かっただろう。今までたくさんスポーツ漫画や音楽マンガを読んでいつも思っていた。こんなふうになれたらどれだけよかっただろう。

そんな登場人物を見る度に罪悪感や劣等感や羨望が湧き上がる。自分はやれているのか。自分は全力だって言えるのか。言えないだろう。言えないよな。こんなにまっすぐ音楽に向き合ってるか。向き合えてるか。

私には音楽と同じくらい大切なものや好きな物がたくさんある。それが音楽に影響して曲が作れているとも思っている。だけど大みたいながむしゃらで一直線な人に憧れて仕方がない。

大は音楽だけを見つめて、どんな気持ちを、なんの気持ちをのせて音にしているのだろう。

サックスへの憧れか
世界一になるという野望か
何が彼をあんなに突き動かしているのだろう。

それが知りたい。
原作を読めばもっとわかるんだろうか。

舐められていたフェスでぶちかますところ、気持ちよかったなああああ!ああいう時に思いっきりぶちかますのっていいねん、気持ちいいねん、わかるねん、会場の空気が変わる瞬間、気持ちいいんだよなああああ。
あそこでぶちかませる大はやっぱり良い。


そして玉田
玉田のソロシーンはあかん....
ラストライブ、あかんよ.…
玉田のソロ、それを見て微笑む大、
最初からずっと成長を見守ってきてくれたおじいさんが涙を流すところ、泣かずには見られなかったよ。すごいよ、すごいよ玉田。本当にすごいよ。よく食らいついたよ。すごいよ。

留年したあと、「今しないと後悔するからやらせてくださいって」お母さんに言うのも良かった。今の輝き。10代での夢。今、今しかない熱い思い。今しかない仲間。輝いてた。玉田、輝いてた。

ほんでな、もうな、あかんねんて。
雪祈さんよ.…

平さんの指摘はごもっともで、私もそう思った。ええええ、まず見に来ていただいてありがとうございますやろとか、なんでもいいっすよってなんやねんとか、サインの断りかたとか、それは思ってた。全部平さんが言ってくれて、この人まじですごい人なんだなぁと思った。

音楽は人だよ。
人を映すよ。
やっぱりその人の人柄も大事だと私も思うよ。

そのあとちゃんと考えて、
謝れて、悩んで、答え出して、
しっかり心曝け出せるようになって、
かっこいい。本当にかっこいい。
人間としてかっこいい。

もういいや、って放り出さないで、ちゃんと向き合って豆腐屋さんにまで行ける雪祈、かっこいいよ。ちゃんとごめんなさいができるんだよ。

なのに。なのにさぁ。なんなの。
ねぇ、なんなの。

雪祈がこの夢のためにどれだけの時間費やしてきたか。全部を費やしてきて、やっと夢に手が届くって、そこまできたのに。

なんでこのタイミングでなの。
やっと自分を曝け出せるようになったのに。
これからなのに。
悔しい悔しい悔しい。
悔しかった。

アンコール、これでジャスは終わりだって、みんなわかってた。わかってた中のさ、あの哀愁漂うソロはさ、あかんでしょ。優しい音色すぎたよ。なんだよ雪祈。1番成長してんじゃないかよ。
雪祈の優しいソロに寄り添うような大のサックスがよかった。寄り添ったうえでの思いっきり力強い音色を聴いて、「俺は行くぞ」ってそんな気持ちを感じた。



「ジャズはずっと同じメンバーでやるものじゃない」お互いを踏み台にするって、それってお互いの音楽をお互いが1番信じていて、1番ファンだから言えるんだと思う。仲間だけど1番のライバルでもあるんだ。

私もそうありたい。
音楽仲間が私にもたくさんできている。
だけど私にとって音楽仲間は友達じゃない。

音楽仲間はお互いを高め合えなきゃ。
いつか超えていかなくちゃ。

その人の曲が、声が、
ライブが大好きだからこそ。

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