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『中村佑介展』を観た(2017/7/15)

私は中村佑介さんの大ファンだ。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONも森見登美彦も中村佑介さんのイラストによって導かれた。

「中村佑介さん」とフルネームにさん付けしていないと気が済まない、気持ち悪いタイプのファンだ。

イラストレーター業15周年、中村佑介さんが長年暮らしてきた大阪で母校大阪芸大の声掛によって企画され、且つ大規模な展覧会故に大阪あべのハルカスのみで開催し今後この規模で展覧会を開催される予定もないと言われてしまったらもう行くしかないじゃないか。私は行ったよ大阪へ。展覧会初日に。
自宅から大阪まで4時間あれば行ける時代で良かったよ。

11時開始のところ10時45分に辿り着いたので一安心…と、思いきやもう会場には人だかり…??

てか御本人様が開会のスピーチされてる…。

もうすでに沢山の方が来ていらっしゃるので開場時間は早めましょうという有り難い御言葉を頂き11時より早く中村佑介展初日は開始した。

一番始めに展示されているのは2016年版のソルファジャケ絵。

やっぱり出世作とも言えるアジカンのジャケ絵が最初にずらっと。ほぼ全ての作品の原画が展示。

↑ワールドワールドワールドのジャケ絵、木の部分は別に描いていたんだな…。

↑マジックディスクの6面デシパックジャケ絵! 大きい!!

↑これも怪獣の部分は別に描いていたんだな…。

↑完成形だとメンバー皆立っているけれどこっちは色んなポーズ。こういった試行錯誤が観られるのは嬉しい。

↑CDは中村佑介さんご自身でレイアウトを考えて並べたんだそうな。

アジカンの次はゲントウキ、さだまさしさん、セイルズ、スピッツ等々ジャケ絵が並ぶ。

ジャケ絵の後は森見登美彦さんから始まる書籍の表紙絵へ。

↑劇場映画版夜は短し歩けよ乙女のキャラクター原案。細かい設定が脇に書かれているのを観て感動。普段のイラストよりも体がふわっと描かれている気がする。

↑忘れてはいけない謎解きはディナーのあとで。規制線が絵からはみ出ているのがとても良い。

↑こんなミニコーナーも。絵をより楽しく観る事が出来る有り難い情報。

↑小説のフリーペーパーきららの表紙。
きららの表紙絵と、アーティストがイラストから連想させた詩を載せるという異色の画集&詩集きららちゃんは作品数が多いのと展示会場の広さの都合上展示期間中に途中で展示物を入れ換えるんだそうな。

↑高校の音楽の教科書。活動の幅の広げ方に驚いた。

↑親指の恋人の挿絵表紙絵もシンプル且つスタイリッシュで好きだったな。

↑学生時代の作品も。この頃の作品は寂しさと生臭さを感じるな。

↑サインや色々なコラボ作品も。
完全にサイン会の時の別の方の会話の盗み聞きなんだけれど、 こち亀と謎ディのコラボ絵の原画の方、指名手配書の名前が山止たつひこってなってるんだけれど完成形だと秋本治ってなってて、元々山止たつひこって名前が秋本治先生のペンネームでこち亀も1~5巻ぐらいまではその名前で発行されてて、でも途中で捩り元である山上たつひこ先生からお叱りを受けペンネームを変えたという経緯があり、このイラストで両さんのどこどこが違うなんて指摘は全くなかったけれど、山止たつひこの名前は消してくれ。その一点だけクレームが入ったらしい。

↑チョコパイのパッケージ。中村佑介さんが尊敬する林静一さんがパッケージイラストを手掛けた小梅ちゃん、グリーンハウス米澤さん&兵藤さんが手掛けたビックリマンチョコと一緒のロッテ。ロッテの慧眼に脱帽。

その他にも似顔絵企画の絵や塗り絵企画優秀作品、等身大の女の子のパネルが10体そこかしこにいたりソルファジャケ絵に入り込めるフォトスポットがあったりとファンサービス旺盛。パンツが若干見える覚悟がある人は是非ソルファジャケ絵完全再現に挑戦していただきたい。

裏テーマや裏話が分かる展示パート毎に書かれている解説、前置きの文もどれも面白かった。

↑等身大パネルの女の子、6体しか見つけられず…身長は恐らく150cm前後。

素人からしたら、やっぱり原画を観られるのが一番嬉しかったよ。ほぼ全ての作品の原画が展示されていて、御本人様は原画とかメイキングって特に面白いと思わないから完成品だけ展示すれば良いんじゃないかという考えだったらしいけれど、展示してくださってホント良かったよ。試行錯誤の後とかシミとか筆の跡とか観ると感動するし、印刷の関係で分からない、元の絵は銀紙を使っているというのが分かったりとにかく線が細かいのが分かったり、一つ一つの発見が楽しかった。
やっぱり中村佑介さんのイラストは見れば見るほど観たくなる。
想像以上の情報量、会場の広さで来た甲斐があった。

その後のサイン会では、「15周年て言っているけれど、多分プロとして活動しているのはまだ10年そこそこでお風呂が付いたのなんて2007年ぐらいじゃないかなあ…それでいて図録は学生時代のものも掲載されているので20年分ぐらいあって、おめでとうございますって言われてもピント来ないんだよね。
テープカットなんて初めてやったけれど新幹線開通する人がやるものだと思ってたよ。しかもハサミ持つのに手袋してどれだけ過保護? お酒入った樽を割るようなものなのかな~」なんて仰っていたけれど、どのようなタイミングで、自分を祝福してやりたい。と思うのだろうか。聞けば良かった…。

サイン会場内には制服を着ている女の子、アジカンのTシャツを着ている男の子、愛知から来た子、福岡から来た子、森見登美彦きっかけの人、子どもが好きで自分も好きになってしまった女性や、細野晴臣さんの味園ユニバースでのライブに行くついでに来たスーツ姿の男性、色んな経緯で来た方がいた。

以前何かのインタビュー記事で、子どもやギャルにも受け入れられるイラストを目指したい。寧ろ中村佑介という名前なんて無くて良い。イラストレーターを目指す子達の為に、世間にちゃんとした職業と認めてもらうようイラストレーターの敷居を下げたい。という感じの事を仰っていて、着実に目標に向かって突き進んでいるのが活動を見ていて良く分かるし、実績は会場のファン層の厚さからも明白だった。

これからも私はずっとファンでい続けると思う。

会場:大阪芸術大学スカイキャンパス(あべのハルカス24階)
期間:2017年7月15日~9月18日
入場料:800円
※全面的に写真撮影可

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