岡本太郎と『今日の芸術』絵はすべての人の創るもの を観た(2018/10/27)
私は数年前、万博公園で『太陽の塔』を目撃した事がある。圧倒的な存在感、異質感、畏怖の念、森見登美彦の小説『太陽の塔』では「宇宙遺産に登録すべき」という言葉があった。全くその通りとしか言いようがなかった。
「芸術は爆発だ」という言葉があまりにも有名な岡本太郎。
1954年に発行された著書『今日の芸術』がその時代に与えた影響や岡本太郎の思想を紐解く展覧会は、壁に沿って綴られた文章と共に、岡本太郎の作品や映像、影響を受けた作品が展示されていた。
「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」
「芸術は万人によって、鑑賞されるばかりでなく、創られなけれぱならない」
等々、日本の画壇に対するわりと挑発的な言葉や現代アートの必然性を訴えかけるものや、ちょっと芸術を鼻にかけた鑑賞者や芸術をバカにしている大衆に向けた芸術とはなんたるかを説く言葉がとても力強く、易しく、理性的に綴られていた。
岡本太郎の作品は理屈抜きで心の奥底から揺さぶられる緊張感や不穏な空気、躍動感がある。そして立ち尽くしてしまう。こういった感覚って本人の芸術に対する信念がこうだからって簡単に創れるものでも無いけれど、信念があってものづくりしている人には、やっぱりそれだけ作品に魂は宿るんだろうなあと思った。
会場内では出演されたCMやテレビ番組も鑑賞出来るようになっており、作品以上に興味深く見入ってしまった。
生きていた時代の記憶が曖昧だったので、タモリさんとテレビで喋っている映像というだけで何だか不思議で面白かったけれど、フランスではモテたのかというような話になった時の言葉で、
「日本人は溶け合っていないうちから結婚したいというからおかしい」
というような事を言っていて、私情でも情熱的でありながら筋の通った考えをしていて、やっぱり一貫した思想を持っている人は強いよなあと思った。
会場:アーツ前橋
期間:2018年10月5日~1月14日
入場料:600円
※10月中、1/7は無料
※吹き抜けに立っている作品のみ撮影可
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