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クラシックのおもしろさ-シューベルトのピアノ

クラシックのおもしろさ-シューベルトのピアノ

谷本喜基さんのピアノソロコンサートを聴きました。
彼のソロなんて、めったにないから貴重だったんです。

クラシックのおもしろさは、音楽×演奏家というコラボレーションが必ずあるということ。

同じ曲をこんなにも違ったものとして感じられる、なのに語られることは同じ、古いはずなのに新しい、そんな感覚を抱くのは、そのせいだからではないでしょうか。
だから、時間や場所を飛び越えるような体験ができるわけです。

ああ、ウィーンなんだなぁ…ていうリズム感、
隠し味を感じる苦い和音、
わざとらしい感動を呼ぶでもない、
日常生活がさりげなくロマンティックになる、
そんなシューベルトの魅力を堪能させてくれた喜基さん。

彼の曲を聴くとまた、ピアノという楽器の魅力も一層感じるのです。

音楽に飢えてた空気で一杯の客席、
それは拍手の大きさで感じました。

私のようなアマチュアの奏者、歌い手でも、
「先は見えなくても練習はしないとだな…」
と思わせてくれた。

突然やってくる、素敵な「いつか」のために。

止まっていると思っていた時間、実は動いていたんですね。

シューベルトの魅力 「苦味和音」

プログラムより抜粋で感想を。

楽興の時(Six Moments Musicaux)D780
「第3曲は特に有名」と解説にあるとおり、第3曲を聴くと、「あ、これ!」と思います。
「シューベルトにもこんな遊び心を感じる曲があったんだな」て思った曲調。なるほど、ロシアの歌だったんですね。
ぱっと聴いた感じ「おもしろい」ですが、情緒的で風味豊か。

シューベルト歌曲編曲集(フランツ・リスト)
解説書から「フランツ・リストがピアノ編曲をしたシューベルト歌曲は57曲にものぼる…」、初耳でした。
偉大な作曲家の曲を偉大な作曲家がアレンジするとこうなるんだ…、という驚きと新鮮味で溢れています。
セレナーデ(Standchen)は原曲も素晴らしいし、編曲版は世界観をそのままに、艶やかに変身させたリストはさすが!

ピアノソナタ第13番 イ長調 D664
シューベルトにしては「可愛い」と感じた一曲。
だけど、甘すぎないんだよなぁ…、ていう「賢さ」の匂いを含んでいる。
ああ、やっぱりそこはその音なんだね、という「考えさせる」ような造り。
こういう曲を聞いていると、コーヒーの苦味の造り方みたいな…、奇妙なくらい、コーヒーのことを想像してしまいました。
和音に苦味を感じるからかなぁ…。そこがたまらなく好きなんですよね。

谷本喜基 公式ホームページ
ピアニストであり、指揮者、歌手、コーラス指導など多彩で多才なアーティスト
シロさんの台所
twitter

6 Moments musicaux, Op.94 D.780: 楽興の時第3番~シューベルト作曲(アンドラーシュ・シフ)

シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 第4番(内田光子)

「生きた音楽」を愛する人たちへ…

谷本喜基さんと、私が所属しているヒルズ・ロード・コーラスの音楽監督たちによる、生歌ライブ情報をどうぞ。
感染予防ガイドラインに沿っての開催です。

大貫浩史と仲間たちによる歌のトライアルコンサート
今だからこそ、生演奏で伝えたい!No Live , No Life !

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2020年9月20日(日) 開場 午後1時 開演午後2時(予定)
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

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