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次から次へと熱帯低気圧〜思い出される悲劇の水難事故〜

どうも、たなかです。

まず、こちらをどうぞ。

熱帯低気圧が次々と発生しています。

日本付近に最も近い南の海上にある
熱帯低気圧はあすにかけて

東海や近畿地方を通過する見込みです。

東海や近畿中部南部では
明日18時までの24時間降水量は

多いところで

近畿中部・南部、愛知県、三重県
→120ミリ

となっております。

特に山沿いでは雨雲が発達しやすいので

紀伊山地辺りにお住まいの方は
警戒が必要となってきそうですね。

さて。

なぜこんなにも熱帯低気圧が
発生しやすいのかと言いますと

夏の高気圧が東の海上にあるからです。

こちらは、去年の8月13日の天気図です。

ご覧の通り

普段は夏の高気圧(太平洋高気圧)は
南の海上からぐっと日本列島を覆ってきてくるのですが…

今年の夏の高気圧はずーっと
日本の東に位置している状況が続いています。

そのため
日本の南海上は、すっからかんなんです。

上から押さえつけるものがない。

そうするとどうなるかと言うと

もくもくと海の上で雨雲が湧いてきて

気圧が最も低くなる場所に空気が集まり

熱帯低気圧が生まれるということになります。

ではでは。

今日の本題はここからです。

実は今年の夏以外にも
熱帯低気圧がいくつもできた年があります。

それは1999年のこと。

この年も日本の南海上に
いくつもの熱帯低気圧が発生していました。

そして日本列島に接近・通過しては

不安定な天気をもたらしていたのです。

長崎県諫早市(いさはやし)では
1時間に101ミリ
記録的な大雨を観測したこともありましたね。

そんな中
痛ましい水難事故が起こってしまったのです。

1999年8月14日「玄倉川水難事故

神奈川県の丹沢山地にある玄倉川で

子供たちを含む、若い男女18名が

熱帯低気圧の
大雨による川の増水によって流されてしまい

18名のうち13名が死亡してしまいました。

丹沢山地というのは標高が約1700mほどあり

暖かく湿った空気が流れ込んでしまうと

発達した雨雲が発生しやすく

年間を通して雨量が多い場所なんです。

また、地形的にかなり険しい山地。

険しい山地ですから

降った雨はV字の底にある
川に雨水が集まりやすい環境ということ。

そのため、ひとたび大雨になると
短時間で一気に川が増水してきます。

当時、その事故にあった一行に対して

水位上昇の危険性を危惧したダム管理職員や
警察が退去命令を出したのですが

残念ながら聞く耳を持たず
最悪の結果を招いてしまいました。

加えて
ゲスい話を持ち出してアレなんですけど

もちろん
懸命な救助や捜索にあたったわけですが

その費用は
なんと「約1億円」ほどかかり

しかもその全ては公費の負担になりました。

ひとつの油断、ひとつの判断ミスが

その方だけではなく

日本中に多大なご迷惑を
かけてしまう可能性があるということを

この水難事故から学ばないといけません。

今後も熱帯低気圧の北上に伴って

局地的に雨量が多くなるおそれがあります。

特にこれからお盆にかけて
ご家族やご友人たちと一緒に

夏のレジャースポットに
行く機会が増えると思います。

もちろん全力で楽しむことも大事ですが

海、山、川は
常に危険が隣り合わせになっている

ということを肝に銘じてください。

行く前日や、楽しんでいる最中は

ちょこちょこ
最新の気象情報をチェックしてください。

それだけで大切ものを
未然に防ぐことができますから。

何卒よろしくお願いします。

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