国立大学文系学部 受験戦略

受験生のみなさん、こんにちは。秋も本格的に差し掛かった今日この頃。みなさんの受験勉強の進捗はいかがですか?

今日は今からでも間に合う国立大学受験の基本戦略をお伝えしたいと思います。現役生はもちろん、来年再来年に受験が控えた高2生、高1生なら尚更参考になるかと思いますのでどうぞ勉強の合間やトイレ休憩中にでも気軽に読んでみて下さい。ただし少し長い文章なので10分ほどは時間をいただきます。

では、本題の前に私のごくごく簡単なプロフィールだけ書いておきます。大学受験の事をわかってない人間が書いても記事に信用性がなければ意味がないからですね。

私自身は今現在はとっくに油の乗った社会人をしており大学受験をしたのはかなり前ですが、今現在まさに高3の受験生と中3の受験生を子供に持つ父親です。現役時には高3の5月から受験勉強を始め関西にある某私立大学の法学部に現役合格しました。大学名は控えますが西日本においてはトップ及びトップクラスの私立大学出身です。

高校3年生の息子は今まさに受験生。某旧帝国大学の法学部を第一志望に日夜勉強に励んでおります。

ちなみに私の高校は県内で偏差値64。息子は偏差値72のトップクラス高校に通っております。以上が簡単なプロフィールです。

では早速、国立大学の勉強を始める前の基本中の基本戦略、またはこの時期だからこそ再度見直してほしい基本戦略をお伝えします。

まずはあなたの第一志望の大学の共通テストの配点と共通テストと二次試験の配点比率を確認して下さい。高1生、高2生は絶対です。高3生で、そんなの当たり前だろ。と思われる方も今一度、確認をして下さい。何故なら高3生は夏も終わり秋口に差し掛かった今現在。勉強の進捗具合によっては最悪志望校を再検討する段階に来ているからです。基本的には第一志望を諦めず最後まで突き進んで下さい。なぜなら現役生はまだまだここから劇的に成績が伸びるからです。とはいえ、現状を把握せずにがむしゃらに勉強だけをする事はお勧めできません。秋口の今だからこそ、これまで行ってきた勉強の進捗状況を元に進捗確認及び戦略確認をし直す時期だからです。戦略なくして成功なしです。敵を知るにはまず味方(おのれ)を知る事が大昔から今も変わらぬ成功の戦略です。

では、ここでは旧帝国大学のいっかくである大阪大学法学部と大阪大学人間科学部、そして旧三商大の名門、神戸大学法学部及び大阪公立大学法学部の共通テストの科目ごとの点数配分及び二次テスト得点配分、そして各学部の共通テストと二次テストの得点比率を見ていきましょう。

まずは大阪大学法学部。パスナビさんのデータを参考にさせていただくと共通テスト450点満点、2次テスト450点満点の900点満点が配分になります。共通テストと二次の配分は50%ずつ。要は共通テストも二次も満遍なく得点を取れという事を示しています。共通テストのボーダーは84%。900点満点中750点がボーダーという感じですね。共通テストの各科目は国語200点、数学1A2B計200点、英語R100点、英語L100点の計200点、社会100点、公民100点、理科100点の900点を各科目50%に圧縮して450点と言う感じです。英語はRが75%に圧縮、Lを25%に圧縮という感じですね。二次は国、数、英、各150点満点の計450点です。

私の息子の昨年の共通テスト過去問の得点が732点です。732/900で81.3%が現在の得点率ですね。これを阪大法学部の配点に置き換えて計算すると国語186点を圧縮で93点。英語Rが87点、英語Lが85点。英語Rが75%に圧縮で65.25点。英語Lを25%に圧縮で21.25点。足して86.5点。数学が1A82点、2B70点であわせて152点。これを圧縮で76点。日本史Aが85点を圧縮で42.5点。倫政が80点を圧縮で40点。理科基礎が化学生物を合わせて57点。これを圧縮で28.5点。合計366.5/450。81.4%が現状です。900点満点換算とほぼ相違なしの結果ですね。

数学2Bと理科基礎、特に化学基礎に問題が残ってますね。ただこれでも彼の数学はほんの少し前より劇的に点数が上がっているんです。8月中盤の時点ではセンターの過去問3年分で1Aが平均58点。2Bに関しては平均42点ととんでもない成績でした。約1年勉強を頑張ってきたのにです。ただ1ヶ月半くらいでとりあえず共通テストレベルに関しては前述のとおり1A2B合わせて75%も取れるようになりました。この方法に関しては別の記事【大学受験 秋以降の伸び】で詳しく書いてますのでそちらをお読み下さい。

さて本題に戻ります。大阪大学法学部の共通テスト配点基準に合わせて息子の点数を換算すると81.4%の達成率でした。

今度は大阪大学人間科学部の配点を元に計算をしてみましょう。大阪大学人間科学部の各教科の共通テストの配点ですが国語100点、数学100点、英語100点(R75%L25%)、地歴100点、公民100点、理科100点の合計600点換算。二次も国数英各200点の600点。共通テスト・二次の割合はこちらも50%ずつとなります。ただ、共通テストが法学部の時に比べて全教科が100点配点と均等になっています。では再度息子の732点を各科目ごとに振り分けてみましょう。国語186→93 数学152→76 英語172→86.5 日本史85→85 倫政80→80 理科57→57。合計477.5/600。得点率79.6%。

あれ?法学部の時の得点率81.4%に比べて人間科学部だと同じ得点でも79.6%に。約2%、得点率が落ちました。

それでは神戸大学法学部ならどうなるのか?詳しくはパスナビを見ていただきたいのですが神戸大学法学部は共通テスト425点満点。数学の割合が低く国語、英語が100点換算に対して数学は75点換算となります。尚且つ共通テスト425点に対し二次が375点で共通テストの比率が53%と共通テストの点数にやや比重を置いた大学であることがわかります。これを元に息子の共通テスト得点率をはじきだすと、国語→93 英語→86.6 数学→57 日本史→42.5 倫政→40 理科→28.5。合計347.6/425で得点率は81.8%となります。これまでで1番良い結果となりました。人間科学部に比べて2.2%、得点率が向上しました。共通テストの得点が732点で変わらないのにです。神戸大学法学部の共通テストボーダーは81%から82%なので神戸大学法学部なら現在なんとかボーダーに乗ったと言う形でしょうか。尚且つ神戸大学法学部は二次の配点が国語150 数学75 英語150と2次でも数学の配点が低くなっています。私の息子は数学が大の苦手です。前述したとある方法で共通テストレベルは何とかこなせるようになってきましたが、2次はまだまだ不安が残るレベルです。とはいえまだまだ現役生は伸びるので本人はこれっぽっちも諦めていませんが。しかし、数学が弱い事を考慮すると神戸大学法学部さんの配点比率は私の息子向きの比率ではないでしょうか。現在化学基礎に問題は残りますがこちらは正直詰め込みでまだ得点が普通にあがる科目なので心配はありません。

ちなみに大阪公立大学法学部さん。こちらは共通テストは割愛しますが特筆すべきは2次で数学を受けなくて良いと言う数学が弱い学生からするとチャンスな学部ではないでしょうか。

まとめますと、同じ大学でも学部により共通テストの配点比率が違う場合があるため学部により共通テストの得点率が上下する。大学によっては自分が弱い科目の配点比率が低い大学がある。もしくは受けなくてもいい学部がある。という事がわかります。

私の息子の場合は諦めずに数学を伸ばしながら並行して化学基礎の得点をもう少し上げてしまえば大阪大学法学部もまだチャンスあり。神戸大学法学部なら善戦できるレベル。大阪公立大学法学部なら充分射程圏内である事がわかります。化学さえ他の教科並みに点数が取れれば大阪大学人間科学部の方が大阪大学法学部よりも場合によっては相対的に共通テストでの数学の配点が低くなるので合格可能性があがると考える事もできます。尚且つ大阪大学法学部志望で勉強を続けていけば、仮に最後の最後で志望校を変えるにしても、数学の頻出問題の傾向が似通っている神戸大学の文系学部。場合によっては数学なしの大阪公立大学法学部さんに志望を変更というルートも可能になります。もちろん必死覚悟の2次対策はありきですが。

要はこうやって少しでいいので時間を使って、どの大学のどの学部なら自分の現在のレベルにあっているのか?を今一度見てほしいのです。その上で第一志望を今はまだぶらさずに勉強に励んで下さい。何故なら何度も言いますがまたまだ現役生はこれから秋〜冬にかけて劇的に成績が伸びるからです。もちろんある大学のある学部にしか興味がない方は一直線で突き進んで下さい。私は法学部出身ですが現役時代、正直法律など一切興味がありませんでした。ただただ当時はその大学の中で1番格上の学部かつ以前は法学部と言えばまだ花形学部の時代だったので、単純にカッコつけたいという理由で志望しただけです。今は情報系であったり国際系の学部が花形でしょうか。もちろんやりたい学問や学部があるならそこを本気で狙うべきです。大学名だけが欲しいからとりあえず何学部でもいいから入りたいではいざ入学してから4年間、興味のない学問に苦しめられる可能性もあります。私がまさにそうでした。しかし、住めば都。慣れてしまえばそれなりにその学問が好きになったりもします。私も法律に興味などなかったのに一時期は弁護士を目指した時期もありました。まぁ、もちろん挫折して民間企業にすぐさま切り替えましたが笑。

とにかく再度、現在のあなたのレベル、わかりやすいのは共通テストの得点でしょうか。共通テストは昨年1年分と試行調査くらいしかまだ過去問がありませんがセンター過去問でも良いのでまずは2〜3年分を解いて現在のあなたのレベルを把握し志望大学の得点配分にキチンと当てはめてみて下さい。共通テストは900点満点で自分の点数は630点だから7割か。という単純計算ではなく、正確に志望大学の志望学科の得点比率に当てはめて計算して下さい。7割と思っていたら7割3分もあったや、6割8分しかないよという事が普通に起こり得ます。ざっくり計算は禁物です。正確に点数が弾き出せれば戦略が導けます。戦略があればどこに向かうか何をすべきかが明確になります。がむしゃらに目的地もわからずひたすら勉強している子を逆転して追い越す事が可能になります。地味な作業ですが必ず実行して下さい。そんなの意味ないよと思う方は共通テストで志望大学ボーダーより20%アップの得点を取ってから文句を言いましょう。

あなた方の成功を心から祈っています!!






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