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精神障害者にも優しい世界に変える

こんにちは、編み物作家のはるです。

今回のテーマ「精神障害者にも優しい世界に変える

だいぶ規模の大きなことを言い出したな、と思ったでしょ?笑
でもね、そう思わずにはいられない経験をしたんです。

ここから先は、私の病気について知っている前提でお話します。
私「はる」のことをよく知らないという人は下記の記事を読んでみてくださいね。

うつ病、パニック、過呼吸、対人恐怖…加えてストレス性健忘
私は今まで理解のある家族や主治医、作家仲間やコミュニティの人たちに囲まれて、ぬくぬくと安心を享受してきました。

それは、とても狭い世界だったと痛感したのです。
精神障害者は理解されにくいのだということを私は忘れていたのです。


【発端】家族旅行で大都会東京へ

7月下旬に、私と妹2人と姪っ子の4人で、ディズニーランドと東京観光に行ってきました。地元を離れての旅行は初めてでした。

初飛行機、初県外、初ディズニーランド、初東京…!
初めてだらけの真夏の大冒険でした。

でもね、私が覚えていないだけで、過去の私は中学校の修学旅行でディズニーランドにも東京にも行ったことがあるはずなんです。

けれども12歳以降のことはストレス性健忘によって、修学旅行だなんて楽しそうな記憶もないのです。

いろんな緊張とワクワクと不安と楽しみと…
パニックと過呼吸を繰り返しながら、それでも2泊3日の旅行を満喫してきました。

旅行体験談を記録したラジオ

スタンドFMのラジオ配信【心のあずまや】チャンネルでも旅行体験談をお話しています。

その中でも「精神障害者」のレッテルを勝手に貼られたと感じた、自分の意思に反して理不尽な思いをした、と私は思っている話はこちら↓

ラジオの内容(特に後半)を簡単にまとめると…

  • 空港でパニックと過呼吸を起こしまくった

  • 冷静に対応してくれる空港のスタッフさんたち

  • 何事かと視線をよこす乗客

  • 具合が悪い人なのねと感じ取って道を開けてくれる人もいた

  • 奇怪なものを見る目の人もいた

  • 外見では判断できないパニックや過呼吸、うつ病

  • 多くの人が、精神障害も含め見た目には分からない障害を抱えている人に関する知識が圧倒的にないと感じた

  • 同じ人間と思っていないような「あの目」が恐ろしくて忘れられない

ということなのですが…
後半は被害妄想じゃない?と言われそうですね 笑

恐ろしい体験

私は感覚のアンテナがばりばりに立っています。
特に緊張しているときは。

視覚情報もバンバン入ってくるので、人の視線とか表情とか少しの動きが目に付きます。
聴覚は常に過敏なので外出時は耳栓をしていることが多いのですが、それでも聴こえてくるんですよ、人の声が。ヒソヒソ話している声が。

心が安定している時であれば気にしないです。
気にしても仕方ないですから。

それがパニックを起こしていたり過呼吸発作で苦しい時だったら…?
とても怖いです。恐ろしいです。

悪いことをしてるわけじゃない(迷惑はかけているかもしれないけど)のに、自分が邪魔な存在で「悪」だと刃を突きつけられているような感覚です。

見ず知らずの他人に、至近距離で「そんな目」をされたら、トラウマ一直線です。

もしかしたら、相手にとっても未知の出来事だったのかもしれません。
それなら驚いた表情にもなりますよね。
ジロジロ見ちゃいますよね。

つまりは「見た目で判断できない障害」について何も知らないわけです。


【考えたこと①】障害者手帳の意味

社会福祉のなかに、精神障害も含む何らかの障害を持つ人に対して様々な支援があります。

そのひとつとして、障害者手帳があります。

  • 身体障害者手帳

  • 精神障害者保健福祉手帳

  • 療育手帳

上記の3種類に分けられますが、今回は「精神障害者保健福祉手帳」(以後、精神障害者手帳と略す)について考えていきます。

手帳と等級

私は精神障害者手帳を持っています。1級です。
以下のサイトページに、等級についての記載がありますのでご参考までに。

1級~3級まであるわけですが、どの等級にも共通しているのは
「日常生活や社会生活に何らかの支障が出る、制限が出る」
ということです。

その程度が著しく重いのが1級です。

1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

厚生労働省

簡単に言うと「精神疾患の状態が重く、能力障害も高度である。日常生活や社会生活において、常時介護や監督が必要である。」ということです。

私は一人での外出は難しいですし、パニックや過呼吸が起きた時に、だれかの助けが必要です。

日常的にストレス性の健忘は度々起こり、あまりに強いストレスを受けると家族を認識できず混乱することもあります。

今後のことを考えた家族が、手帳を申請したそうです。
家族には迷惑をかけっぱなしです。

でもこの精神障害者手帳のおかげでいろいろな支援を受けることができています。もちろん持っていなくてもいろいろな支援はあるのですが。

支援の幅が広がるということですね。

手帳を持つ意味

精神障害者手帳を申請することで受けられる支援がある訳ですが…
私はこの手帳の他に、かかりつけ病院の診察券とお薬手帳をセットで持ち歩いています。

何かあってもこの3つが揃っていれば、万が一ひとりの時に倒れても救急隊に「精神疾患がある」ことを伝えられるからです。

倒れた原因が外傷や内科的な病気でないならば、過呼吸やパニック、過度なストレスによる失神、健忘などが考えられて、かかりつけの精神科のある病院に運ばれるのです。(時と場合によります)

このように、当事者(私)と周囲の人(家族やその場にいた人)、救急隊や搬送先の病院、支援を提供してくれる自治体くらいしか、手帳の存在を知りません。

別に見せびらかして歩くわけでもないし。
提示するのは定期通院で受付に出すときくらい。


外見は至って健康そうに見える人が「障害者手帳」を見せるとどんな反応をされるか。


見られたくないとさえ思います。

皆がみんな「手帳を見られるのが嫌だ」と思っているとは言いません。
私は抵抗がある、と記しておきます。

でもそうやって隠しているから、周りの人には気付かれないんですよね。

でも変な人に見られたくないから、気づかれない方がいい…
でも何かあった時には助けを求められない…
でも…
でも

でも

私にとって、家族にとって、精神障害者手帳はなくてはならないものです。

けれど、時と場合によっては薬になり、毒にもなる。

持っていれば安心、とは言えないんです。
見せる相手を選ぶくらいには。


【考えたこと②】ヘルプマークの意味

ヘルプマークをご存知ですか?

元々東京都で使用が開始された赤地に白の十字とハートマークの札です。

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。

東京都福祉局

現在では全国の都道府県で利用されているそうです。
上記には精神障害者との記載はなく、サイトを見ても精神疾患がある人も利用して良いとは明記されてはいません。

しかし、ヘルプマークの公式サイト「助け合いのしるし ヘルプマーク」にあるヘルプマークのエピソード集には、精神障害や発達障害の方の事例が掲載されており、問題なく使用できるようです。


ヘルプマークのメリット

私はヘルプマークを持っていません。
けれど持っていたら助かるだろうなと思うときもあります。

  • 体調が悪くなった時に助けを求められる

  • 耳が聞こえない時でも、喋れない時でも、提示することで困っていることが伝わる

  • 緊急時に、救急隊に提示することで速やかな対応が取れる

  • お守りがわりとして持ち歩き、ひとりで活動できる範囲が広がる可能性がある

私はうつ病の回復過程にあり、急性期のような著しい症状はないものの、症状の悪化と寛解を繰り返しています。

調子が良い時もあれば、症状が出てきて部屋から出られない時もあるのです。

いつ、どんなタイミングでパニックを起こすか、過呼吸になるか。
暗闇のなか手探りで階段を登っているような感覚です。
なにかの拍子に踏み外して、転げ落ちていくのです。


ひとりで外出することはほぼありませんが、先日の東京旅行では「ヘルプマークを持っていたら良かったかも」と何度も思いました。

電車に乗った時に優先席に座れない。
片側を家族に支えられて、もう片方は手すりを掴みたいのに掴まれない。
体が硬直して動かない、でも普通に立っているように見えるから、なぜ車椅子が必要なの?と聞かれる。

説明するのはすごく難しいです。
症状の一つ一つは個人差があるし、同じ病気だと診断されていても出る症状は全然違ったりするし。

これが身体的な病気ではなく、精神疾患であるということの説明もまた、難しいです。

何か違う病気では?
体のどこかが悪くなっているのでは?
病院に行ったほうがいいのでは?

何度言われたか分かりません。数えられないくらい言われました。
この2泊3日の旅行だけで幾度となく。


ヘルプマークのデメリット

最初に明記しておきますが、あくまでも私個人の考えと経験に基づいたデメリットについてお話します。
何が正しいとか間違っているとか、何が常識かという観点ではありません。


私が考えるヘルプマークのデメリットは「付けている側に精神的ダメージがあること」です。

ヘルプマークを付けているだけでダメージがある

え?なんで?と思う人もいるでしょう。
メリットを理解した上で付けているのに、精神的ダメージがあるとはどういうことだ?と。

基本的な私の考えとして「目立つことが嫌い、注目されることが怖い、他人の目から逃れたい」というものがあります。

ヘルプマークの画像を見た方は分かると思うのですが、赤と白でとても目立つマークです。

カバン等につけて、目立たなければ意味がないので仕方のないことなのですが。

少しずつヘルプマークが認知されてきて、なんとなく目にしたことがある人もいるかもしれません。

ヘルプマークの定義「義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が援助を受けやすくなるため」はとても曖昧。

目の前にいるヘルプマークをつけた人が、一体どんな障害があるか外見からは分からず…どんな援助が必要なのかも分からず…

ただただ視線を投げかけるだけの人たち。
ジロジロと観察してくる人たち。
あからさまに嫌な顔をする人たち。
困惑の表情を浮かべる人たち。

結構、しんどいです。傷つきます。
気にしないようにしていても、他人の視線が怖いです。

自分を守るために、生活のために必要なことでも、使うことがためらわれます。

外出する時の命綱であり、諸刃の剣だと思うのです。


【考えたこと③】精神障害を知ってもらうには

まだまだ、障害者手帳のこともヘルプマークのことも、精神障害のことも世間に広く知られているとは言えません。

国や自治体にはもっと啓発活動をして欲しいと思うし、精神障害者や今悩んでいる人に寄り添った支援をもっと手厚くして欲しいとも思います。

しかし他人任せでいては、私や同じような悩みを抱えた人の生活は変わっていきません。

同じ精神疾患を抱えた人たちの自助会、家族会などで意見交換したり悩みの共有と解決策を考えたりと、似た境遇の人同士では交流もありますが…

それだけではいつまでたっても内輪だけの話で終わってしまいます。
外側にもっと伝えていかなければいけないと思うのです

精神疾患「明日は我が身」

抑うつ、不安、不眠、気分の落ち込み、無気力、腹痛、頭痛、体のだるさなど…悲しいことや落ち込むことがあれば誰でも起こり得る当然の反応です。

うつ病は、100人に約6人がかかる病気です
日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があります。また、女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いことが知られています。女性では、ライフステージに応じて、妊娠や出産、更年期と関連の深いうつ状態やうつ病などに注意が必要となります。

こころの情報サイト

誰でも「心の病気」と言われるものになる可能性があるのです。
よく聞く「うつ病・不安障害・適応障害・抑うつ」なども、程度は様々であっても、些細な出来事が原因でその傾向が見られることもあるのです。

もちろん上記に挙げた疾患以外にも、精神疾患はさまざまあります。
そのどれもが他人事ではないのです。


自分自身も親しい人にも起こり得る

風邪と同じくらい身近で、誰にでも起こり得る病気だと言われても、まだピンとこない…という人もいるかもしれません。

そんなあなた。心の奥で…思い当たることはありませんか?


  • うつ病って結局どんな病気なの?

  • 適応障害、パニック障害、不安障害などたくさんあるけど、何が何やら分からない。

  • 精神疾患と聞くと理解するのが難しそう。

  • どうやって情報を得たらいいの?

  • 知っておくことのメリットはない気がする。

  • 自分も家族も親しい人も皆元気だから、関係ないことだ。


どれも至極真っ当な疑問ばかりだと思います。
でもね、私はあなたが考える最後の2つは絶対に覆したいと思います。

「知っておくことのメリットはない気がする」
「自分も家族も親しい人も皆元気だから、関係ないことだ」


関係無くなーーーーーーい!!!!!


自分事です。あなたの大切な人の心を守ることにも繋がります。

家族、友人、職場の人、たまたま電車で隣に座った人…
他人ですか?本当に、自分には全く関係ない事柄ですか?

苦しんでいる人が目の前にいて。
悩んでいる人が心を閉ざして暗い表情をしていて。
不安に支配され震えている。

自分事として想像して欲しいのです。
同じ現実で生きているんです。病気を抱えながら。


積極的に関わりを持てとか、助けろだとか、言うつもりはありません。

インフルエンザが流行し始めたら、ニュースを見たり自治体の情報を確認したりするでしょう?

予防法はなんだろう?もし熱が出た時の対処法は?治療は?
自然と知ろうとしますよね。

精神疾患も同じです。
世の中の100人に約6人はうつ病と言われる現代社会。


いつまで見て見ぬふりをするんですか?


【計画と行動】私にできることは何か

私自身、病気のことを伝えても理解されないことがあると分かっています。
どんなに噛み砕いて説明しても、相手に受け取る気がなければ意味がありません。

でも知ろうとしてくれる人が居ることも知っています。
分からなくても、未知のことでも、話を聴こうとしてくれる人が居ることを知っています。

だから、私ができることを3つ考えました。

①精神疾患の正しい情報を提供すること

うつ病、適応障害、不安障害など、現代社会でよく聞くようになった心の病気を「正しく知ってもらう」こと。

他にも、精神疾患について誤解や偏見が多くあります。
正しい情報を持って欲しいと考えています。

専門でもない一患者の私が解説したところで、本当に正しいのか?と思う人もいると思います。

もちろん、私の知識など当てになりません。
厚生労働省や精神科学会、医師会など信頼できる専門家が提供している情報を提示します。

興味があって調べたり、そもそも病気についての知識が少しでもないと、ひとりでは根拠のある確かな情報にはなかなかたどり着けません。

だからこそ、根拠ある確かな情報を発信していきます。
私自身もしっかり勉強して、リサーチして、あなたと一緒にもっと理解を深めていきます。

そして、私自身の病気の体験も伝えていきます。
私の事例が全ての人に当てはまるわけではないし、程度も個人差があるし、全てではないです。

一例として、理解を深める材料になったらと思います。


②作家活動の売上の一部を支援団体に寄付する

私は「編み物作家haru」として編み物作品を販売しています。

ヘアアクセサリーやコースター、小物入れなど小さな作品をはじめ、ストールやひざ掛けなどの大きな作品も編んでいます。

一部の作品について、売り上げのうち3割を精神障害者の支援団体に寄付しようと思います。

実は作品としてショップに出していないだけで、画像の3倍くらいの量があります。

編み物作品の一部

編むことで満足して、眠っていた作品たちです。
私自身、病気を抱えながら作家活動をしていて

こんな私が編んだものを欲しいと思ってくれる人はいるのだろうか?

そんな思いがずっとありました。
だから作品として公に出すことができないで終わる場合が多かったのです。

今回、いろんな体験をして、たくさんのことを考えさせられて。
私ができることは、やはり「編むこと」しかないと思いました。


  • 作品をお届けして、その売上の一部を寄付する。

  • 購入してくださるお客様に「精神障害者支援」を担う体験をしてもらう。

  • お客様のお気持ちを支援団体に届ける。


編み物作家の私にできること。
それは作品を届けること。
私の活動に賛同してくださるお客様を大切にすること。
お客様と私の気持ちを支援団体に届けること。

この記事を読んで、寄付のために作品を購入したいと思ってくださる方がいたら、本望です。

今後、作品を順次ショップに掲載していきます。
(またnote記事でお知らせします。情報を早く知りたい方は個別でお問い合わせください。)
各種SNSはこちら→【リットリンク】


③有料note記事の売上半分を寄付する

今読んでいただいているこの記事は最後まで無料で読むことができます。

作品は欲しいものがないけれど、寄付をしたい
精神障害者支援について賛同する

という方もいらっしゃると思います。

このnote記事を購入していただくことで、お支払いいただいた代金の半分を支援団体に寄付できるようにしたいと思います。

有料note記事をご購入いただいた方は、寄付する際にお名前(ニックネームでも可)を提示させていただきます。
(ご希望の方のみで強制ではありません。ご購入の際にコメントで記入してください。)

「寄付をする、支援をする、社会貢献をするという実感」をもっていただけたら嬉しいです。

この記事の最後の部分を一部有料としています。
寄付をお考えの方は、記事の最後までお読みください。


以上3つ、私ができることをしていきます。

この記事を読むことで、精神障害者にもみんなにとっても、あなた自身にとっても優しい世界になる方法を考えるきっかけになれたら。

私は嬉しいです。
ぜひ、感想、コメント、意見をお待ちしています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


【以下、寄付の対象となる有料記事となります。】

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