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初めての遺書

9月末に心臓の手術をしました。
敢えて病名は伏せますが、長時間に及んだ大きな手術でした。

今まで受けてきたものよりも、遙かにリスクが高い手術だったので、自分の中である程度覚悟を決めるしかありませんでした。

だから、書き切れはしなかったけれど、生まれて初めて遺書を書いてから挑みました。

今だから吐き出せますが、私は本当に明日死んでしまうのかと怖くて仕方がありませんでした。

手術は難航し、生死を彷徨う状態に陥ったものの、私はなんとか生きて帰って来れたようです。

術後、意識がはっきりしてから、自分が今生きているということを認識し、何度も何度も生きていて本当によかった。と思いました。

術後5日頃に、友達や近しい人に連絡することができたのですが、再び友達と連絡を取れたのが嬉しくて一日中涙が止まりませんでした。そして、柄にもなく、万物に感謝するモードに入りました笑。

今日は術後11日目で、やっと精神と体調が落ち着いてきたので、初めて書いた遺書を読み返してみました。

文章からひしひしと、未練がたらったらなことが伝わってきますが、21年間の人生を振り返って書いた遺書にはまとまりがありませんでした。まあいつもだけどね。

次、書く時は、悲しんでくれる家族や友達が少しでも笑ってくれるような、また少しでも私との思い出をスッと消化できるような遺書にしたいです。

初めての遺書は泣きながら書き進めたのがバレてしまいそうです。笑

私は数ヶ月前に大好きな祖父を亡くしたのですが、私宛ての遺書を残してくれていました。
そこには、一番最初に大きな字でありがとうと書いてあって、他は全て未来を生きる私への応援メッセージでした。
私が遺書を読みながら大泣きしているのを予測してか、少し笑かしてくれる部分もあり、祖父の偉大さを改めて感じました。

祖父のような、遺書を書けるようになるには程遠いですが、次書く時は自分を振り返ることよりも、もっと相手のことを想って書きたいです。

そして、遺書を書くのは悪くないなと思いました。
出来損ないの遺書を読み返せたのも生きているからですね。
本当によかったです。

少し話は変わりますが、今思い出した言葉がありまして。それはタワーレコードのポスターに載っていた星野源さんの言葉です。

「音楽はね、死ぬと聴けなくなるんですよ。」
「今のうちだぜ。」

by 星野源(2013)

この言葉を改めて受け止めたら、大好きな音楽はもちろん、人と連絡することも、ご飯を食べることも、考え事をするのも生きている時しかできないんだと改めて思ったんです。

まだまだ生きていたいものです。

私の病との闘いは、生きている限り続きますが
生きているからには、そろそろ自分のことを受け入れて次のステップに進みたいです。

今のうちだぜ。

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