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時々、余命の宣告をされた方を担当することがある
それ自体は、受け入れなければならないことなので敢えて、自分では余計なことは考えずに、本人、ご家族がどのような想いを持っているのか、そのために何を選択するのが最善なのか、ご本人が最期を迎えた時、家族に悔いが残らないようにすること、それだけに集中する。

終末期と判断されてから介護サービスを利用される時、多くは数週間から1~2か月の期間で終結を迎える。
がん末期などの疾患では、本人も比較的若く,当然子どもたちも若い。突然の宣告の場合もあるし、そうじゃなくても病気の理解や余命とか療養とか、受け入れがたいことが多く、考えなければならないことも多い。どんなに主治医から説明を受けても、混乱や戸惑いがあることは想像に難くない。

支援する立場として、そんなご家族に同情したり、悲嘆に共感したり,自分まで辛くなったりするかもしれないけれど、利用者の前では自分の気持ちは封印して落ち着いて、冷静に今何をすべきか考えなくてはならない

支援者がテンパってしまっては、利用者はご自身の気持ちを発散することができない。気持ちを取り乱したり、迷ったり、悲しい・悔しい、行き場のない想いをご家族だけで抱えなくても済むように、気持ちをぶつけたり、相談できる存在として関わりたい

利用者の感情の波や変化を承知して受け止めるには、援助者として揺るがない力量が求められる。ターミナルとか死は、ケアマネジャーには逃げられない課題だ。デリケートに扱うのは当然だけれど、オブラートに包みすぎると肝心なことが伝わらない。
自分が逃げ腰になって、しっかり向き合うことをしないと利用者の不安は増すばかり。支援者に不信や不満を感じることは、更に精神的な負担が重くなる。本来、大事な人を見送るためのかけがえのない時間を、支援者の関わり方によって汚してしまうのは、不幸なこと。

ケアマネジャーにとって、その利用者は複数いる中の1人、「看取り」とか「ターミナル」って言葉で括られる1つのケースかもしれない。でも、ご本人は世界でたった1人の方、ご家族にとって最愛の父であり母であり夫であり妻、もしかしたら息子や娘、かけがえのないたった1人の大事な存在。一生に一度の体験で、その後の人生にも大きな影響を及ぼすような機会だってしっかりと念頭において関わりを持たなければならない。

ターミナル期の具体的な支援については、折々書いていこうと思う。マニュアルではないけれど、特に配慮しなければならないことやいろいろな手順がある。個別性もある中で何が必要かってことは、もっと細かく考えること。

利用者が最期を迎える時、ご本人・ご家族ともに「これで良かったんだ」って納得されるのか、「こんなことになってしまって」「あのときああしていれば・・・」みたいに後悔するのか、その後悔が医療やケアマネが原因になってしまうのは、本当に申し訳ない。
利用者に後悔させないため、自分も後悔しないため、日々の業務には手をぬかないこと。ケアマネとしての自分を律して揺るがない支援を提供できるようになるため、自分の力量アップを目指したい。ケアマネジメントの理論や技術、知識の取得は必要だけど。それ以上に自分の倫理観や死生観を見つめて人格を高める努力が大事だと思う。