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ケアマネジャーの行く先

作文の時代は終わろうとしている。例のAIに任せればケアプランの文面、介護支援経過とか評価関係の文面は一瞬でできてしまう。いくつかネットに出ている例文とか使ってみた体験談を当たってみたら、リアルで目にするようなプランより全然整った文章が出てくるし、課題抽出なども既存のアセスメントより全然イケてる。今後は、っていうかもうChatGPTに任せたらいいだろうくらいに思う。そうなると、人の文章にケチ付けてるだけのなんちゃら研修の講師とかケアマネ協会の上の人達の立場がなくなっちゃうかもしれないけれど。

それで、AIにケアマネの仕事が取って変われるかといったら、無理だろうな~って思う。いずれ、利用者が自分の状態を入力して答えをもらうような時代が来れば自己作成でサービス選べるかもしれないけれど、社会はそんなできる人ばかりではない。
現状でケアマネジャーの仕事の難しさってプランの文面を整えることではなくて、その前段階にある。ご自身の心身状態、環境、経済的な面、諸々を洗い出して困り事が何なのか、それに対してどんな改善策を取っていくか、利用者本人・家族との合意を得て現状で活用できる資源を組み合わせていくことだ。地域の事情にも精通して、人の心理とかも汲み取ることが大事になる。
その利用者の実像をきちんと捉えること、利用者の納得できる方針を導き出すこと。これらは個別にコミュニケーションを取っていかないと難しいような気がする。
今までも何度も書いてきたけれど、利用者と面談して困り事を察知してどんなサービスを利用するのが望ましいか、それは比較的容易にできること。利用者に自分の課題として捉えてもらい、このサービス利用しようって決めてもらうことが一番難しいことだと思う。ケアマネの提案を文句なく受け入れてくれる人達は、ケアマネジャーが担当する必要もなく、スマホアプリでチョイチョイと入力して画面に示されるサービスを選択するようになるかもしれない。

この先、制度がどのように変わるかわからないけれど、これから「変化する」ことを受け入れていかないと生きてくのが辛くなるんだな~って思う。
ケアマネの仕事、職業としての「介護支援専門員」は廃止されるかもしれないけれど、ネット難民とか取り残された介護難民的な所謂困難ケースへの対応は役割として残ると思う。利用者本人の自覚の外にあるニーズを拾い出すことや、給付が適切かのボーダーやAIの判定との齟齬に決着を付けるようなこと、AIに事業所の情報を読み込ませたり、結果の評価をするような役目も新たに出てくるかもしれない。

今年還暦の自分、仕事を続ける覚悟も持ちつつ、いつ辞めても良いって開き直りも持っている。制度がどの程度の変化を求めてるかまだ、読み切れないけれどついて行ければ頑張るし、手に負えなかったら潔く次を探そうと思う。
ケアマネジャーの仕事はAIにできるけれど、直接的な介護にはこの先しばらく人の手が必要だろう。むしろ人にしかできない領域が多く残されている。利用者本人と直接触れ合える介助の仕事を職業の最終ステージに持ってくるのも良いかもしれない。