すずめの戸締りを見て
※ネタばれ少しあります。
本日12月1日は映画の日!
ということで、新海誠監督の最新作「すずめの戸締り」を見てきました。
周りの評判が良かったのでかなりの期待値でいきましたが、それを上回る素敵な作品でした。新海誠監督の作品を見たことがある人ならなんとなく感じるだろう、監督「らしさ」が詰め込まれた作品でもありました。
これまでの作品との違いを上げるなら、思わず登場人物と自分を重ね合わせて考えてしまう、というところでしょうか。その分、感情の振れがより大きかったのだと思います。
この作品は、地震などの震災を1つのテーマとしています。
東日本大震災の後、「日常が奪われた」と人々が口をそろえて言っていたのが強く記憶に残っています。震災当時、私は震源地から離れた場所にいたので、テレビやSNSで映像を見て悲しみに共感することはありましたが、それは”実感”には程遠いものでした。そして、そのことにずっと罪悪感を抱いていました。
しかし今回、登場人物と自分を重ね合わせたことでより実感に近い感情になったように思います。これまでの日常が一瞬の出来事で崩れ去る恐ろしさ、虚しさ、悲しさ。
コロナでも私たちの日常は奪われました。でもこれはどちらかというと”じわじわ”という感じで少しは心の準備ができましたが、地震などの災害は前触れが全くない。しかも人間の行いに関係なく起こるので、感情をぶつける先もない。
私が生きている間に大災害を経験する確率は、決して低くないことはわかっているのに、「結局私たちは備えるということしかできないんだ」という事実に改めて気づかされ、人間の無力感を感じました。
課題がやばいとか友達と仲違いしたとかいう目の前の危機がどうでもよくなるほど大きな脅威と隣り合わせで生きている。でもいつなのかは分からないから、みんな気づかないふりをして日常を過ごしている。
そのことになんだか不思議な感覚を覚えました。
災害をエンタメのテーマにすることに否定的な人もいると思いますが、エンタメだからこそ受容できる学びがあって、いろいろな感想を聞きたいと思うような作品でした。この後noteで皆さんの感想を読もうと思います。
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