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建国記念日

 快晴だったのでどこかに行きたい、でもコロナウイルスも流行っているので自ら人混みのなかに飛び込むのもなあ、どうしようかなあ、と思っていたところ、

「そうだ、自転車で近くをまわってみよう」

と思い立った。

 実家と同じ市内とはいえど、今暮らしている地域のことって、実はよく知らない。知ろうとも思わなかった。おお、これはもしかしたら新しい発見があるかも、と思うとなんかわくわくしてくる。とりあえず、近くに何があるかをネットで調べてみたら、神社と図書館が自転車で行ける範囲でありそうだ。

 まずは神社から行くことにする。スマホを見ながらリュックを背負って、自転車を漕ぐ。行き方は単純だったけど、歩くには遠い距離だ。一本道を漕ぐと神社の名前が書かれた道標が見えた。これはもう、すぐそこじゃないか、とそれ通りに進んだけど、あれ、見えてこないぞ…うーん、と思いながらあたりを見回すと…

あった。
鳥居は閑静な住宅地に紛れ込んでひっそりとあった。

小さなその神社は、縁結びの神様を祀っているらしい。良縁、夫婦円満。そんなことばが並んでいて、歴史も長いようだ。歩くとじゃり、じゃり、と石と石のこすれる音が異様に境内に響く。誰もいないのかなあと思ったら、子育てが終わって子どもも全員独立しましたぐらいの年齢のご夫婦がゆっくり興味深そうに境内を歩いていた。

入ってすぐのところの樹には梅の花が。

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この日は寒かったけど、かすかに春の足音が聞こえる。綺麗だなあ。思わず見惚れてしまう。

ゆっくりお参りをしたあと、図書館に向かうことにした。(お願いごとはひとに言っちゃいけないんだっけ…?書きたいけど内緒)

その図書館はできたばっかりで近くにこういった施設がないからか、結構混み合っている。座るところもない。でも本は新しいものが揃っていていいなあと思った。今まで行っていた図書館は古い図書館だったので本の揃えも少し古かったんだよなあ。5時ごろまでゆっくり本を吟味して借りて、自転車を漕いで家に帰った。またこの神社と図書館にわたしは行くだろう。

昔は大嫌いで仕方なかった地元も捨てたもんじゃないなあ。あんなところに神社があるなんて、梅が咲いているなんて、考えてみたこともなかった。開拓していけばまだまだ知らないところがたくさん見つかりそうだ。今は観光地や遠くに行って大きいことをする憧れでわくわくするよりも、こうやって身近なところから新しい小さな発見や出会いでわくわくしたい。きっとそれは大きな海へとつながる1歩だと思うから。

ありがとうございます。文章書きつづけます。