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休めない日本人をつくり出しているのは教育のせい?
「皆勤賞」
日本の教育を受けてきた方なら、この言葉は誰でも知っているのではないか。
そう、皆勤賞とは、1年間、一度も学校を休まなかった人に送られる賞である。
先生は、休まなかった子どもに対し、「頑張ったね!」という労いの気持ちを込めて贈るこの賞だが、実は、この賞が、今の日本人を苦しめている価値観をつくり出していると言える。
その価値観とは
休むことは悪!
という価値観だ。
皆勤賞が象徴するように、学校では、知らず知らずのうちに、この「休むことは悪」という価値観が刷り込まれている。
その証拠に、病気でもないのに学校を休むと「ズル休みだ!」と言われてしまう。
そう、病気以外で学校を休むことはズル(悪)なのだ。
あなたもこの価値観を引きずっているのではないだろうか?
あなたは、病気でもないのに仕事を休む時
「同僚にどう思われるかな?」
「迷惑かけちゃうかな?」
「いけないことをしている気がするな・・・」
と後ろめたさを感じるのではないだろうか?
逆に、同僚が「遊びにいくから」と休みをとったらどうだろうか?
「いいな!ズルイ!」
「自分だって休みたいのに!」
「自分は頑張っているのに!」
という感情が湧くのではないだろうか。
そう、この感情こそ、「休めない病」にかかっている証拠なのだ。
行き着く先は、うつ病などの精神疾患、過労死、自殺・・・。
不幸しかまっていない。
自殺大国とまで呼ばれる日本をつくり出している主な原因に、この「休めない病」がランクインするのは間違いないだろう。
幼少期から皆勤賞を与え、このような価値観を醸成している張本人である「学校の先生」だってそうだ。
ボク自身も12年間、学校の先生という仕事をしてきたが「ちょっと疲れたから休む」「予定があるから休む」ましてや「旅行に行くから休む」なんて口が裂けても言えなかった・・・。
むしろ、微熱くらいだったら無理をしてでも出勤していた。それは、ボクが特別そうしていたわけではなく、みんなそうだった。
それくらい、先生という仕事は休み辛い仕事だった。
なんせ、一人で40人近くの子どもを任され、1時間目から6時間目までの授業を担当するわけなのだから、1日休んだだけでも多大な迷惑がかかる。
職員の数もギリギリで、なんとか回しながら、その穴を埋めるのに必死だ。また、担任以外に、その日クラスでやることもわからないし、もちろん準備もしていない・・・。
そんなシステムの中、気軽に休むなんて不可能に近いのだ。
そして、最終的には精神疾患になり、休職することになる・・・。
ボクもこの目で、精神的、体力的に限界を迎え倒れていく同僚たちを数多く見てきた。
そんな、休めないことで苦しんでいる先生が、子どもたちに皆勤賞を与え、休むことは悪という価値観を植え付けているなんて・・・苦笑いするしかない・・・。
もちろん、他の職業の方々も休めない理由が多々あり思いは同じなのだと思う。
そのことは、日本の有給休暇取得率が低さからも伺える。
上述してきたように、この休まないこと前提の働き方も、休むことは悪!という心理に影を落とすことになる。
そろそろ、この価値観から日本は脱却しなければいけない。
休まないことがもたらす損失は計り知れない。
世界に目を向けてほしい。
Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Netflixといった世界的企業は、スマートな働き方を提唱しており、休暇のもたらすメリットを熟知している。
しっかり休み、自身のコンディションを高めることはより高い生産性を生む出すことをよく知っているのだ。
また、家族の時間や趣味の時間が、仕事にイノベーションをもたらす可能性についても考慮されている。
現に、週休3日制を導入した企業の業績が伸びたというデータもあり、日本もようやく、休まないで頑張ることの弊害や、休むことの重要性に気づき初め、有給休暇取得の義務化などを導入し始めた。
働き方改革という言葉も浸透してきた。
しかし、人間の価値観に多大な影響を与える公教育で「皆勤賞おめでとう!」なんてやっていては、まだまだ「積極的に休もう!」「休むことは価値ある行動なんだ!」という文化(雰囲気)になるまでには時間がかかりそうだ・・・。
そんな思いを込めて先日ボクはこんなツイートをした↓
皆勤賞は危険だ!
— ガクせん@先生•子育て応援ブログ (@yurupokegaku) January 13, 2021
皆勤賞は、「休まないで頑張ることが美徳である」という価値観を強烈に植え付ける。
今の日本を見てみよ!頑張りすぎて不幸になっている人が山ほどいるではないか。
日本はもっと積極的に休むことの価値を教えていくべきだろう。
そう、教育の中で、積極的に休むことの価値を養っていく必要があるのだ。
つまり
病気にかかる前の対策が大切
ということだ。
そのためにも、見本となる先生たちが積極的に休める環境を国は用意した方がいい。
先生が、「明日は家族のために休むからね」「他に用事があって休むからね」といった言葉を子どもに聞かせてあげられる日がきて初めて価値観は変わっていくのだ。
実際に、オランダやフィンランドなどの教育先進国の先生は、このような働き方を実現してきている。その姿を見て、子どもたちは休むことの価値を学んでいるのだ。
文化が違うから、歴史が違うからと言っている場合ではない。
今、現に日本は苦しんでいるのだから・・・。
休むことは悪!という文化がいち早く消え、心も体も豊かに過ごせる子どもや大人が増えますように。
以上、ガクせんでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
良い一日を!
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