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これからの時代、勉強を強いれば学力が下がる?

「勉強しなさい!」

昭和からアニメ界を牽引してきているドラえもん、ちびまる子ちゃん、サザエさんなどでよく登場するこの言葉。

令和になった今でも、よく耳にしますよね。

しかし、これからの時代、この言葉を子どもに投げかけてしまうと確実に学力が下がると言えます。

それはなぜか?

学力という言葉の定義が明らかに変わったてきているからです。

以前までは、学力といえば「テストの点数」や「成績」と説明がついたでしょう。

つまり、学力とは、点数として見えるものでした。


しかし、これからの時代の学力は

「自ら学ぶ力」

のことをさします。

そう!点数では測れない力になったのです。

点数で測れる力はもうAIが代替してくる時代になりました。これからは人間にしかない、興味関心に基づいた「自ら学ぶ力」を育てていくことが大切なのです。


今までは、「勉強しなさい!」と勉強を強いることで、テストや成績など点数で測れる力をあげることは可能でした。

しかし、これからの時代の学力で考えてみるとどうでしょう?


想像してみてください。

「勉強しなさい!」と言われたあなたはどう感じるでしょうか?

「うるさい!」
「めんどくさい!」
「やりたくない!」

という気持ちが少なからず湧いてきたのではないでしょうか。

このように、何かを強制されると反発したくなる心理現象を心理的リアクタンスといいます。

なぜ反発したくなるかというと、「自分の自由が脅かされる=生命の危機」と脳が捉えるからです。

つまり、強制が反発を生むというのは、ボクたちの脳にプログラムされた本能だったのです。


少し話をまとめると

「勉強しなさい」→子どもの中に心理的リアクタンスが働く→反発(「やりたくない!」)→子どもの自ら学ぶ力が下がる(学力低下)→「勉強しなさい!」

という負のスパイラルが成り立つのです。

ボクは、教員時代に、このような底無し沼にハマっているご家庭をいくつも見てきました。

「勉強しなさいって何度言ってもやらないんですよね」と悩むお母さん。もう、言わないと心配で心配で仕方ないのですね。

つまり、本当に「子どものため」と考えているようで、実は、自分の心配を解消したいという気持ちが多少なりとも隠れているので厄介なところです。

親として心配になるのは当然の気持ちですよね・・・。


では、どうしたらいいのか

まず大切なのは

「勉強しなさい!」は、確実に自ら学ぶ力(学力)を下げる

という事実を受け入れる必要があります。

その上で、子どもの将来が心配という自分の気持ちに向き合っていくことが必要でしょう。


では、どうしたら子どもの自ら学ぶ力、つまり、「これからの学力」を上げることができるのでしょう。


答えはズバリ!

学ぶ楽しさを教える!

これにつきます。


「そんな簡単に言わないでよ!」とツッコミを入れられそうですが・・・。

でも、実際は学ぶ楽しさを教えることはさほど難しいことではないのです。

なぜなら、人間はそもそも学ぶことを求めるようにできているからです。

「いやいや!理解できないよ!」という方も、赤ちゃんを見てください。何度も失敗しながらも、立ち上がり、歩き始めます。誰も教えなくても、親のマネを通して言葉を習得します。いろいろな物に手を伸ばしては世界を認識しようとします。これこそ正真正銘、「学びを楽しんでいる」状態です。

そして、これが学びの本質なのです。


では、なぜボクたちは「学びの楽しさ」を教えることは難しい!と感じてしまうのでしょうか。

その理由は、「学校で取り組む勉強=学び」という固定観念をもっているからです。

「ちょっと言い過ぎ!」と怒られてしまうかもしれませんが、学校で行っている勉強は学びというよりは作業(仕事)です。

何事もそうですが、外部から強制された瞬間、学びは学びではなくなります。

「学び」の定義について話し始めるとまた長くなるので、簡単にまとめますが、「学び」とは主体的なものであり、内部からの「知りたい」「やりたい」という衝動によって行われるものといえます。

ほら、学校の勉強は学びではないでしょ?

もちろん、基礎学力を身に付けることは大切なことなので学校の勉強を否定するつもりもありませんので悪しからず。

ただ、「学び」と「学校の勉強」をイコールで結んではいけないということです。これからの学力である「自ら学ぶ力」を養いたいのであれば、学校の勉強とは切り離して考えた方がいいです。


では、大人は、子どもの学力(自ら学ぶ力)を育てるためにどのようなことができるでしょうか?

いろいろありますが、主に以下の3つに力を注げばOKです↓

①自ら楽しそうに学ぶ姿を見せる
②子どもの興味関心を活かす
③体験を増やす

一つずつ解説していきます。


ー ①「自ら楽しそうに学ぶ姿を見せる」 ー

これが何よりも大切な要素になるので一番にもってこさせていただきました。

子どもは親(大人)の背中を見て育つとはよくいうものですが、まさにその通り!

大人たちが、心から楽しそうに学んでいる姿を見たら、子どもたちは学ぶことに興味津々になること間違いなしです。「そんな楽しそうなこと、自分にもやらせてよ」という感じでしょうか。


そう、「勉強しなさい!」と子どもに言うよりも、大人が「楽しぃぃぃ!」と勉強している(学んでいる)姿を見せた方が何億倍も効果的なのです。

本を読んで欲しいのであれば、大人が楽しそうに読書する姿を見せるのです。

ポイントは、大人が、本当に心から楽しむことです!楽しさを理解していない大人が子どもに楽しさを教えることは不可能です。

楽しさが分からないのであれば、子どもに強いる前に、自分自身で学ぶ楽しさを見つけることに注力していってください。

「忙しくて時間ないよ!」と言わずにそこは自分のためにも、子どものためにも頑張りましょう。「勉強しなさい!」と子どもとバトルする時間と労力を考えたらコスパもいいと思いますし、何より人生を豊かにしてくれること間違いなしです。


ー ②子どもの興味関心を活かす ー

子どもの興味関心がはっきりしているのであれば、それを活かさない手はないです。

どんどん、子どもの興味関心を深掘りさせてあげましょう。

今までの日本の教育は、短所克服!に焦点を当てがちでしたが、これからの教育は長所伸展です!

楽しみながら、好きなことを探究していく過程で、好きなことに引っ張られていくようにその子の能力が全体的に底上げされていきます。

苦しみながら短所克服に精を出すよりも遥かに効率的、効果的です!何より精神的にも楽ですしね。


ー ③体験を増やす ー

「いやいや、この子には何も興味なんてないですよ・・・」という方には体験を増やすことがオススメ!

旅行、キャンプ、博物館、美術館、音楽鑑賞などなど、とにかく五感を使いながら楽しめる空間に連れ出しましょう。

いろいろな習い事を試させていることもオススメです。すぐにやめてもいいです。どこかで、これだ!と目を輝かせる瞬間がやってきます。少なくとも「自分はこういうのが好きかも」と傾向は見えてくると思います。

その過程の中にも、学ぶことの本質が眠っています。



以上の3つを活用しながら、ぜひ、学ぶことの楽しさを感じさせてください。大人も一緒に楽しみながら。

それこそが、これからの学力である「自ら学ぶ力」の育成に他ならないのです。

「今を楽しむことが、将来の今を楽しむことに繋がる!」そんな気持ちで子どもを育てていきましょう。


以上、ガクせんでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

良い一日を!

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