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転勤の利点を必死に考えてみた【新米医師が考える就職先選択の重要性】

そろそろ2月も終わりに差し掛かり、3月に突入します。
会社にお勤めの方々も人事によって転勤を命じられることがあるかと思います。

僕の働く病院でも、来年度の職場が決まり、年齢を問わず何となく浮き足立っている人達が増えているように感じます。有給消費のために、3月は休みが比較的多いことにも起因しているのかもしれません。

今回は、1-2年毎に勤務先がコロコロと変わるシステムになっていることが多い若手医師の目線から、転勤について思うことを書いてみます。

●若手の医師は短期間での転勤が多い

勿論、例外的な勤務環境の方もいますので、100%転勤があるわけではありませんが、医師として修行中の若手は、短期間での異動を余儀なくされる方が比較的多いかと思われます。

ひどい場合は半年で職場が変わってしまうこともあります。
しかし拒否権はほぼありません。
家族の介護や、出産などがあれば考慮されるかもありませんが。

転勤の理由は、名目上「経験する症例に偏りがないように」となっていますが、大きな理由は「各地域の医療を維持するために、若い戦力を満遍なく派遣している」というのが、実情でしょう。

キツい上司の下で耐える1年間を送った者
今年1年間よりも更に辛い環境で働くことが予想される者
都会から田舎に行かなければいけない者など
人それぞれ条件は様々です。

当初は僕も頻回に勤務先が変更になるのは面倒だと考えていました。

しかし、次年度がどのような条件であろうと、この1年を無事に終えて、4月からは新たな職場で心機一転できるというのは確かに悪いことではないかもしれません。

●転勤に際して生じる出来事

次の勤務先が、現在の居住地より遠方の場合は引越しが必須になります。
色々な書類を役所に変更しに行ったり、各種カードなどの住所変更など面倒な事務作業を要することも多いです。

引越し代など金銭的な出費も重なります。
若手医師は弱い立場なので、引越し補助なども職場からは出ない場合がありますので、なかなかの手出しを要することもあります。

このような悪い点(主に金銭面)も目立ちますが、「人間関係をある程度リセットできることは自分の成長のためには良いこと」ではないかと最近は考えるようになりました。

ただ自分の置かれた環境を正当化している可能性も多分にあると思いますが…

僕なりに理由を書いてみます。

●環境が変わることによるメリット:
新しい人間と沢山出会える

働き慣れた環境で勤務を長く継続する場合、やはり新たに得られる経験は年々目減りしてしまうと予想されます。
知らず知らずのうちに業務への対応が習慣化されてしまい、新たな発見を職場の中で得ることは少なくなってしまうからです。

その職場にいる人間から得られる新たな発見や、自分にとっての成長ポイントも同様に減っていくでしょう。

勿論、相当ストイックに自習できる人は、独力でも勝手に経験と成長を同じペースで継続できるかもしれません。
しかし、新しいタイプの人間との出会いは、ずっと同じ職場だと少なくなりがちです。

「仕事の良し悪しは人間関係で7割方決まる!」
とおっしゃっていた人生の大先輩(50歳代)もいましたので、人間関係が僕達に与える影響は非常に大きいのだろうなと、予想できます。

結論:
しかしハイスパンでの転勤は正直しんどい。
就職先を必死に検討すべし。

頑張って転勤の利点を上げてみましたが、
・転勤直後の数ヶ月は環境に適応するのに追われる
・人間関係リセットが悪目に出ることも十分ありうる
などデメリットは多数あります。

前述の金銭的コストに加わります。

落ち着いてじっくり物事に取り組みたい性格の人にとっては、転勤が多すぎるのは心理的疲労が多いかもしれません。

医師の労働環境は、地方毎ないしは各病院毎でも大きく異なってしまいます。

医学生や研修医の方で、今後の進路を考える際には
・転勤の頻度
・労働時間
・どれくらい辞めてしまう人がいるのか…
など
沢山注意すべきことがあります。

やりがいも確かに大切ですが、それだけでは長期間の労働を耐え切ることはできない可能性があります。

前述の項目をはじめ、自分にとって不利益になるような条件が、どれほどあるかをしっかり確認した上で勤務先を決めるようにしてください。

そして、これらの内容は病院に勤める医師だけではなく、会社に勤めようとしている方々にも共通して言えることだと思います。

もし自分に職場を選ぶ権利があるのなら、その範囲内で死ぬほど考えて、吟味すべきです。
かくいう僕も必死に考えて進路を選んだつもりでしたが、後悔も少しはあります。

いくら転職が増えてきている時代とはいえ、若いうちの貴重な数年を捧げることになる場所については、きめ細やかな検討が必要と思われます。
決してノリで将来を決めてはいけません。

皆様が少しで後悔のない選択ができることを祈っております。
お読みいただきありがとうございました。

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