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ひきこもりは自己責任なのか…?

人がひきこもりになる原因は様々であり、
それぞれの人が違ったストーリーを持っているのだろうと考えている。
最近は「ひきこもりは自己責任」とあまり表立っていう人は少なくなった。
ただ内心そう思っている人は、まだまだいるだろう。

結論から言うと僕は「ひきこもりは自己責任ではない」と思っている。

以下に述べていることは特に何か書物を参考にしたわけではなく、
僕の頭にある考えをまとめたものなので悪しからず。

まず、人がひきこもる原因を簡単に考えてみよう。
人がひきこもる理由としては、内的原因外的原因があると思う。
そして、それらは複合的に絡み合っているのではないだろうか。

内的原因とは、自信の無さや、精神の抑うつ状態、疾患・障害や社会的能力(コミュニケーション能力や仕事のスキル)の不足、
外的原因とは、不景気や、社会に蔓延る差別偏見、慣習、負の経験
(学校でのいじめ、職場でのパワハラなど)を言うものとしよう。

そして、例えば前職で受けたパワハラが原因で、
再び就職して働く自信を無くし、そのままひきこもりになる…
といったケースが複合的原因である。

そして、僕の考えを述べるならば、おそらく殆どのひきこもりは複合的原因によって生み出されているのではないだろうか。

良く世間で聞かれるのは、ひきこもりは自己責任、つまり内的原因のみによって起きている、と言う話である。

例えば「ひきこもりは陰キャ(コミュニケーション能力がない)」だとか、「無能」だとか、「働く気がなく望んでひきこもっている」のだ、
だから、社会に出られなくても仕方がない…という話だ。

ひきこもり当事者自身も、自分は無能だからひきこもりなのだ…
と、割り切っている人も多い。
(まあ、割り切ることで本人が幸せならばそれでいいのだが)

これに関しては、僕は間違っている部分もある、という考えだ。

ひきこもりは働く能力のある人が大半だと思っている。
勿論、中には病気療養の人や、
精神障害の治療中の人、知的障害の人なども一定数いると思うが
そういう人たちを「ひきこもり」とくくるのは僕は違うと思っている。
彼らは医療的な治療と支援を受けるべきで、そもそも「ひきこもり」としてメディアに取り上げられたり、支援を受けるべきではないはず。

また、ひきこもりの3割ほどは発達障害の可能性があるという言説もある。最近は発達障害グレーゾーンの概念がメディアで広まってきている為、
「自分は発達障害グレーゾーンなのでは…?だから働けないのだ。」
と考える人も多いだろう。

これは持論だが、
僕は発達障害グレーゾーンの人は、働く能力はあると思っている。
合う仕事、合う人間関係のある職場が少ないだけだ、と思うのだ。

例えば僕はかなりADHDっぽいところがある。
動作に落ち着きがなく、
何かを考えるときはフラフラと歩きまわっていることが多い。
モノをたびたび無くすし、掃除が苦手。
(肝心な時にはしないように気を付けてはいるものの)寝坊や遅刻が多い。
他人からADHDなんじゃないの?と言われたこともある…

しかし現在の生活で、根本的に困っていることはない。
何故なら僕の周りの人が僕を理解してくれているから…
というか、そういうことをあまり深く気にしない人達だからだと思う。

仕事においては流石に「契約書をなくす」レベルだと困るが、そこは何とか気合と工夫でカバー
掃除が苦手と言っても、弊社には朝の掃除やきっちり整理整頓、
のような文化がないため問題ない。そもそも清掃会社に頼んでいるし…。
作業する時間も、たまにある会議や他社の人と会う機会を除けば、
早朝だろうが深夜だろうが関係ないので夜型寝坊人間の僕でも気楽である。

つまり、発達障害グレーゾーンの人が働けない理由は、
決して業務遂行能力が低いわけではなく、
合っている仕事・職場を見つけることが困難だから、というのが第一の理由ではないだろうかと僕は思う。

教育の影響なのか慣習なのか分からないが、
日本人は「空気を読む」ことや「常識に従う」ことをよしとするため、
少し変わった人は排除され、働きやすい人間関係を築くのが難しい…という問題も原因の一つと考えられるだろう。

前置きが長くなったが…
日本では仕事の総量が昔に比べて減っているはずだ。
給与面で見ても、
「人間一人が、最低限文化的な生活を自立して維持できる程度の給料を貰える仕事」は減っているだろうし、
結婚して満足に子供を育てていけるだけの給料を貰える仕事は猶更減っているように感じる。

まして、ひきこもりにはハンディキャップがある。
就職活動では、新卒至上主義の企業も多く、中途採用での職務経験がない人間への風当たりの辛さは存在するし、就活における長期の空白期間があることへのマイナスイメージも強い。
「精神的に弱い人間なのでは?」「すぐ辞めそう」と
突き詰めれば根拠のない考えから不採用になることは実際多いのではないだろうか。

空白期間のない人間が就職活動しても苦労してしまう時代に、
ひきこもりが、いざ社会に出る自信を取り戻して就職活動を始めたところで
中々上手くいかないのだ。

アルバイトでもいいから働けばよい、という意見もある。
確かにアルバイトであれば、正社員になるより大分ハードルは低いと思う。
ひきこもり時代よりはフリーターでもしている方が気楽でQOLが上がった、という人もいるはずなので間違った意見ではないが、給与が低い。
掛け持ちで重労働でもしない限りフルタイムでも年収は200万程度になるだろう。
これでは、大の大人が(将来を見据えて)自立した生活を送っていけるというには少し、疑問が残る。

満足に自己投資が出来ず、未来を切り開いて行くには苦労があるはずだ。
雇用も不安定な場合が多く、何かトラブルがあれば、すぐにまたひきこもりに逆戻りというリスクも否定できない。
それならば、このままひきこもっている方がマシだ…と考える人がいるのも感情的には理解できる。

日本では、ひきこもりが年々、増加しているらしい。
職場でのトラブルや学校・家庭の事情により
人間、誰だって一時的にひきこもりになる可能性はあると思うのだが
一度そうなると中々、抜け出せない、這い上がれないというのが
日本の実情なのだと僕は思う。

これは、自己責任だと言えるのだろうか・・・。




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