地質の新旧が標高に対応する町【都道府県シリーズ第2周:山形県 小国町編no.1-1】
都道府県ごとに地形・地質を見ていく「都道府県シリーズ」。
2周目の第6弾は「山形県」。
そして前回までは山形県の中からさらに絞り込み、三川町(みかわまち)にスポットを当てています。
今回は別の市町村を選定します。
どこにするかな?
山形県の市町村は全部で35もあります。
三川町以外の34市町村から選定することになります。
3回サイコロをふり、最終的に既出か空白になった場合はふりなおします。
「1」→「4」→「1」で小国町(おぐにまち)です!
小国町はどんなところ?
山形県西置賜郡小国町とはどんなところでしょうか?
まずは位置を確認しましょう。
上図の赤色に着色した箇所が小国町です。
山形県の南西部で新潟県に接しています。
「人の横顔」で言えばアゴに相当する場所になっています。
ほぼ真ん中をJR米坂線と国道113号線が通っています。
地形図だけで見てみましょう。
大部分が山間地域で北部と南部に特に高い山地があります。
北は朝日山地の一部で標高が1800m前後。
南は飯豊(いいで)山地の一部で、標高は2000mを越えます。
鉄道や国道が通っている中央部辺りは標高が低めで、特に北西部の広い谷に形成された平坦地が目立ちますね。
地質は?
地形としては南北端に高い山地があり、中部はやや低い山地と谷沿いの平坦地と言う構成です。
では地質はどうでしょうか?
地質図です。
やはり地形は地質の影響を受けているようで、「北部・南部」「中部」「北西の谷沿い平坦地」で地質の時代が違います。
北部の赤色とピンク色(水色点線で囲った範囲)は中生代後期白亜紀(約1億~6600万年前)の花崗閃緑岩や花崗岩。
南部の赤色(水色点線で囲った範囲)は新生代古第三紀暁新世~始新世前期(約6600万~4800万年前)の花崗閃緑岩です。
また北西部(水色点線で囲った範囲)にも古い地質があり、ピンク色は上記と同じで、緑色は中生代中期(約1億7000万年~1億6000万年)の泥岩(付加体)です。
一方、中部は新生代新第三紀中新世(約2000万年~700万年前)の堆積岩類や火山岩類です。
そして北西の谷沿い平坦地は新生代第四紀後期更新世~完新世(約13万年前~現在)の段丘堆積物や河川堆積物です。
小国町の中心部を見よう
小国町は大部分が山間地域ですが、北西に第四紀の土砂堆積で形成された平坦地に多くの人々が住み、中心地となっています。
幅1~2kmの平坦地が北北西-南南東方向に伸びており、その西部を河川が流れています。
平坦地の両側には山地がありますが、西と東では、その様子が少し違うと思いませんか?
周辺の地形と地質を眺めながら、この平坦地がどのようにして成り立ったか?を考えてみたところ、その要因の1つが、西の山地かもしれません。
それについては次回以降でお話しします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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