コールドロンって何だ?!:群馬県南西部山間地域【地元再発見の小旅行vol.31】
群馬県の南西部山間地域では約1600~258万年前にあちこちで活発な火山活動が起こっていました。
どんな火山活動だったのか?
調べてみたら、聞きなれない言葉が出てきました。
場所は?
確認しましょう。
スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
群馬県は関東地方の北西部に位置します。
今回は下仁田町(しもにたまち)と南牧村(なんもくむら)が舞台です。
コールドロンって?
もったいつけずに、はじめにお話ししましょう(笑)
コールドロンとは、ものすごく簡単に言えば昔のカルデラです。
そもそも「カルデラ」という言葉は「陥没した地形」を意味しています。
例えば、阿蘇や箱根など・・・
上が阿蘇カルデラ、下が箱根のカルデラです。
どちらも「へこんでいる」のはハッキリ分かります。
しかし長い年月が経つうちに侵食してしまったり、カルデラ内の火山活動で噴出した溶岩や火山灰などに埋め立てられたりなどで、現在は陥没地形になっていないものを「コールドロン」と言います。
ちなみに厳密に言うと「火山活動で生じた陥没構造」をコールドロンと呼ぶので、カルデラもコールドロンということになります。
「コールドロンの中でも地形の陥没が分かるものがカルデラ」と考えると分かりやすいかと思います。
本宿コールドロン
本宿(もとじゅく)とは、下仁田町のやや中央部の地名です。
本宿コールドロン平面図(下仁田ジオパークの図を参考に筆者作成)
赤点線の範囲が最初に陥没し、その後、カルデラ内で火山活動が続き、青点線が陥没したそうです。しかし確かに、現在では陥没地形は無いですよね。
直径が約10kmなので、箱根のカルデラくらいの規模だったようです。
また火山活動の時期は約600~300万年前と考えられています。
しかし最近の論文(佐藤、2005)では、地層の重なりで一番新しい地層と言われる荒船山(あらふねやま)の山頂の溶岩を分析した結果、約200万年前という数字が出たそう。
これまでの研究結果とのズレが大きいので、もっと詳しい研究が必要なようです。
荒船山って?
その荒船山、チラッと見てみましょう。
西側にノペッとした地形が見えますよね。
これが荒船山です。
山頂部は安山岩溶岩とのことで、この平坦な面は溶岩台地なのでしょう。
確かに、まるで船のようなかたちです。
実物はもっと迫力があって雄大ですし、久しぶりに見てみたい!
アクセスは・・・
自動車:上信越自動車道を下仁田ICでおり、国道254号線を西へ
鉄道等:JR高崎駅で上信電鉄に乗り換え、終点の下仁田駅で下車。そこからバスが出ています。
上信電鉄、ちょっと乗ってみたいですね♬
今回は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
佐藤興平(2005)荒船山の火山岩のK-Ar年代と本宿カルデラの
火山活動史における意義.群馬県立自然史博物館研究報告(9),p11-27.
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