島と島が合体だ!!:北西部山間地域&北西部平坦~中山間地域(佐渡島)【都道府県シリーズvol.23新潟県part1】
都道府県シリーズのvol.23として新潟県が始まりました。
その第一弾として佐渡島の地形&地質についてお話しします!
場所の確認
はじめに場所を確認しましょう。
新潟県の本土地域から北西、日本海に浮かぶ島が佐渡島(さどがしま)です。地形区分(筆者独自の区分)では⑦と⑧の地域です。
⑦地域は標高900mの山地ですが、⑧地域は高くても600mとやや低い山地ということで区分しています。
しかし地質は同じなので、今回まとめてお話しします。
ちなみに佐渡島の行政区分は、島まるごと1つが佐渡市(さどし)です。
佐渡島の地形を見る
では行ってみましょう!
北東ー南西方向にのびる山地が2つ並び、真ん中が平野になっています。
北の山地が大佐渡、南の山地が小佐渡と呼ばれています。
こちらが大佐渡。南東部に扇状地のような地形が見えます。
これが小佐渡。やはり平野に面して扇状地のような地形が見えますね。
それと南西部に平坦な地形が目立ちます。
佐渡島の地質図を見てみよう
では地質図を見てみましょう。
大局的に見ると、大佐渡と小佐渡はほぼ同じ地質が分布していて、平野に面した内側の斜面ほど地質が新しくなる傾向にあります。
ここからはスーパー地形アプリのシームレス地質図V2を拡大したりしながら話を進めます。
佐渡島の生い立ち
佐渡島の大地の歴史は、大きく分けて4つのステージがあります。
上記地質図や研究論文、佐渡ジオパーク公式サイトの解説等を参考に話を進めましょう。
Stage1:大陸の一部だった時代
大陸の一部だった時代は古生代から中生代にかけての古い時代の地層が陸地でした。
大部分は新しい地層に覆われて隠されていますが、上図の赤丸2か所で以下の①・②・③が地上に出ています。
あちこちに点在している紫色が①(古生代ペルム紀の斑レイ岩)、西・北・東に分布する青灰色が②(中生代三畳紀の泥岩)です。
赤点線で囲った灰黄緑が③の古生代ペルム紀の付加体、北東の灰緑が③の中生代ジュラ紀の付加体です。
これらの地層が土台になって新しい地層が重なっていきます。
Stage2:大陸が分離しはじめた時代
新生代古第三紀漸新世(ぜんしんせい)後期から新第三紀中新世前期(約2800万年~2000万年前)の時代のことです。
大陸の端が細長く割れ、活発な火山活動が起こります。
色々なマグマの成分(玄武岩~流紋岩)の溶岩類や火砕流堆積物が噴出。
その後、細長く分離した土地が大陸を離れ、少しずつ今の日本列島の位置へ移動しながら海底に沈みます。
赤点線で囲まれた茶色と黄土色(やや濃い目)の地層です。
Stage3:海底火山の噴火と沈静化
Stage2から引き続き、日本列島は徐々に今の位置まで動いてますが、この時は海の底です。
そして新生代中新世の中期から後期(約1700万年~700万年前)にかけて海底火山活動が起こります。
はじめはデイサイト~流紋岩質の粘っこいマグマが噴出。その後、玄武岩溶岩が噴出します。
そして火山活動がおさまった後、約258万年前までの間に海底で泥が溜まって泥岩ができました。
赤点線で囲った黄土色(薄め)がデイサイト~流紋岩の溶岩類です。
玄武岩は南西部の青灰色。その北東に見える水色が泥岩です。
Stage4:2つの島が隆起し、やがて1つへ
その後は静かに海の地層が溜まりながら、佐渡地域が圧縮の力を受けます。
そして約130万年前には大佐渡・小佐渡が海面上に顔を出し、2つの島が誕生します。
その後から現在にかけて、浸食して流出した土砂が2島の間に溜まって陸化し、1つの島=佐渡島が誕生します。
赤点線の範囲内に扇状地堆積物や段丘堆積物、河川堆積物が堆積。
また島中あちこちに段丘堆積物(薄緑)が堆積して今の状態になります。
以上となります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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参考文献
角 靖夫・広島俊男・須田芳朗(1990)20万分の1地質図幅「相川及び長岡の一部(佐渡島)」、地質調査所.
島津光夫・金井克明・外山哲英・市橋紘一淋・皆川 潤・高浜信行(1973)佐渡島の地質構造発達と火成活動.地質学論集,第9号,p.147−157.
柳沢幸夫・渡辺真人(2017)大佐渡地域南部に分布する新第三系堆積岩類の層序の改訂.地質調査研究報告, 第 68 巻,第 6 号, p. 259–285.
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