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目標を定めて進む推しと、ふわふわ漂う無職のヲタク

明後日、大好きな人がグループから卒業する。



コロナ禍になってから退屈な時間を埋めるべく、YouTubeのダンス動画を観てハマったその人は、いわゆる王道の「THE・アイドル」みたいなタイプではない。
黒髪ショートカットでクールな雰囲気、女子校にいたら絶対モテるタイプ。
私は昔からそういう中性的な人が好きで(ふしぎ遊戯の柳宿とか少女革命ウテナのウテナとか)、なんというかその辺は完全に「癖」である。

そんな好みの雰囲気と職人のようなダンスに惹かれて、所属グループも推すようになった。



どこが好きかと言われたらもうキリがないのだが、最終的には「人柄」。そこに尽きる。
「誠実」「実直」「素直」。
そんな言葉が似合う人。
その人のことを想えば人として道を踏み外すことはないだろう、と思わず襟を正されるような。
かといって堅苦しく近寄りがたい感じでもなく、たまに見せる天然で無邪気な一面、各方面から愛されて信頼されているんだろうなというのがよく分かる。

卒業まで残りわずかとなってからも、あらゆる方法でファンを楽しませ、いわゆる接触系のイベントで「神対応」をするタイプではないが、言動の端々にファンや周りの人たちへの感謝が見える。
残せるものは全て残していく、という責任感と気概を感じる。
最後の最後までどこまでも誠実なその姿勢に、「推しててよかった」と改めて思わされる人。



私は今まで推しの卒業や好きなバンドの解散等を経験したことがなく、正直どんな感覚になるのか実感が湧かない。
幸い前向きな理由での卒業なので、その辺りはまだ救いもあるし、これからが楽しみでもある。
寂しいけど、自身で選んだ新たな道を進むその人を、前向きな気持ちで送り出したいと思う。





明確な目標を定めて突き進む人。
流れに身を任せてその時々を楽しむ人。

私は確実に後者のタイプなので、前者の人を羨ましく思うこともある。
でもその辺はどちらが正解とかではなく、人それぞれ、その時々によっても変わってくるだろう。


焦ることなく、自分の道に集中する。
不安に囚われたら、「今」に焦点を合わせる。
激動の世の中だからこそ、その辺りの軸はしっかり持っていたい。
そして自分にも他人にも「誠実」で「実直」で「素直」、そんな人間でありたい。


改めてそう思わせてくれてありがとう。
最後のステージ、楽しみにしています。



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