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「週に一度でも台所に立ちたい」と思える本 #生後223日目
子どもの食事についても参考になるのですが、何より自分を肯定してもらえるような、心がホッとする一冊に出会えたので紹介します。
大きくなったら子どもにも読んでもらいたいと思える、台所の知恵が詰まったエッセイです。
「奥津典子の台所の学校」(奥津典子)
食べ物に対して「良い悪い」と裁判官にならなくていい。
育児書を読んでいると
「○○してはいけない」
「○○は体に悪い」
そんな言葉がよく出てきます。
でもこの本の著者は決してそんな言い方はしません。
やさしく、やわらかい文体で、食べ物に対して「良い悪い」と裁判官になることなく、恐れずに食べたいように食べて大丈夫だと言ってくれる。
そして忙しい中でも、週に一度でも、台所に立ってみようかな?
お味噌汁だけでも作ってみようかな?
と、台所に立つきっかけになる本です。
誰かの台所仕事が、記憶に深く残っている。
台所は、見る人にも元気をくれるようです。
台所の音。揺らぎ。香り。気配。
誰かの姿が、あなたの記憶にも何か深く残っていませんか。
台所で誰かが何かをつくるとき、その周りにいる人も、かけがえのない何かを得ているのだと思います。
私は子どもに、こういった記憶を残してあげられたら、と思っています。
というより自分はそう思っていたんだな、と気付かされました。
朝起きたら、台所からトントンという音が聞こえ、ごはんやお味噌汁の香りがしてくる。
そんな、昔ながらの風景を。
離乳食でつまづいたときに、思い出したいことば。
一般の基準に我が子を合わせなくて大丈夫。
ちゃんと、後で追いつきます。
それより、今をしっかり大事にしてください。
そのほうが丈夫な子に育ちます。
できるだけ自然に触れさせましょう。
手で触る、落ちる音、噛むときの音、気配、匂い。
子どもたちは、ものすごいスピードで五感を成長させています。
大人の基準で、「ちゃんと食べる」を押しつけ過ぎないであげてください。
自分のペースで、ごはんの食べ方もひとりでにゆっくりと上手になります。
この先も離乳食はうまくいくことばかりではないと思います。
何かにつまづいたり、人と比べて焦ってしまったときには、このことばを思い出したいです。
我が子のために台所に立つということ。
いつから台所に立つことは義務になったのでしょう。
嫌いな人に料理するならともかく、我が子のために台所に立つことは、人間の権利で喜びでなかったか。
親のそんな姿と笑顔だけで、世界一幸せかのような笑顔を見せる無欲な子どもたち。
社会がそれを第一優先することが、なぜこんなにも難しいのか、それよりも何が大事だというのでしょう。
私たちはみな消えゆくのに。
ハッとさせられたことばです。
忙しい生活の中、食事を手づくりすることは大変です。
今は便利なベビーフードもたくさんあるのに、食べてくれるかどうかもわからない離乳食期に手づくりをすることは、非効率なようにも思っていました。
その時間を子どもと過ごすことに充てられるのではないか?という葛藤もありました。
それでも、台所仕事にはそれだけの価値がある。
そう背中を押してもらえた気がしました。
そして、自らの意思で台所に立ちたくなりました。
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