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コロナの件で泣く泣くキャンセルした沖縄旅行の代わりに、人生のターニングポイントを18名にインタビューしてマインドマップにする実験企画「LIFE SHIFT STORY」をやったらハッピーになれた【全過程】。

4/1~4/4の4日間で個人事業主、ベンチャー社員、大企業社員、官僚、NPO法人代表など、多様なバックグラウンドをもった18名(後日+1名)の方にインタビューをさせていただきました。
インタビューをする中で本企画のまとめ的なアウトプットが見たいという希望があり、noteを書き始めたのですが、気がついたら誰が読むのだろうかと思うほど長文になってしまいました(12500文字以上)。
個人的には自身の活動の俯瞰や整理ができたので満足です。お暇がありましたらお読みください。

幻となった沖縄旅行

我が家では年に一度、家族で沖縄に行くことが恒例となっており、毎年楽しみにしています。

初めて家族で沖縄に行った日は、忘れもしない2011年3月11日。東日本大震災が起こったまさにあの日です。

あれから9年が経ち、今年で10回目となる沖縄旅行は4/1(水)~4/4(土)の日程で行く予定でした。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染リスクなどを考慮して悩んだ末、出発の2日前に旅行をキャンセルすることにしました。直前まで奇跡が起きることを信じていましたが叶いませんでした。

昨年は、娘の中学受験を控えていたこともあり、この一年家族で遠出する機会もあまりなかったので、今回の沖縄旅行は本当に楽しみにしていました。

こうして、突然4日間のフリータイムができてしまったのです。

外出を自粛するムードが日本を覆うなか、他に行くあてもなかったので、いつもと違う発想をしてみることにしました。

「自宅にいながら、沖縄旅行以上に楽しむ方法はないだろうか?」

そうして思いついたのが、オンライン会議サービス「zoom」を使って、知人や友人にインタビューをするという企画です。

人のつながりやご縁を大切にしたい

今思えば、今回のインタビュー企画は、それ以前に実施した企画の延長だったのかもしれません。

私は、3月末まで無料で全文公開されていた書籍「リモートチームでうまくいく」を使ったオンライン読書会を何度か開催していました(無料公開は3月末で終了)。

20200412_オンライン読書会

読書会を通じて、様々な職種や立場の方が抱えるリモートワークについての課題だけでなく、コロナ危機に対する様々な考え方を知ることができました。月並みな言葉でいえば、読書会によって視野が広がったのです。

書籍からも色々学ぶことができました(自分では読んでいません、参加者の方に教えてもらいました^^)。

今回の新型コロナの問題で、オフィスに集まって仕事をするという環境から一気に在宅ワークに移行すると、どうしても職場における人と人のつながりが弱くなります

同僚の名前がすぐに出なくなったとおっしゃる方もいました。オフィスで顔を見合わせたりした際に行われていた記憶の想起ができなくなったことが原因かもしれません。

また、見過ごされがちですが、在宅ワークでは雑談の機会も失われてしまいます。目的や結論がなく仕事に直接関係のない雑談から新しいアイデアが生まれたり、人と人との関係が築かれるものです。

話がやや脱線しましたが、コロナ危機×在宅ワークによって、人々の「つながりを大切にしたい」という想いは強まっているのではないでしょうか。そんな背景から、今回のようなインタビュー企画を発想したのだと思います。

テーマは「人生のターニングポイント」

ふとしたことがきっかけでその後の人生が大きく変わった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

私にもいくつか思い浮かぶ人生のターニングポイントがあります。

例えば、私が2017年に始めた学びのコミュニティ活動「あすよみ」です。

20200412_あすよみ

読書会を中心としたワークショップイベントを多数開催し、延べ1300名以上の方にご参加いただくまでになりました。

あすよみ誕生の直接的なきっかけは、2016年に出版された書籍『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』です。

20200412_あすよみ2

当時、出版記念講演のため来日していたリンダ・グラットンさんに、つたない英語で『LIFE SHIFT』を使った読書会の開催を宣言したことを覚えています。

実は、左側の写真の通り、2014年の『ワーク・シフト』の出版記念講演の際にもお会いしているので、ターニングポイントという意味では2014年なのかもしれません。

いずれにしても、リンダ・グラットンさんとの出会いがきっかけで人生が大きく変わりました

20200412_あすよみ3

最初はたった5人の友人を集めて実施した名もない読書会が、その後、「あすよみ」という名に変わり、イベントを手伝ってくれる社外の仲間もでき、仕事でも読書会の依頼いただくようになりました(2016年の自分にはまったく想定外の未来です)。

「あすよみ」のタグラインは、「人生に、新たな1ページを。」です。

今は自分自身の「LIFE SHIFT STORY」を通じて、「小さなチャレンジが、人生に大きな変化をもたらすこともある」ということを伝えたいと考えています。

余談ですが、昨年末、リンダ・グラットンさんと再び会うチャンスを頂きました。上の資料を使って私の「LIFE SHIFT STORY」を伝えたところ大変喜んでくれました。

二度あることは三度あるもんですね。

20200412_あすよみ4

このように、インタビューのテーマを「人生のターニングポイント」としたことは、私にとっては自然なことでした。

後で振り返ってみた時、「人生のターニングポイント」と呼ばれる地点でいったい何が起こっていたのか、どうしてそのような行動をとったのか、について色々な人の話を聞いてみたくなったのです。

外出自粛ムードの中、自宅で過ごしている人もきっと多いのではないかという読みもあり、このインタビュー企画を実行に移すことにしました。

実施2日前のことです。準備時間がない!

まずはインタビュー希望者の確保

やると決めたら、即行動開始です。なにしろ準備時間がほぼありません。

まず行ったのは、インタビュー候補者の選定です。
facebookで繋がっている約1660名の友だちリストを上から順にざーっと見ながら、とりあえず約60名をピックアップ

20200412_候補者

インタビュー候補者リスト

時間をかけている余裕もなかったので、以下のどれか、または複数に当てはまる方を直感で選んでいきました。

・久しぶりに話をしてみたいと思った方
・自分とは異なる分野や場所でお仕事をされている方
・自分とは異なる価値観を持っていそうな方
・自分とは異なる働き方をしている方
・facebookの投稿によくいいね!してくれる方
・ユニークな人生を歩んでいる方(勝手な想像も含む)
・あまり話したことがないけれど直感でピンと来た方

次に、4/1~4/4の間のインタビュー計画を立案。一人当たり1時間のインタビューで1日最大6名が限界、4日間で計24名が上限人数であることが分かりました。

ちなみに、インタビューの経験自体はデザインの仕事の中では多少あるかなという程度ですが、普通の人より知識はあります(いちおうデザイナーです)。

準備作業は実施前日の3/31にやっていたため、一人ひとり日程調整のやり取りをしている暇はありません。そこで、以下のようなページをGoogleドキュメントで用意して、一斉にメッセージを送信することにしました。

20200412_LSS募集

そして、本文中に以下のような日程調整用スプレッドシートへのリンクを貼って、「以下の日時の中からご都合のよい時間帯を2つか3つメッセンジャーにてお知らせください。」と書いておきました。

20200412_LSS日程調整前

スプレッドシートは「閲覧のみ」で共有し、希望日時について返信が来たらこちらでスプレッドシートにイニシャルを書き込んで更新(予約)するという方法を取りました。

問題は、どれくらいの方から好意的な反応があるのか分からないという点でした。こればかりはやってみないと分かりません。

そこでまずは約60名の候補者の中から約半数の方をピックアップしてメッセージを送信しました。
インタビューはオンライン会議サービス「zoom」を使う想定でしたので、まずはzoomの経験がありそうな方を優先的に選びました。もう一つの条件は、在宅ワークしていそうな方です。

20200412_LSS日程調整後

最終的には、スケジュールのほとんどが埋まりました。4/3と4/4は別件の予定が入ったのでインタビュー回数は減っています。

振り返ってみると、すべての予定がオンラインだと、予定の調整に自由度があることに気づかされます。例えば、4/4の15:00-16:00は別のオンラインミーティングに参加していたのですが、もしこれをリアルに集まってやっていたら、その前後にオンラインインタビューを実施することは難しかったのではないかと思います。

今回はスケジュール調整期間がほぼゼロでしたので、希望日時を複数ご連絡いただいた場合は、インタビュー初日に近い方からどんどん埋めていきました。

インタビューの内容をマインドマップにするまで

メッセージを送信してしばらくすると、すぐに数名から反応がありました。

お誘いありがとうございます」とか「面白い企画ですね」といったメッセージをみて、素直に嬉しくなりました。その後も反応があり、初日のスケジュールはすぐに埋まったので、ホッとしました。

追加で希望者を募集する必要がなさそうなので、次にインタビューの流れを設計することにしました。

1時間という短い時間でどこまで人生のターニングポイントを深堀りできるか?

事前に案内した企画説明のページには、インタビューで聞きたい内容を以下のように書きました。この時点ではインタビューのタイムラインは決まっておらず、思い付きで書いています。

・人生においての転換点は?
・コロナの危機に直面し、今どんなことを考えているか?
・これからの人生をどのように過ごしたいと考えているか?
・人生に大きく影響を与えたものは?
・大切にしている価値観や人生観

実際のインタビューの流れは以下の通りですが、これは実際にやりながら調整していきました。また、人によっては話が盛り上がってしまい、想定通りいかなかったケースもありました。

1)主旨説明(時間節約のためスライド準備)
2)現在注力していることは?
3)人生のターニングポイントは?について深堀
4)コロナの件で感じていることなど
5)インタビューした内容を5分で振り返り(私)
6)人生において大切にしている価値観、人生観は?
7)インタビューを受けての感想を一言
8)おわり

当初、インタビューのお礼としてご協力いただいた方に、私が話を聞きながらかいたマインドマップのメモをプレゼントしようと考えていました。

でもこのアイデアは実際にやってみて無理だと分かりました。話を聞きながらかいたマインドマップは、想像以上にぐちゃぐちゃだったためです。

20200412_ミニマインドマップ

一人目の方のマインドマップメモ

20200412_LSSミニマインドマ

インタビューメモのすべて(一人目を除いてひとり2枚)

そこで、初日最初のインタビューが終わった後、メモとしてかいたマインドマップを自分なりに分析して、新しくマインドマップをかき直してみることにしました。

マインドマップの教科書的には、ミニマインドマップをもとにフルマインドマップを作成する流れと言い換えることもできます。

この新しくマインドマップをかき直すという作業は、人によっては結構時間がかかったのですが、基本的にはインタビューとインタビューの間の1時間で出来るところまでと割り切ってやりました。

かき直したマインドマップの味付けは人それぞれ違いますが、人生のターニングポイントが感じられるものもあれば、その人らしさや個人のビジョンが出ているようなものまであります

たった1時間のインタビューでお話しいただいた内容はどうしても人生の断片に過ぎないので、この作業は思ったよりも難しかったです。

本企画にご協力いただいた方の中に、マインドマップをnoteに公開してくださっている方がいますのでご紹介します。facebookでも数名の方がマインドマップ付きで投稿してくださいました。

多様な経験を有する方が喜んで協力してくれた

冒頭にも書きましたが、今回の企画では、個人事業主、ベンチャー社長&社員、大企業社員&幹部、官僚、NGO職員、NPO職員&代表、美大生など、多様なバックグラウンドをもった18名(+1名)の方にインタビューをさせていただくことができました。

本企画の目的と趣旨からして、協力者の多様性については人選の段階からある程度意識していたのは確かです。

ただし、学校関係者と医療関係者、自治体関係者については緊急事態で多忙なことが予想されましたし、平日日中にオンラインでのインタビューは難しいだろうと判断し候補から外しています。

また、準備段階では自分とは仕事や価値観の面でなるべく距離のある方を選びたいという思いもあったので、候補者の今のお仕事については知っているようでよく知らないという方もいました。

職種も幅広く、お話を伺った多くの方が複数のキャリアを経験しており、現在進行形でパラレルキャリアな方もいらっしゃいます

ご協力いただいた方の職種は以下の通りです。

営業&マーケティング、ワークショップデザイナー、クリエイター、デザイナー(WEB/UX/UIなど)、プランナー、アーティスト(音楽、画家ほか)、研修やセミナー講師、創業支援、新規事業開発、ラジオのレポーター(パーソナリティ)、小説家、英語の先生、刑事、ライター(コピーライター、テクニカルライター)、飲食店店長、コンサルタント(IT、環境経営)、新興国支援、役者、社会起業家、大学の先生
(過去に経験された職種も一部記載)

クリエイティブ&イノベーション系、ラーニング系、ソーシャル系の方が多く、やっぱりというか、自分自身の興味関心の方向性からどうしても離れることはできなかったようです。facebookで表示される投稿もそういう方のものが多い傾向がありますね。

偶然にも、ドローンを活用したビジネスをされている方、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに活動されている方、北海道出身の方、海外青年協力隊の経験がある方と子どもの頃に憧れていた方、ハワイで生まれ育った方と今ハワイ在住の方など、18名(+1名)の中で意外な共通点が発見されたのも個人的に面白かったです。

海外の状況や海外から見た日本についても知りたかったので海外在住の方や最近まで海外にいた方も選びました。アメリカ本土(NY州)とハワイにお住いの方、最近までケニアにいた方にインタビューできました。

性別という観点では、結果的に男性10名、女性8名(+1)となり、ほぼ希望どおりの割合でした。年齢については正確に分かりませんが、おそらく30歳前後から60歳前後の間かと思います。40代の方が多かったのではないでしょうか。

多様性という意味では、20代前半の方にもインタビューできたらよかったと思いますが、テーマ的には30代以降の方に向いていたのかも、と後で思いました。

また、やってみて分かったのは、協力していただいた方にも様々なメリットがあったということです。中には、「これは絶対有償サービスにできる」とまで言って下さる方もいて、これには本当に驚きました。

一人目の方のインタビューが終わった後に、フィードバックをもらいたいと考え、Googleフォームで以下のようなアンケートを急遽つくりました。

20200412_フィードバック

途中からインタビューを受けた理由についても質問項目を追加してお聞きしていますので、結果をシェアします。

■マサさん、本日はありがとうございました!数多くの友人の中で興味を持っていただけた事が嬉しかったのと、何かお話する事で貢献できることはないかなぁと思ってインタビューを受けようと思いました。
■自分自身のことを知るのによい機会と思いました!
■マサさんはいつも面白い企画を考えて実験されているので、今回も面白い視点を得られる機会になると考えました。
■お声がけいただいて、直感的に。久々にお話したいと思ったから。自分の話を1時間も聞いていただける機会はなかなかないと思ったから。
■コロナの影響で多くの人がライフシフトをしそうだから。
■普段インタビューをしていますが、逆の立場で受けてみて、自分の知らない新たな窓を開けてみたかったため。
■普段、人から話を聞くことも多いが、自身が話すことで得られる効果(口に話してみることでわかることがある)をすごく感じている。まささんがこうやって聞いてくださるなんて、なんてありがたい!と思ってお願いしました。

人生のターニングポイントはどうやって生まれるのか?

さて、インタビューから見えてきたものはいったい何でしょうか?

インタビューにご協力いただいた方からぜひシェアしてほしいと言う声がたくさんありましたので、「人生に新たな1ページをもたらす要因やそのためのヒント」というカタチでまとめてみました。

インタビューでは、人生のある地点を探すかのようにトライしました。しかしながら、人生に変化を起こすための行動や考え方はお話の随所に見られたので、それらも含めてだらだらと列挙します。全然まとまっていませんね(笑)。

・会う人すべてにありたい姿をアピールする(転職、結婚など)
 久しぶりに会う友人から有益な情報がもたらされる
・直感に従う(心が動くものに出会うと、頭の中で勝手に言葉が生み出される)
・面白い人生かどうかを日々問い続ける
・まず自分から「場」に働きかける(与贈循環)
・尊敬する人、憧れの人のそばにいく
・一歩引いて見方を変えてみる
・軸足をしっかりと持って、色々試してみる
・お店などで偶然となりに座った人に話しかけてみる
・みんなのまとめ役を引き受けてみる
・環境を変える(職場など)
・小学生時代に大好きだった遊びを思い出してみる
・家族(父母、兄弟、祖父祖母)の中で誰に一番似ているか聞いてみる
・ひとりで非日常空間に飛び込む
・本当にそれがしたいのか?自分を出せているのか?と問う
・上手くやっている人に聞く
・子どもが生まれると世界を見る目が変わる
・今やっていることが思い描いた結果につながっているかチェックする
・家庭、組織、心の問題、健康、環境問題もすべては持続可能性である
・情報源が偏っていないかチェックする
・価値観の異なる相手でもトコトン付き合ってみる
・大きくジャンプ(高さと幅)すれば得るものも大きい
・小学生時代に褒められたことを思い出してみる
・小学生時代に親から言われていたことを思い出してみる
・昔の友達に連絡を取ってみる
・前に進まないと感じていたら横を向いてみる
・子どもの入学や卒業のタイミング、今しかない
・現状の課題をすぐに解決できるチャンスを見逃さない
・同じゴールでも別の行き方がないか調べてみる
・本を読むなど情報収集を日々欠かさない
・妄想する時間を定期的につくる
・悩んだ結果別の方向性が見えたら、詳しそうな人に相談しアドバイスに従う
・小中学生時代に身の回りにたくさんあったものを思い出してみる
・子どもの頃に身近(同級生、兄弟等)であこがれていた人を思い出してみる
・子どもの頃に嫌で仕方がなかったこと、ショックだったエピソードの持つ意味を様々な観点で分析してみる
・子どもの頃によく言っていた場所を思い出してみる
・苦労せずにできる得意なことと興味のある事を掛け合わせてアクションしてみる
・今いる場所は、自分に嘘をつかずにいられる環境かよく考えてみる
・子どもの頃に好きだったアニメや漫画のヒーローを思い出してみる
・興味のある分野の講座やセミナーなど、学びの場に出かけてみる
・ついついやってしまうこと、思わずやってしまった行動を振り返ってみる
・子ども時代に仲の良かった友だちが今何をやっているか思い出してみる
・興味のある分野の「本物」を見に行ったり体験してみる
・自分自身をタレントのようにプロデュースするとしたら?と考えてみる

似たようなものあり整理しきれていませんが、ご容赦ください。

全体として「好奇心」が強いと自己分析されている方や、新しいことにチャレンジしたいとおっしゃる方が多かったのが印象的でした。
自分自身がそういう方に興味関心があるということかもしれません。

幼少時代に何気なくやっていたことが今回のインタビューで思い出され、もしかすると今の自分に繋がっていたのかも、と気づかれる方もいらっしゃいました。

また、今回のインタビューを通じて、アップルの共同設立者の一人であるスティーブ・ジョブズが、スタンフォード大学で行った有名なスピーチを思い出しました。

スピーチの中で、「Connecting the dots.(点と点がつながっていく)」という言葉が出てきます。

まさにこの言葉の通り、直感(内なる声)に従った新しい取り組みの連続が、LIFE SHIFTを生み出していくのだと改めて思いました。

ここまで読んでくださった方で、もしスティーブ・ジョブズのスピーチを知らない方がいたらぜひご覧になってみてください。

以前、Youtubeに上がっている動画をコンパクトにまとめたことがあるので紹介しておきます。

140字に圧縮したバージョンもあります。

20200412_ジョブズスピーチ

人生において大切にしていることは?

インタビューの最後に、「あなたが人生において大切にしている価値観や人生観(判断基準など)」について伺ったところ、これまた様々な回答をいただきました(インタビューの途中で出てきたものもあります)。

・人間はちっぽけな存在。謙虚でありたい。
・(他責ではなく)感謝する気持ちを常に持ち続ける(神棚をおく)
・たくさんの人から学び、また人に学びを返す
・周りの人々の体温を1℃でも上げたい(周りのみんなが笑って、自分も大笑いしていたい)
・人生は移動距離で決まる(周りの環境を変える)
・自分の中にあるこうあるべきという良心に従って素直に生きていきたい、みんなもそうあってほしい。そうすれば世の中よくなる
・これからは「愛」。人のために生きる
・自分のパッションをすてない。諦めずに持ち続ける。本当に好きなことならどうにかなる。その方が人生は楽しい。
・悩んだときは海をみる。大自然の前で悩みが小さく思えてくる
・心が豊かでありたい。そうすることで人は助け合える
・相手を尊重する(異なる考えに対しても、いったん受け止め否定しない)
・興味をもったことに触れる、飛び込む
・日常にある自然からのインスピレーションを五感で感じ、自分はどうしたいか考える
・何事も「循環」を大切にする
・人として正しいか正しくないか、同じことでも他にやり方がないか考える
・興味や好奇心を大切にする
・ありったけの感情・感覚を味わってあの世に帰る
・外からの刺激に対して自分の中に起こるものに興味がある
・やらないで後悔するならやってみろ(何でもやってみないと分からない)

インタビューの途中には出てこなかった言葉でまとめる方が多くて意外でしたが、どれも共感するものばかりです。

新型コロナ危機について思うことは?

世界的なコロナ危機に直面している今だからこそ思うこと、感じること、気づくことをインタビュー中にお聞きしました(時間の都合上あまり深堀はしていません)。

今現在のことだけでなく、コロナ問題が収束した後の世界はどんな社会になっているか、どんな社会であってほしいか、について話される方もいらっしゃいました。

・この時期だからこそ人々は色々なことに気づく、このインタビューには価値がある
・今やることは人と話すこと、消費すること、幸せにご飯を食べること
・誰にも文句を言われることなく、変えられるチャンス
・危機感が無さすぎる。10年に一度大きな波が来る。しばらく仕事がなくなる前提で事業をするのは当たり前
・自分で判断できない日本人が多い
・些細なことに対して起こるなど、ピリピリしている人が増えている
・人知を超えた問題がいきなり来た。よく考えたら、環境問題や海洋プラスチック問題も同じ。コロナ危機で経済活動が止まるのでCO2排出量は目に見えて下がる。
・人間は社会的動物であり、社会によって生かされている。弱い人が淘汰されるというネガティブな思考が根付くと怖い。
・グローバルな情報をもとに判断できる
・これまでは人間中心発想での体験価値が求められていたが、避けられるようになるかも。その時、何が価値化するのだろう?
・情報収集がネットに依存すると、本当かどうか自分で確認できない
・ニュースを見ていて日に日に怖くなった
・初めて長い時間自宅で仕事をするようになったが、意外にストレスフリー
・英語は必須。ますます世界は近くなる
・人と人のつながりはさらに強くなる。身体性は絶対必要。
・オンラインが主流になるのでは?
・仕事はすべてキャンセルになったが、毎日息子と遊べるのはギフト
・オンライン向けのコンテンツを考えないといけない
・地方移住者が増えるかもしれない
・温暖化によって氷がとけ水位が上がるとするなら、標高の高い場所が価値をもつかもしれない(岐阜県や長野県など)。
・シベリアの氷の中には大昔の菌がたくさんいるといわれており、パンデミックの可能性がある
・子どもがいないせいか他人よりも危機感がない(心の余裕ともいえる)
・大きな環境変化がないと人は変われないんだ
・最終的には「愛」。人を想いやるコミュニケーションが残る
・本質を見つめざるを得なくなる。本当に大事なことは何だろうという問いが生まれている
・日本はこれまで変わろうとして変われなかった。技術的な問題ではなくやらなかった。コロナ危機はよい方向に変わるきっかけであり、ポジティブに受け止めている。新しい方向、時代を変えるための痛みである
・世の中もっとスローになればいいのに。
・「(リアルな)場」には、雑談が生まれる、エネルギーがある、人の表情がよく分かるなどのメリットがあり、文化、風土、関係性を築くなどイノベーションには必要不可欠。一方でロボットなどに代替されるようなオペレーションワークはテレワークでもよい。
・(みんなが)自分の良心に従って行動できる世の中になったらいい

こちらもいろいろな考えがあってとても参考になりました。

参加された方の感想

参加された方の感想もせっかくなのでご紹介したいと思います。

■いつも「聞く側」だったので、「聞かれる側」を体験できてとてもよかったです。
■一人だと気づかない、気づきがあった。
■分かりやすい主旨のもと、安心して、まとまった話しができたこと。
■自分が当たり前だと思っていることをお話を聞いていただくことで、自分の特徴(強み)であることに気づけて良かったです。そしてマインドマップ!!マサさんから教えてもらって私も使いだしましたが、やはり先生は違うと思いました!自分の棚卸にもなるし、マインドマップの勉強にもなるし、本当にありがとうございます!
■聴いてもらうことで、頭が整理されました。家族への感謝の気持ちが湧きました。持続可能という言葉が色んなところにリンクするなぁという気づきが得られました。傾聴してもらう事で安心感もありました。
■まささんがプラスの部分を探してまとめてくれてよかったです。「それは○○ってことですねー!」と話したことをまとめてくれて、たくさん気づきがありました!」
■コロナ不安によって「今をどう乗り越えるか」にフォーカスしすぎていたところだったので、自分のルーツに立ち返ることのできる対話は有意義でした。
■最初のご連絡や当日の冒頭に、趣旨などを丁寧にご説明いただいたことで、より安心して話をすることができた点。インタビュー自体もじっくり耳を傾けていただいたところ。特に幼少期や両親のことを深掘りして、しかも今の自分につながるストーリーとしてフィードバックしていただけたのは新鮮だった。そして、終了後のマインドマップ付きメッセージ。心のこもった贈りものをいただいた気分だし、改めて、とても真摯に向き合っていただいたことが伝わってきた。1時間という時間設定も、少し話し足りないようで、でもだいたいはお伝えできたような、ちょうど良い長さと感じた。
■自分があまり意識してこなかったことを質問されたから発想が飛んで良かったです。
■まさに、知らない自分にたどりつけたこと!
■改めて言葉にしてみたことで、「そっか、自分自身にとって絵ってやっぱり手段でもあるんだな」とか「ひっくるめて、やっぱり人生自体をアート対象としているな」とかいろんなまとめが自分でできて大変有意義でした。

インタビューを通じての気づき

18名(+1名)の方へのインタビューを通じて気づいたのは、人生のターニングポイントというものは、あるようでないということ。

仮にあの時が人生のターニングポイントだと思う地点があったとしても、なぜそこでそのような意思決定をしたのかについては、さらに過去を遡ることができると思うのです。

私の例でいえば、今noteを書いているところまでの道ができたのは、上で紹介したようにリンダ・グラットンさんの来日イベントまで遡ることができますが、別の見方もできます。それは、マインドマップとの出会いです。

初めてマインドマップというものを知ったのはおそらく2003年頃です。ブックオフで見つけた書籍「トニー・ブザン 頭がよくなる本 日本語第3版」を買って読んだのがきっかけだったと思います。

それから数年たった後に、マインドマップに対する見方が変わる経験をします。その経験が直接的なきっかけとなりマインドマップにハマりはじめ、資格を取得してまで社内外に広める活動を始めました

本noteも期せずして、マインドマップの話を書いています(笑)。

まさに、「Connecting the dots.(点と点がつながっていく)」です。

先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。何かを信じなければならない。」とスティーブ・ジョブズも言っています。

つまり、人生のターニングポイントとは、「自分なりの答えが見つかった瞬間」のことだったのですね。

コロナ危機もそうですが、正解のない複雑な時代において、「自分なりの答え」を持つことがますます重要になっているのではないでしょうか。

WORLD SHIFTに必要なもの

イノベーションは良質なコミュニケーション、コラボレーションの結果生み出されます。心に余裕があるから他の人を想いやることができるし、他の人を助けることができます。

今回のコロナ危機は、新しい時代へシフトするために、人が本来もっている「愛」について試されているのかもしれません。

インタビューの中で、「最終的には<愛>だよ!」っておっしゃっていた方の言葉が心に強く刻まれました。

最後までご覧いただきありがとうございます。

おまけ(お勧め書籍)

インタビューのフィードバックアンケートにて、個人的な趣味でオススメの書籍も聞いていたのでシェアします。

何冊か読んだ本もありましたが、知らない本ばかり。面白そうなものを図書館で借りたり、購入したりして読んでみたいと思います。




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