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生きたい、という願い。死にたくて、生きたい人間の魂。



本当に死にたい、死にたかった人なんていない。



…のかな。
わたしには他の人の本当の事はわからない。



でも私はそうだった。
わたしのちょっと後ろで常に居なくなりたいと
もう生きるのも十分だよって私の声がする。



でも本当に死にたいんじゃない。



本当に苦しい事が繰り返されて、
止められなくなって、



逃げ出さないと、歩みを止めないと多分危ない、と思っても


如何にもこうにもできない。


ブレーキが効かなくなった空っぽの車みたいに止まらない。





この先、もっともっと先、
どうしても変わる事のない事に気付き絶望する。



自分と戦っても戦ってもまだまだ続く。


だんだん体も心も頭もどんどん動かなくなって
何もかもが鈍くなっていく。



ただただいなくなってしまいたい。
この苦しみから逃れたい。



本当は
誰よりも強く生きたいと願ってる。


初めは自分で死ぬことは怖いから
このまま車が突っ込んでくれないかなぁ、なんて
思いがぐるぐると常に回りながら生活し続ける。



助けて欲しいと泣き叫んでいるのに、笑って過ごしてる自分、


生きたいのに、いなくなりたいと願う自分が、



情けなくて余計に涙が出る。



その時にはもうすでに
止められない。



暗闇の隙間から見えてた希望の光の筋が
徐々に消えていく。



時間をかけてゆっくりと閉ざされていく。



そしてわたしの周りを、ドロドロとした重い黒いものが
まとわりつく。



もがいてももがいても埋もれる。
重くて苦しい。



光が見えない。



未来も今も真っ暗で、なんにも無くなった。



ただ
真っ黒が広がる



頭のコントロールがきかなくなって
勝手に動き出す



印象に残ってるのは、
窓から朝方の柔らかい、もやもやとした白い色


その中で
グルグルとすごいスピードで



恐ろしい光景が早送りのように
目の前で繰り返し再生される。



そこに吸い込まれて、体が動きそうになる。



恐怖で必死に目を瞑る。
嫌だ
怖い
助けて 



どれくらい経ったか分からないけど
一気に周りか頭の中かが静寂になった気がした。



アパートの隣の部屋から
寝息が聞こえて、何故かとてもホッとした。



誰かの存在を知り
安心したのかもしれない。



あの静寂は今も忘れられない。



やっと少しだけ眠りにつけた。



やっと、



やっと、生きるために歩みを止めようと思った。
私のために、私の人生を生きてあげたい。



たとえ暗闇の中でも、細い消えそうな光を
懸命に見つめながら。








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