見出し画像

イギリスのコロナ事情:人口のおよそ4人に1人がワクチンを接種!一方で15日から入国条件を厳格化【全文無料】

日本ではあさって2月17日にワクチン接種が始まるとの報道ですが、イギリスは一足お先に昨年12月8日にワクチン接種がスタート。その後の急ピッチでの展開作戦については何度かお伝えしてきました。

そして昨日2月14日に、少なくとも1回のワクチン接種を受けた人の数がとうとう1,500万人を突破。イギリスの人口は約6,700万人なのでおよそ4人に1人が接種を受けたことになり、世界各国と比較すると、イスラエル(73%)、セイシェル(53%)、アラブ首長国連邦(51%)に続くスピードです。

イギリス政府は「2月半ばまでに医療従事者、介護施設の居住者と介護士、70歳以上、深刻な基礎疾患がある人の全員にワクチン接種(1回目)を提供する」ことを目標に掲げてきましたが、それが無事に達成された形。イギリスではこの層の人たちがコロナによる死者の88%を占めていたので、最優先で保護する必要がありました。

今後の目標は「4月末までに50歳以上の人と、基礎疾患がある人の全員にワクチン接種(1回目)を提供すること」そして「9月までに全成人に接種すること」。2回目のワクチンの接種も並行して行わなければならないのと、ワクチンの生産の遅れなどのネガティブなニュースも入ってきているので実際はどうなるかわかりませんが、計画通りに進むことを願っています🤞

実際のワクチン接種会場の様子は上のページから動画(日本語字幕付き)で見られます。『ダウントン・アビー』にも出演している俳優ヒュー・ボネヴィルを始め(!)ボランティアスタッフが会場をアットホームに切り盛りしているのが伝わってきてほっこり🥰

一方で、本日2021年2月15日からイギリス入国条件が厳格化されましたので、渡航を予定されている方はご注意ください。なお、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドとそれぞれに規則を設けていますが、こちらでは首都ロンドンのあるイングランドの入国条件をお伝えします。

まず、日本を含む大半の国からイングランドへの渡航について以下の①~③はこれまでと変わりません。

①出発前72時間以内に実施された新型コロナウイルス検査の陰性証明書が必要
②イングランド到着前48時間以内にオンラインで連絡先フォーム(passenger locator form)に記入
③イングランド入国後、10日間の自主隔離が必要(自宅などの隔離場所への移動は必要な場合は公共交通機関を使用して良い)

そして今回あらたに以下が追加されました。

④イングランド入国後、2日目と8日目に自宅採取キットを利用した新型コロナウイルス検査が必要。検査キットは渡航前に専用サイトで要予約(自費で210ポンド=約3万円)

まあ、それほど厳しくありませんね~。

他方で大変なのが、感染力の高い変異株が見つかったポルトガルやブラジル、南アフリカ共和国を含む33か国(ほとんどが南米やアフリカの地域)からの入国者です。政府指定のホテルでの10日間隔離が義務付けられており、三食付きで1,750ポンド(約26万円)を支払う必要があります。

なお、イングランド国民や一部の政治家からは「海外からの入国者は”全員”ホテル隔離をすべき」という意見もかなり強く。イギリス人の友人に意見を聞いてみたところ、「私はユリはちゃんと自己隔離するだろうと信じられるわよ。でも多くの旅行者は信頼できないわね」と。ま、まあそうですよね…😅

ただ、イングランドがニュージーランドやオーストラリアのように入国者全員にホテル隔離を課する厳しい水際対策に踏み出すかというと、わたし個人の考えではそこまではしないように思います。まあ、もしもそういう道を選ぶ国であればそもそも1年前にそちらに舵を切っていたでしょう。

ではイギリスはどういう道を選んだのかというと…。ハンコック保健・社会福祉相は一昨日、「ワクチンと治療薬によって今年の年末には新型コロナは治療可能な病気になっている可能性がある」と発言。また、与党である保守党のデイヴィス議員も「コロナによる死者が一定の数まで下がったら、その数字を受け入れていかなくてはいけない」と述べています。

こういった発言から、イギリス政府は国内の感染者ゼロを目指すのではなく、重症者と死者を一定数まで抑えられればヨシとする「共存の道」を選んだことが伺えます。

イギリス政府のこの姿勢には賛否両論あると思いますし、イギリス人の間でも意見が分かれるところでしょう。ただ、イギリスというグローバルな国の在り方や、自由を大事にする国民性、ある種のドライな合理性を考えあわせれば「イギリスらしい選択」とも思えます。やはり日本とはとことん違う国だなぁとあらためて感じたりも(どちらが良いわるいではなく)。

次の注目ポイントは、2月22日にジョンソン首相が発表予定の「ロックダウン解除のロードマップ」!どの活動をどのタイミングで再開していくか…という点が国民に知らされます。

ちなみにジョンソン首相は「僕は楽観的だよ~。警戒はしなくてはいけないけどね」と発言しており(笑)、科学者たちは「急にどんどん再開するのはヤメてね!」と釘を刺しています。そんな攻防を経て、実際にはどんな内容の発表になるのか…?またその頃にお伝えしますね😊

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?