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【Day3】湖のほとりで

NHKの「2度目の旅」というシリーズが大好きで、いつも録画しては同居人とふたりで観ている。2度目というだけあって、定番の観光地ではなく、ちょっと外れた場所にある穴場や、すこしマイナーな楽しみ方を教えてくれる良質な旅番組。

出発直前に、「ハノイ タイ湖編」を観てきた。

タイ湖というのはハノイの西側にある大きな湖のこと。最近になっておしゃれなお店が増えているらしく、なにやらホットなエリアらしい。ずっと好きだった番組の場所へ行くチャンス!というわけでタイ湖まで足を伸ばす。

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番組で紹介されていたカフェは、内装もかわいくて居心地がよかった。

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なにより、あまり期待せずに頼んでみた溶岩ケーキなるものがたいへん美味しく、同居人と顔を見合わせて喜んでしまった。

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溶岩ケーキはフォンダンショコラのような食べ物で、しっとりした生地を割ると中からとろとろのクリームが出てくる。注文を受けてから1つずつ作ってくれるので、出てくるまで20分ほど時間がかかります。

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チョコ味が本命かなぁと思っていたけど、思いのほか「ライス味」が好きだった。お米味のデザートってどこか教科書的というか、優等生的な味がつよくて苦手なことも多いのだけど、ここのはほどよい甘みで飽きがこず、ぺろりと食べてしまった。あと2個くらい続けて食べたいくらいだった。


タイ湖から戻ったあとは、トレインストリートへ。

ここはなんと、民家やカフェのあいだすれすれを電車が走る場所。電車が通るのは数時間に1本らしく、電車が来ないあいだは線路上でものが売られていたり、洗濯物が干されていたりするというなかなかに刺激的な場所です。ときにはバイクが線路上を走っていたりもするそう。どういうこっちゃ。日本で同じことやったら、一発大炎上コース。

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線路そのものが見られればいいかな、というゆるい心持ちでいったらなんと、「あと15分で電車がくるからうちの2階から眺めていきなよ」との客引きが。ふだんは客引きなんて頑としてスルーするけれども、今回ばかりは心が動いてしまった。

ビールを片手にバルコニー席へ。

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店先のお兄さんの言う通り、ほどなくして線路上のものたちが片付けられ、線路近くにいた人たちはカフェの中へと誘導されていく。

線路沿いの人たちがいっせいにざわめく。電車が来たのだ。

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建物すれすれのところを、ゆっくりと電車が通り抜ける。時間にすれば一瞬だったけれど、大勢の人間がみんなで1本の電車を見送る時間はなんだか感慨深かった。


たくさん歩いて汗まみれになったのでホテルへ戻ると、なんとバラの花とバルーンが飾られていた。そう、じつは今日が誕生日だったのです。フロントにいたスタッフはみんな何事もなかったかのような顔をしていたけれども、こっそりサプライズを仕組んでくれていたのです。感激しちゃうよ。

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冷蔵庫の中にはカラフルなケーキも入っていた。てっきり「ハッピーバースデー」と書いてあるのかと思っていたけど、よく見たらどどどーんと私の本名がフルネームで書いてあって笑ってしまった。なにゆえフルネーム。

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夕飯は、マダム・ヒェンという老舗のレストランへ。由緒ある建築を大事に使っていて、内装を見ているだけで幸せな気持ちに。

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大好きなブンチャーを頼んだら、焼き上げたばかりのお肉を網に乗せたまま運んできてくれてテンションが上がった。昨日食べたブンチャーとはまた違う、上品で酸味のある爽やかな味付けでした。奥深きかなブンチャー。

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そんなわけで、ベトナムで迎えた誕生日が無事に終わりました。



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