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AFRICOM:アフリカで影響力を拡大する中露

USNI News 3/15/22の記事の翻訳です。
写真:2019年、ジブチの人民解放軍海軍基地にいる中国人船員達。新華社写真

中国のアフリカにおける野望は長期的なもので、発電所や港湾投資、新たな軍事基地など多岐にわたるが、ロシアはワグナーグループのような傭兵を使って独裁政権を支え、リビアから中央アフリカの大陸全体に即時影響を及ぼそうと努力している、とペンタゴンの司令官は火曜日に語った。

ペンタゴンのアフリカ大陸担当最高司令官スティーブン・タウンゼント陸軍大将は「大陸の半分が」3月2日の国連投票で、ウクライナへの侵略を行ったクレムリンを非難する投票をしなかった事は、困った事だった、と証言している。多くのアフリカ諸国が投票を棄権し、タウンゼントはそれを "biding their time“ (彼らの時間の賭け)と表現している。141カ国がクレムリンの攻撃を非難した。

タウンゼントは、ロシアの傭兵をアフリカの政治にとって「悪意ある影響力」と呼んだ。「彼らは独裁者の尻拭いをしている」と彼は言う。更にロシアのオリガルヒはアフリカ大陸を利用してアフリカや米国を含む他の国々の政策や選挙に影響を与える為のネット上の「*トロールファーム」を設立していると彼は言う。

*トロールファーム:対立を引き起こしたり、世論を操作する為に意図的に攻撃的又は挑発的な書き込みをSNS上で行う人を雇用している組織の事。

ワグナーグループとその他のロシア人傭兵は、厄介な内戦に巻き込まれているリビアに「数多く存在している」タウンゼントによれば、彼らは中央アフリカ共和国で特に目立つと言う。ブルッキングス研究所のアフリカにおけるロシアの活動に関する報告書では、ワグナーは「深刻な人権侵害を行い、平和維持活動家、ジャーナリスト、援助者、少数民族に嫌がらせをしていると広く非難されている」とある。ワグナーの存在は、「中央アフリカ共和国政府を国連や西側諸国との対立に追い込み、中央アフリカ共和国はロシア企業との取引を終了するか、(西側の)援助を失うリスクを取るかの選択にますます迫られている。」

傭兵は、軍事政権が敷かれたマリでも大きな影響力を発揮し、治安部隊と協力して地方を支配している。

フランスはマリ政府の軍事政権化とワグナーグループの影響力の増大を理由に、マリでのテロ対策から手を引き、隣接するブルキナファソとニジェール(いずれも仏旧植民地)での駐留を縮小する可能性があるとしている。米国はサヘル地域でのテロ対策においてフランスに後方支援と情報支援を提供していた。

「マリの人々は、ワグナーを招き入れたことを後悔すると思う」とタウンゼントは言う。

国連の調査団は、傭兵がレイプから殺人までの残虐行為に関係していると指摘している。

大陸の東側では、2020年末に米国がソマリアから軍を撤退させて以来、アフリカの米国大使館を攻撃してきたテロ組織アル・シャバブが力をつけている。タウンゼントは公開の場では詳しい説明を避けたが、上院軍事委員会では、米国がグループを監視するためにソマリアでの駐留を再確立する必要があるかどうかについて、国防総省内で自分の見解を明らかにしたと語った。

更に、アル・シャバブも含め、大陸で「致命的なテロが転移した」と付け加えた。ジブチとケニアへの撤退は、情報収集に「新たな課題を引き起こし」、「我々の軍隊へのリスク」を高めた。

タウンゼントは、ジブチにあるアメリカの基地の様に大陸に新たな大規模基地を求めているのではなく、ソマリアの様な場所での駐留を求めていると述べた。

「我々の駐留は、恒久的な基地に依存するものではない。数人の兵士と数ドルの資金があれば、アフリカで大きな力を発揮する事ができる」と語った。

一方、中国は「より多くの拠点を整備しようと努力している。」タウンゼントによると、北京は一帯一路のインフラ構想や、ハイテク製造やエネルギー開発に不可欠な鉱物の権益をアフリカ政府との入口に利用している。それらを利用して軍事販売につなげ、後に基地を建設する可能性へと拡大する。

米国は、開発と軍備の販売において「依然として選ばれたパートナー」だが、彼と中央司令部のケネス・マッケンジー海兵隊長は、米国の既存の法律と規制が潜在的な買い手の心を煩わせることがあるとパネルで述べた。

そのような場合、政府は軍事利用協定の制約が緩い中国やロシアに頼るが、長期的なコストや装備の質について買い手の後悔を経験することが多いというのが指揮官達の一致した意見であった。

タウンゼントは、優位性を提供するために「我々の競争相手はアフリカの可能性を明確に認識している」更に、「アフリカ大陸は民主主義と独裁主義の間の闘争に携わっている」とも述べた。


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