見出し画像

この感覚を、みんなにも感じてもらいたい

ヒロさんの言葉に共感をができた。
私が初めてウィッグをかぶった感覚と同じかなと…

抗がん剤治療が決まると、不安から、脱毛のこと、髪の毛のことを狂ったようにスマホで検索している自分がいたと、彼女が乳がんとわかった直後の話をしてくれた。

スマホでいろいろ探していた、医療用の帽子や頭皮に良い帽子、医療用ウィッグからオシャレウィッグまで…最近はいろんなものが出ているが、彼女の中でしっくりくるものがなかなか見つからなかった。そんな時、外国人の人が巻いているターバンを真似て、自分でターバン帽を作ってみた。

自作のターバン帽をかぶった瞬間、これで私は行こう!と、気持ちにスイッチが入った瞬間だったと…晴ればれターバン帽の誕生の瞬間である。

そんなヒロさん、学生の頃は栄養士を目指し、その後調理師免許も取得、ご縁があった小さいイタリアンレストランでの就業や立ち上げメンバーとして、おしゃれカフェでも働いていた。そんな中、姪っ子が生まれ、何か作りたいと思ったのがきっかけで洋裁の世界へ飛び込んだのだった。はじめは、姪っ子のスタイから洋服など、近くに住む先生に習いにいき、その後は独学で姪っ子のために作り続けた。その後、彼女も結婚、出産。毎年毎シーズンに、自分の子供たちに新しい服を作り、いつしか、洋裁は彼女の生活になっていった…。ご縁があり、子供を産んだ助産院でママたち向けに洋裁教室もしたこともあった。スタイづくり、かぼちゃパンツ、どんぐり帽子、トッポンチーノ作りなど、多くのママたちと交流しながら、洋裁教室は好評だった。

彼女は、4人のお子さんがいる母親、とても忙しい、バタバタする毎日、一番下の子が2歳になるまで、母乳をあげていた。その頃からなんとなく、胸にしこりがあるなと感じてはいた。ただ、4人の子供たちとの日々は本当に忙しく、病院へ行く時間がなかった。行かなくてはと思っていたものの、目の前のことをこなすことが精いっぱいで、病院へ行くことができなかったと、当時を振り返った。

ちょうど子供たちの入学式が終わり、新学期が始まったころ、やっと時間を作り、病院へ向かった。
近くの小さいクリニックで、細胞診まで検診をし、5日後には電話が来て、大きな病院へ行ってくださいと…、とても早いスピード感で、彼女のガン生活はスタートした。

4人の子供たちの反応は、一番上のお兄ちゃんは、一番状況を理解してくれていた、言葉数は少ないものの、とても心配してくれた。多感な時期ということもあり、部屋に閉じこもってしまう時もあった。
2番目、3番目の女の子たちは、ふたりで大泣きをしていた。ちょうど小学校の保健体育でがんの授業がテーマの授業があったらしく、ママが、がんになってしまったと…、彼女は彼女の中の知識でコトの大きさを知ったのであった。不安でいっぱいになり、彼女たちは感情を抑えられなかった。

まだ小さい末っ子は、何もわからずの反応だったが、この治療中一番成長を感じると彼女は言う。
本当に子どもの成長というのはすごいと感じることのできる時間だったと彼女は語ってくれた。

彼女の晴ればれターバン帽には、たくさんの応援団がいる。
まずは、一番応援してくれている双子の妹、彼女は看護師をしている。晴ればれターバン帽を一番に愛してくれている。妹は髪の毛が抜けているわけではないが、ターバンを愛してくれていて、ガンサバイバーさんのターバン帽をつけた笑顔を見て、自分のことのように喜んでいてくれると、一卵性の双子の妹の存在はとても大きい。

そして、4人の子供たち、現在は第六弾まで販売している晴ればれターバン帽、新作ができるたびに、この色がいい、こっちのほうがいいよと子供たちは母親が作るターバン帽について意見をしてくれることが、とても嬉しいと、彼女は自身のガンではなく、自分の作った晴ればれターバン帽を通じて、家族とコミュニケーションしているのだ。

彼女に晴ればれターバン帽のこれからの展望はと聞くと、彼女はこう語る。

やめられんよね。。。

晴ればれターバン帽の販売が終わると、いつ買えますか?いつぐらいからまた販売始まりますかという問い合わせがくる。インスタを通して、連絡が来るたびに、彼女の感情が高ぶる。こんな私でも求められているということがとても嬉しいと。彼女は自身のガンではなく、晴ればれターバン帽のことを話してくれた。そして彼女はこの晴ればれターバン帽への特別な思いをさらにこう語ってくれた。

このターバン帽には、彼女が始めて自分で作ったターバン帽をかぶった瞬間に思った気持ちと、そして、このターバン帽をかぶって前を向いて、これからの治療を乗り越えようという前向きな気持ちが込められていると。

これからどんなことがあっても前を向いて行こうっと、本当にネーミングのとおり晴ればれした気持ちだなと彼女のターバン帽への思いをネーミングからも感じることができる。

たくさんのターバンを販売しているが、常に彼女は思考錯誤しながら、治療中でもおしゃれをすることだけではなく、快適さを追及する。頭に負担がかからないように、素材選びから形まで、彼女の気持ちがターバン帽から感じられる。すべてのターバン帽の色にバリエーションを持たせ、ひとりひとりに販売をしている感覚を心がけているという。それはこれからもそうしたいと彼女のターバン帽を大切にしている気持ちを感じる。

この晴ればれターバン帽を作り続けたい理由はまだまだある。ある女性から、幼稚園のクラス参観に行きたいと、そのためにターバン帽を買いたいと連絡があった。そういうことであればと、彼女は女性へ、モノトーンのターバンを送った。すると、これなら幼稚園に行けますと明るい声が返ってきたという。これなら行けるというより、これで行きたい!という声がワタシには聞こえた瞬間だ。

この気持ち、自分が初めてターバン帽をかぶった時の気持ちとシンクロするような感覚だと。そう彼女はこのシンクロを、これから髪の毛が抜ける不安な女性にたくさん感じてほしい。それがたくさん感じてもらえると思うと、晴ればれターバン帽はやめられないと、彼女は明るい声で語ってくれた。

これから、彼女の晴ればれターバン帽はさらに進化して、彼女の初めてターバン帽を被った気持ちとシンクロする気持ちを味わい、前を向く女性がこれから沢山いることが自然に目に浮かぶ瞬間であった。


ヒロさんの晴ればれターバン帽の話を聞いて、なんだかこれはガンと立ち向かう人のためのアイテムのように感じる私がいた。これから旅に出る私を必ず助けてくれるアイテム。ターバン帽って、ただ被るだけじゃなくて、キュッと結ぶ、なんだかこの瞬間自分に気合いを入れる意味合いがあるのではないかと、いろんな意味のある晴ればれターバン帽なのではないかと、彼女のターバン帽への思いを感じた。彼女のターバン帽でこれから多くの女性を勇気づけてくれると思うと、本当に凄いことだなと、これからも彼女のターバンの進化を見ていきたい。

最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?