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ご近所タイムスリップ

雨雲の隙間ではありましたが、久しぶりに晴れました。今日は一日中、家の掃除をしたりネットフリックスを観たりして籠りきりだったので、夕方ちょっくら買い物がてらお散歩へ。いまだに「夕方から一人で出かけるのってなんだか大人っぽい」とウホウホするのでお得な奴です。

家から歩いて10分ほどで、なかなかにでっかい入り組んだ飲み屋街に出ます。この街に越してきてだいぶ経つけれど地図はちっとも頭に入っていません。散歩し甲斐はある。今日はいつものスーパーを通り過ぎて駅周りを一周。脇道に逸れて小さい商店街へ。

ほほう知らない店がたくさんある。よしこっちの道にいってみよう。どこにでるかな。この方向だから、あすこに出るかな?買い物袋を片手に、部屋着も同然のワンピースを被ってぷらぷら。少しずつ日も暮れて、商店街特有のいい匂いのするオレンジ色がぷわぷわ広がってくる。楽しい。

そうして私は結構ガチの迷子になりました。

「あれ、駅前に抜けないの…」

目の前には「一番街〇〇」と書かれた古いゲート。

あれが見えれば駅前だと信じ込んでいましたが、全く見知らぬ通り。ふと後ろを見ると遠くのほうにまたしても、一番街ゲートが。あれ…?でも方向はこっちのはずじゃない?

街並みも、服屋さんやお洒落なカフェから、〇〇新聞と書かれた古い木造の一軒家やら、見たこともない名前とロゴの褪せたコンビニ。右を向けば若者たちが水たばこを囲んで丸くなっている。左を向けば路上でジャズおじバンドがジャムをしている。その手前になんと花火を片手にはしゃぐ親子。薄暗いバーを覗くとカウンターに突っ伏し暮れるお兄ちゃん。後ろでパンチパーマのおばちゃんが、バリカンでおじさんの頭を剃り上げながらでっかい声で世間話。

あらタイムスリップしたかしら!

なんとも不思議な体験をしてしまった。そして、淋しくなった。こんなに素敵な場所が歩ける範囲内にあったのか。でも私はヨレた部屋着に買い物袋。到底仲間に入れそうもないな。知らなかった淋しさと、見合わない淋しさ。

とぼとぼと歩いていたら、あっさり見知った通りへ。あらここに出るのか、なんだあ。少し自信を取り戻して、いざいつものスーパーへ。めでたし。

住めば都?そんなことない。住み着こうとしなければ蚊帳の外。それがTOKYO!いえあ。

少しずつ、ちゃんとこの街に関わっていこう。暮らすってそうゆうことなんだなって思います。知らないままじゃもったいないって。

とりあえず飲み仲間を探します。

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