歯ブラシとレジのお姉さんとの関係について
今日は歯磨きを忘れて家を出て来てしまった。基本忘れん坊だが、最近は忘れん坊将軍に成り上がりつつある。
仕方がないので職場近くの毎朝行くコンビニで歯ブラシを調達することに。硬さは「かため」一択。ぼんやりしていても磨いた気になれる優れもの。
歯ブラシといつもの炭酸水を持ってレジに向かい、ベテラン風のお姉さんにお金を払う。慣れたトーンの「ありがとうございましたー」に安心しながら炭酸水を片手にレジに背を向け歩き出すと、
「お客様ーっ!歯ブラシぃぃーっ」
と響く声が店内に響き渡った。振り返るとレジのベテランお姉さんが歯ブラシを掲げてほっとした顔をしていた。
半泣き顔で「ありがとうございます…」とお礼する。
はあ、今日はなんだかついてないなあ。
なにかの台詞でありそうな言葉が零れ落ちた。明日またあのコンビニに行ったら、レジのお姉さんにとって私は「歯ブラシのひと」になっているかもしれない。
いや、そんなことないか。いや、でもなんだかちょっと恥ずかしい。自己中心的な考え方だけど、自分の情報源が「いつも炭酸を買う人」と「歯ブラシの人」しかないのだと考えると、やっぱりちょっと恥ずかしいし、あまりにもちっぽけだ。
でも、こちらからしてもコンビニのお姉さんはコンビニのお姉さんでしかない。支払いをカードですると絶対にカードの種類がどれなのかを聞いてくるお姉さんでしかない。
限定されたちっぽけな関係でも、今日私は本当に助かった。お姉さんのおかげで私の口内は救われた。明日もあのコンビニに行って炭酸水を買おう。レジに持って行って「カードで。」じゃなくて「このクレジットカードで。」とお姉さんに伝えるのだ。
何気ない有難い日々は多分こうゆうことなのだ!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?