見出し画像

人生迷いだらけでびっくりしちゃうな。選ばなかった方の選択肢、選べなかった方の選択肢のことをも考えてしまう。[2023.06 #01]

金曜日
2月からはじめた、この日記はずっとiPhoneのメモに書き殴っていた。実は日記じゃないものを含めると2018年から書き溜め続けている。しかし、書くという行為は好きだけど、それを誰かに見せらうるかどうかはまた別の問題で、誰にも見せずに温めていたというと聞こえがいいが、とりあえず書かなきゃと思って書き留めていた。

投稿すべき媒体やそもそもこれを人に見せるべきかとか、そういうことで信じられないくらい迷う。結局、いま少し携わらせていたただいているfuzkueという本を読むための場所の店主の阿久津さんの日記がnoteでも連載されていることを知って、noteでいいかと思った。(noteの方、雑な扱いですみません....)
阿久津さんの日記の文体、すごく好き。そのまんまの空気感をいつもそのまま伝えている気がする。実直な文章を書きたい。(でもなかなか難しいのが現実、ちなみに阿久津さんのインタビューの文字起こしが好きすぎる、「えへへ」とか「へーーー」とか、その場の空気を伝えてくる文字がすごい)

とにかく日記を投稿するのにも、内容や媒体、投稿時間とかいろんなことを気にしてしまってめちゃくちゃ迷う。こんなこと一つにも迷ってしまって、人生迷いだらけでびっくりしちゃうな。仕方がないことなのに選ばなかった方の選択肢、選べなかった方の選択肢のことをも考えてしまう。大好きなTBSラジオ『over the sun』でジェーン・スーさんが、「昔の分岐点での選ばななかった道のこと考えない?」って言ってくれていて救われた。可能性を無限に考えるけれど、人生は流れに逆らえず、いつも迷っていて、そして後悔の連続だよね。決断という決断を年々しなく、実際のところできなくなってきているかもしれない。

グットラックヘイワを聴く。ピースフルな名前。口笛の担当があるのがいい。そういえばYouTubeでトルコの山奥に、口笛でコミュニケーションする村人がいるというのをみて、その村に行きたいと思ったのを思い出す。

木曜日
ひさしぶりに自分の時間を持つ。というか、最近は、人と会って話すか寝るかしていなかった。1人で本を読んだり、考えごとをする時間があまり上手く取れなかった。そんな時もある。そんな時もあるとか言ってみたけれど、基本そんな時しかない。今日は、タイの食材を売っている「タイスーパー」というお店で(こういう素直な名前のお店大好き)切れていたナンプラーとサバチリペーストを買う。合わせて700円。初めて見たサバチリペーストは生野菜に合わせて食べるらしい。タイ人と思わしき店員さんが教えてくれた。こういうはじめて見る食べ物をうっかり買ってしまう。できたら作り方も教えてほしいナ。

その後、BOOK OFFで本を選ぶ。中高生の頃大好きだったBOOK OFF。BOOK OFF自由が丘店立ち読みランキングがあったら、あの当時ならTOP10入りは確実だっただろうな。無料で本を読める場所がすき。本当は著者にお金が還元するように本屋さんで買いたいけれど、いまはあまりお金がないのでBOOK OFFを頼る。今日は欲しかった本を4冊買った。本を探すときに必要な通し番号のことを教えてもらったのでそれで探したら一瞬で探せた。通し番号かっこいい、すごい、めっちゃ便利。こういうプロの技にときめく。

Google Mapで見つけた喫茶店に入る。『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』という、いまは高円寺で蟹ブックスを営んでいる花田菜々子さんの本を広げる。甘ったるいけどそれがいいミルクセーキを飲みながら本を読み進める。本屋さんというか、本に関ることをしたいと思いはじめてから1年くらいが経った。やっぱり私は本に関わっていたいなーと、改めて思う。文脈は全然違うけれど、自分と重なる部分が多くて、結局喫茶店から帰る電車でも家でも貪るように読んで、気がついたら夜が明けて読み切ってしまった。本を夢中で読んで夜が明けてしまったことは何回かあるけれど、朝のぼーっとしつつも冴え渡る感じ、充実感と疲労感とけだるさと、でもそれ以上のものを手にした感じがすごく好き。

ゆらゆら帝国の『おはようまだやろう』を流す。

月曜日
トイレに本棚をつくった。つくったと言うより、棚に本と漫画を置いてみた。ドラマも大好きなよしながふみさんの『きのう何食べた?』を設置。
しかし、漫画を読んでいて気がついてしまったのだ。料理をつくるシーンをみながら排泄している状況に。なんだかそわそわしてしまい、漫画が読めなくなってしまった。『きのう、何食べた?』が持っている日常の空気感が、本当に好きです、とってもとっても好きな作品なんです。だけど、トイレには、代わりに藤本タツキさんの短編集『17-21』を置いた。
トイレにおける本って実は限られるのかもしれない。

漫画『波よ聞いてくれ』を読む。そこにふと出てきた台詞がとても印象的だった。主人公が「大丈夫、牛乳より役立つ人間なんていないよ。」と言っていた。人間を牛乳と比較している。たしかに牛乳は私たちのカルシウムになるもんなと思って、冷蔵庫にあった牛乳を飲みながら、この台詞について考えてぼんやりとしていた。役に立つってなんだろうとか、人間ってなによりも役に立っているんだろうと。

ちなみに、『波よ聞いてくれ』はスピード感があるローカルラジオ局の話で、ラジオって面白いなぁって思う。リスナーと双方向のやり取りでなにかをつくる、かっこいい。わたしもローカルラジオのパーソナリティになりたい。主人公のミレイみたいだなと思って、andymoriの『革命』をかける。

岸政彦さんの『断片的なものの社会学』を読む。たぶん大学生の時に読んだはずなのに全然覚えていなくて、今読むべき本にまた出会えてうれしくなる。「手のひらのスイッチ」という章では、うっかり涙が出た。本を読んで視界に涙が溜まっていくのがわかる瞬間、世界がぼやけていく。それが本を読んだ時の感動に重なる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?