悲劇
予想通り、予定通り、悲劇は訪れました。
予期していたことなので、それほどへこんでいないというとウソになります。
やっぱり落ち込んで、すぐにベッドに潜り込み、そのままお布団の国に住みこんで、魔法にかかったように動かなくなる。
本当に悲しいと、涙は出なくて、ため息が後から後から湧いてきます。
それでも朝はやってきて、目覚ましとともに体を起こして、割れそうに痛い頭を抱えて、仕事に出かけます。
仕事中もぼんやりしそうになるのを必死でこらえて、笑顔を作って、いつもの何倍も優しくなって、感謝されたりします。
ぼんやりしたまま仕事を終えて、電車に揺られると、眩しい西日の眩暈に襲われて、眠りたいのだけれど、目が冴えて眠れず、やり場のない感情を心のうちで叩き潰す。
誰かに頼ったり、お酒に頼ったりしたくなるけれど、明日も早いし、無用に人様に迷惑をかけることもできないので、またベッドに潜り込んで、お布団の国の住人と化す。
まるで、ロボットのような、感情のない、モノクロの世界に生きています。
自分が不幸だとか、失敗したとか、そんなことすら考えることもなく。
また夜が来て、明日が来ます。
そろそろ時間のようです。
おやすみなさい。
ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!