【短編】ぼんやりとした憂鬱。
職場の隅に置かれたデスクに肘をついて、時計の針が定時の5時半を指すのを待ちながら、ずっと窓の外を眺めている。
永遠に変わることのないと宣言していた深い青い空は、いとも簡単にその意志を失い、徐々に色褪せて、ゆっくりと赤みを帯びてきた。
毎日、職場に来てはいるものの、特にする仕事もない。
こんな日がもう1年以上続いている。
4月に入ってきた新入社員は、短時間で美しいプレゼン資料を仕上げ、難しい計算式の入ったファイルを難なく作り上げ、どんどん新しい仕事を覚えていく。
あと2年で定年