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【身の回りインフラ整備編】ドイツの大学に正規生として入学するまで【海外留学】

0.前置き

ドイツ入国から語学資格の取得まで、ミュンスターという街で暮らしていました。人口は30万人程度で、日本の都市と比較すると小さいですが、ドイツの中では比較的大きい街。ベルリンやミュンヘンほどの大都市ではなく、とは言え生活に必要なものはすべて揃っている。ドイツ生活初心者のわたしにとって、ミュンスターは今考えるととてもいい環境でした。
さて、ドイツ生活を始めるにあたって、いくつかしなければいけない手続きがあります。大都市で生活されている方の体験談などを読むと、そこで非常に苦労されている様子。私は意外と簡単に進められたので、こちらもまたざっくりと紹介できればと思います。

1.住民登録

ドイツに来て、まずしなければならないのが住民登録です。
どれくらいの滞在でそれが必須になるのかはわかりませんが、少なくとも90日を超えて滞在したり、ワーホリを使って仕事をしたいという気持ちがある場合は必須だと思います。
というのも、この登録を経て、ドイツの「個人番号」が手に入るからです。

私は自分の担当者についたらすぐにやってねというミッションを与えられていたので、ドイツ到着後、すぐに自分でオンライン予約を行いました。
しかし12月頭についたのに予約が取れたのがクリスマス直前。
約2週間も空いてしまう…!とまだドイツの役所に慣れていなかった私は慌てました。そこで同じ語学学校に通う日本人の仲間に相談したところ、「(その)学校が勝手に予約入れといてくれてたよ」とのこと。入校後2日目くらいにその通知をもらったのだそう。私は2日目を過ぎても特に何も言われていなかったので、おそらく忘れられていたか、担当者に仕事が溜まっていたかどちらかですが、1週間後に同様のメールが届いていました。
その時はとにかくすぐに、と思っていたので、その子が受け取ったメールのURLからサイトに飛ぶと、あっさりと翌日の予約が取れました。

このからくりですが、ドイツの街にはまず、地域すべてを管轄する街の中心部にある役所(本店)、そして各居住エリアを管轄する小さめの役所(支店)があります。
もちろん本店のほうがキャパも大きく、依頼できる内容も様々なのに対して、支店はその地域の住民限定での取り扱いしかしないため、小規模になってしまう、ということのようです。つまり、最初に一人で予約した時はその「支店」に申請をしてしまっていたので、全然予約が取れなかったということでした。ちなみにその際に大家さんに軽くここの役所に行くよ、と伝えたら、どこそこ?と言われたので、「支店」の知名度はそこそこ低いのではと思われます。中心地が近ければ街まで行ったほうが簡単ですもんね。

無事に住民登録を済ませ、(担当者にパスポートを返すのを忘れられそうになるという小事件はありましたが)安心していたところ、2ヶ月後に役所から手紙が届きました。
グーグル翻訳を通すと、「3ヶ月過ぎてビザ無し滞在の期限切れるから滞在許可の申請して」という内容のもので、正直ぽかんとしてしまいました。
住民登録の時に役所でパスポート見せて、滞在理由も聞かれたからワーホリビザも見せて、担当者はすべて納得したかのようにすんなりと私を帰してくれていたからです。(パスポートは忘れられましたが)
先生に相談すると、それは変だからすぐに役所に問い合わせたほうがいいよ、電話してあげるよというありがたい申し出。一も二もなく頷いてお願いして、結局メールでビザのPDFを送ればいいとのことだったのでそれもお願いして…。とても心強かったです。正直自分で何もしなくて済んだのはイレギュラーだと思いますが、最初に語学学校の名前とそこの教師をしているということを伝えていたので、役所の担当者サイドも時々遭遇していたケースなのでしょう。街で有名な語学学校に通うと、こういうメリットもありそうです。

2.ラジオ放送の集金登録

日本でも各世帯ごとに第一放送のNHKの加入は半強制的ですが、ドイツでも同じです。むしろ、これをしないと郵便局に手紙を届けてもらえないらしいので、強制度は高いです。
毎月安くはない金額を払うのですが、私の場合ホームステイという名の下に部屋を借りていたので、大家さんに負担をしてもらっていた、というか、その世帯に入る形で登録をしました。
これは住民登録後に届いた書類を大家さんに見せてサインしてもらい、送付元に送り返すだけ。とても簡単ですが、私の場合、送った後に同じものがもう一通届きました。顧客の書類管理できていないのが理解できなかったので、それは無視しました。それ以降来ることはなかったので、しっかり受け取られたのでしょう。良かったです。ちゃんと仕事をしてくれていました。

3.年金番号の取得

こちらは急務ではないですが、ワーホリで仕事をしたい方には必要になってくる番号です。私の認識ではminijobの範囲であれば、450€まるまる手に入るので、年金の支払いをする義務はない=年金番号は必要ないと思っていました。実際に、一番初めにした掃除婦の仕事では、契約書を書いた時に、年金払わないならいらないよと言われていました。ただ数週間後にやっぱりいるみたいと言われたので、ネットで調べて取得しました。その後、midijobを始め、そこの職場では初めから年金番号は必要だよと言われました。
手続きもそんなに煩わしくなく、比較的すぐに届いたので、これはまず雇用主に聞いてからでいいと思います。

取得の手順ですが、年金担当の役所に「番号がほしいよ」と手紙を送るだけ。その際にパスポートのコピーと個人番号のコピーを同封した気がします。一週間以内にメールで番号の通知が来て、後でポストでも送るね、とのこと。とても簡単でした。

ただ、ここで引っかかりそうなポイントが、年金番号を指すドイツ語名称について。
まず、私が受け取ったメールにも3つの耳馴染みのない単語がありました。
・Rentenversicherung
→これは年金保険のことを指すと思われます。年金番号について調べたとき、私はこのワードが検索予測で出てきたので、そのまま使っていました。
・Versicherungsnummer
→これが年金番号のことです。ただ、Versicherungsnummerは法定健康保険のときも使う単語なので、年金に限った固有名詞ではないのだと思います。
・Sozialversicherungsausweis
→申請後に手紙で送られてくる紙のことです。Ausweis感はないですが、私は大切に保管しています。

4.法定健康保険の加入

前回の記事でも書きましたが、

私の後悔の一つがワーホリビザに必須な旅行保険の適用期間を渋ったこと。
結局ワーホリでminijob範囲より多く働こうとすれば、ドイツの法定健康保険への加入は必須なので、旅行保険は解約できるのです。(少なくとも私の保険はできました。)

ドイツでは法定健康保険に加入すれば診察の際などにかかる医療費が無料。
人々が払う月々の保険料の合計よりその医療費が病院に支払われるので、もし、ある期間においてかかった医療費総計が保険料の合計を下回っていたら各人に払い戻しが行われるという仕組み。めったにはないようですが。
私は持病もあったし、婦人科には常にかかっていたかったし、というのもあって、保険に加入したいがためにminijobの範囲を超えて働くことを選択しました。(年に一回無料で健康診断も受けられます)旅行保険だと渡航前からの症状は適応範囲外だったりするんですよね…残念なことに。ただ、きちんと毎月の給料からは安くない金額が引かれていたので、ご自身の判断で。
学生になるとまた法定保険の加入は必須で、今度は学生向けの保険料を払うのですが、約130€/月と言われ困惑中。学業との両立を念頭に入れると、minijobより多く働く気はなかったんですが、もしかしたらwerkstudentになったほうが良かったりするんですかね…。どちらにせよ一年目は見送ります。

法定保険の加入もそんなに難しくはなかったです。
一番困難だったのは、保険会社を選ぶこと。
AOKとかTechnikerとかいくつかあり、私には違いが本当にわかりませんでした。結局、職場の人に一番安いよと教えてもらって、周りも一番加入率の高かったところにしました。でも留学会社から手厚い保護を受けている韓国人の友達は別の所にしていました。不安…。私の担当者は特に何も教えてくれませんでした…。

手続きとしては、私の保険がインターネット申請に対応していたので、ネット上で必要な登録を済ませ、保険会社の最寄り支店にいってパスポートや住所登録情報などを見せるだけ。
そこのやりとりも非常にスムーズに終わりました。職場を通して保険料の支払いを行うため、職場についての聞き取り、いつから働くのかやその住所、がメインでした。
その場では加入証明(Mitgliedsbescheinigung)を受け取って、しばらくはそれを職場や病院に見せてねとのことでした。保険証の実物が通常だったらすぐ届くようなのですが、そのときは中国が半導体を買い占めた直後でチップが不足してて、すぐに発行できない状態だったみたいです。その場でそれを伝えられ、届いたのは約二ヶ月後でした。大変ですね。いろいろ。

5.銀行口座開設編

お仕事をしてなくても、ドイツの銀行口座を持つことはなにかと便利です。
私はソニー銀行の外貨口座をしばらく使っていましたが、Paypalが使えなかったり、携帯の通信料金の払い落としができなかったり色々と面倒でした。なので仕事を始める少し前からドイツの口座を開こうとしたり、もっとめんどくさくて諦めたりしていました。

はじめに開いたのがN26の口座。ドイツ人の間ではマイナーなようなのですが、日本人がネットでよく紹介していたのと、ネット完結なのが簡単そうで、アプリをダウンロードしてみました。ネット情報によると、ドイツ語でも英語でも対応可能なビデオチャットで身分証明をする。ということだったのですが、わたしはそこで引っかかりました。なんとチャットの担当者が英語でしか対応できないというのです。右脳がドイツ語と英語の共存を拒否して、英語が全然出てこない状況だったわたしはテンパりました。英語で自分の生年月日も言えない始末。ドイツ語を言って、数秒後に英語で変換して伝えるというたどたどしさが怪しまれ、何度となくチャットを切られてしまいました。ドイツ語でやってほしいと言っても、私が英語フォーマットで自分の情報の登録を行ったため、チャットがほとんどドイツ語をはなさないどこかの国の英語話者につながり、受け付けられないとのこと。
正直意味わからないですよね。ベルリン本社の銀行なのに、なんでドイツ語が話せない人につながるのか。身分証明をする立場の人が、銀行本社に所属しているように思えない。
とはいえ、他の銀行を調べても、口座保持料が(私の年齢で)無料なのはここだけ。ラストチャンスとして挑んだチャットでドイツ語話者につながって、本当にありがたかったです。私が英語で頑張ろうとして、それでもドイツ語の数字が出てきたのを聞いて察してくれました。
その後の説明も全部ドイツ語でしてくれて、無事口座が開設できました。

ちなみにN26のデメリットなのですが、ECカードやgiroカードとしては認識されません。
物自体はデビットカードですが、読み取り端末ではクレジットカード扱いなので、役所や一部の店舗で使えなかったりします。ドイツはすでにカード社会と言いますが、クレカはあんまり主流じゃないみたいですね。
さらにちなみにですが、レストランに行って現金の持ち合わせがない場合、注文前にクレカ使えますか?と聞くのは恥ずかしくないです。私が飲食店で働いていたとき一日に2回は聞かれました。入り口のところにマスターやビザのマークがあってもそのとなりにECのマークがあるとたまに受け入れられないと言われたりするので、注意です。

それまでは一年の滞在になるかもと覚悟していたので、口座保持料がかかる銀行は開きたくなかったのですが、大学生になれることが無事決まり、しばらく暮らすならやはりECカードが必要だと言うことで、ハイデルベルグにてSparrkasseで口座を開きました。ありがたいことにSparrkasse Heidelbergは30歳以下は学生口座の保持料無料。たすかりますね。手続きもネットで全部できました。最後にやはり個人認証は必要なので、近くの支店に行っておしまいです。

6.まとめ

ずいぶんざっくりになってしまいました。
とくに手続きの方法を記録していたわけではないので、こちらの情報をすべて真に受けず、公式のサイトを常に参照してください。
ドイツ語は話し言葉と書き言葉が異なる言語なので、C1を取得した今も、役所のホームページ、メールは必ずグーグル翻訳を通してから読み下すようにしています。日→独の翻訳はまだ奇妙さが残りますが、独→日であれば特に問題ないと思います。それでも理解できない場合は、相手の書き方が悪かったりするので、詳しく聞いたほうがいいです。
この記事が皆さんのお役に立ちますように。
それでは。
Yuri

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