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英検準1級対策①~Reading(語彙・読解)編


なぜ「英検」?~意外と知られていない「4技能」の測定!

英検とは日本英語検定協会の主催する「実用英語技能検定」。なぜ「英検」か?おそらく、「英検」と言うと多くの大人の方は「今さら感」があるだろう。大人になってわざわざ「英検」をやるよりはビジネス英語に特化した「TOEIC」にトライする人が多いのが現状でもある。ただし、海外に駐在している子供達の間で「英検」は結構な存在感を放っている。それは、いわゆる「帰国子女」として日本に帰国した際に、彼らの「英語力」を示す指標の一つになるからだ。特に小学生、中学生にはまだTOEICやTOFELは難易度が高く、英検が一番手っ取り早く取り組める試験だということも理由の一つだ。

また英検3級以上は一次試験で「Reading]、「Listening]、「Writing」、二次試験で「Speaking」の試験があり、実は日本で受けられる公的英語試験の中で数少ない「4技能」がテストできる試験でもある。そのため、英検の勉強をすることで、知らず知らずのうちに「Speaking」も含めた「4技能」が身に着けられる、というメリットもあることをお伝えしたい。

もちろん級(現在は5級~1級まで)により難易度は異なるが、幸か不幸か私は二人の子供達の子育てを通じ、人より多く英検にトライした経験がある。現在も中学生の娘のサポートを始めたところであるが、これまでのサポート経験、また自らの経験を通じて感じたことをシェアさせていただくことにした。中でも今回は特にサポートに苦労し、受験回数の多かった「準1級」をご紹介することにする。もちろん、これは私自身が一番実感しているところであるが、「英検1級、準1級を持っていれば万能」では決してない。実際に私自身も過去に英検1級を取得したものの、Speaking、Writingを中心にまだまだ課題は山ほどある。ただ、今回は英語の勉強の一通過点として、英検への取り組み方やノウハウの一部をご紹介できればと思う。それではまずはReading編から!

英文の読み方~「主従関係」を見破る!

英文は長いものになればなるほど、読むのに抵抗感を感じる人が多いと思う。私自身も以前はそうだった(その昔の大学受験前に遡るが)。大切なのは文の構造(5文型のどれに該当するか)を把握し、文の骨組み(主語ーS,動詞ーV、補語(性質、状態)ーC、目的語ーOなど)がパッと目に入ってくるようにすることだ。そうすると、どの部分が骨組みであり、どの部分がそれらを修飾する「飾り」に過ぎないのかという「文の主従関係」がわかり、各段に文章が読み解きやすくなる。こちらのウェブサイトが英文法についてよくまとまられているので、参考にしていただきたい。
英文法解説サイト

以下は一例だが、英文の主従関係をはっきりさせる一例としてご紹介する。

The President of the United States proposed legislation that would assign public schools greater responsibility for sutudent performance.

例えば上述のような文の場合、文型に分けると以下の通り(SVO)になる。
(  )を付けて直前の単語を修飾しているという関係がわかると、各段に文章が読みやすくなることがわかると思う。

The President poposed legislation.(大統領が法案を提案した)
 S  (主語)  V  (動詞)O(目的語)
The President (of the United States) proposed legislation (that would
  S                                                                      V       O
assign public schools greater responsibility for sutudent performance).

「たかが文法、されど文法」で、この「型」を知っている、知らない、「主従関係」がわかる、わからない、は英文読解をする上で非常に差が出る。私自身もその昔、高3の夏休みに出会った英語塾で上記英文型を使った長文の読み方を習い、そこから急に英語が読みやすくなり、英語の成績が急上昇した経験がある。そこから数十年の時が経過しているが、一度身に着けた「英語の読み方」は継続して効果を発揮している。是非お試しいただきたい。


単語の覚え方~「一石三鳥」作戦

英検準1級に必要な単語数は約7,500~9,000語と言われている。単語の覚え方は諸説あり、まずはインプットが大切なことは間違いないが、一般に言われているのは「反復法」。つまり、一度にたくさん憶えるというより、忘れても良いから、短い時間でも良いから、何度も目にして憶えていくという方法だ。私の場合は耳も利用して以下アプリで「チャンツ」というリズムを利用し、効率的に単語を覚えることができた。

キクタン英検準1級

また、英文を読んだり長文を読んだりする際に、単語を調べるが、その際になるべく「一石二鳥、三鳥」になるよう、一つの単語を調べたら、「同義語、類義語、反義語、名詞形(動詞、形容詞)」なども一緒に調べるようにすると、単語力も広がる(ちなみに、「漢字」も書いておくとうろ覚えの漢字の復習にもなる!)

設問1の解き方~まずは「消去法」で

設問1は単語の問題。4つの選択肢のうち、正しいものを選ぶスタイルだが、その単語自体を知らないとお手上げと思いがちだ。ここでのコツは2つ。
1つ目。まず設問の文を読み、空欄に「どんな意味の単語が入るか」を想像する。その上で選択肢の中で最もふさわしい単語を選択する。

2つ目。とはいっても全ての選択肢の意味を知らないこともある。ここで有効なのが「消去法」。4つの選択肢から「確実に違うもの」を2つ消すことができれば、残りの選択肢は2つに絞られる。つまり、意味を知らなくても正答率は1/4から1/2に上がる。是非お試しいただきたい。

設問2の解き方~空所補充のコツ 

設問2は空所補充問題2題(設問は各3問ずつ)。まずはタイトルを読み、「何について書かれているか」大まかに想像する(全く想像がつかないものもあるが)。次に1つ目のパラグラフを読み、空所の設問を解く。空所の前後を読めば、ふさわしい選択肢が大体わかるが、特に「空所のすぐ後」の文章は空所部分を補足説明しているパターンが多く、参考になる。この時も前述の「消去法」を用いて「確実に違うもの」を消しておくとより選びやすい。

設問3の解き方~長文読解のコツ

設問3は設問2よりも長めの長文読解が3題(設問は各3~4問ずつ)。こちらも順序としては設問2同様、「タイトル~1パラグラフ~設問」の順に解く。
ココでの最大のポイントは「決して長文を最初から最後まで一気に読もうとしない」こと。というのは、英検の問題は「1パラグラフ毎に設問が作られている」からだ。全部読んでから1つずつ設問を解くとどうしても、集中力が切れがちだし、記憶も薄れていく。それよりも、3~4つのパラグラフ毎に読み、都度問題を解いていった方が記憶が新しいまま、新鮮な頭で問題を解くことができる。できれば、1パラグラフを読んだ後、設問を解く前に「そのパラグラフの内容を(ざっと頭の中で)まとめる」という作業をしてから問題を見ると、より選択肢が選びやすくなるのでお勧めだ。

いわゆる往年の「受験英語」の影響か、どうしても我々世代は「英文は全て読んで内容を把握してからでないと問題が解けない」と思いがちであるが、こと英検に関してはそうではない、「1パラグラフ⇒1題解く」を実践していただきたい。こうして1パラグラフずつ解いていけば、「長文」も案外あっさりと攻略できることが体感いただけると思う。
②Writing(英作文)編に続く)


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