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なんでもない日が怖くなる時

蓋をあけると大根の匂い。
湿ったティッシュをめくるとそぼろにつかうであろう卵。
ぼそぼそのパン、なのにおいしい。
手についた砂糖を一粒も落とさずに水道まで行けるのか。
外を見れば青い空なのに、暗い。
16時20分 よく考えればどっちも4になる。
仲が良いのか悪いのか。

出窓に座ることを禁じられる女の子。
いらない。と言って嫌な顔をされる女の子。
真夜中に目が覚める女の子。
幽霊に驚かされる女の子。幽霊ってかまってちゃんなのかなと思う女の子。
私がやってるすべてのことは間違っているのかも。と、とても不安になる女の子。

その女の子はいつも不満げな顔をしている。
まるで世界にいるのが疲れたような。それでも楽しそうな。そんな顔。

生まれてきてから幸せと思ったことはもちろんあるわ。と言っていた。
じゃあ今日幸せだったことはなあに?と聞くと、
「好きな俳優と卓球をした夢をみたことよ。
ピンポン玉が長細くて、上手くできなかったな」そういって笑っていた。

「あなたの今日幸せだったことはなんなの?」
「うーん。」
「無いの?」
「わからない。幸せに気づいていないのかもしれないな」
「そんなのってあり?私は毎日が幸せなの」
「じゃあどうしていつも不満げな顔をしているの?」
「幸せの中にある不幸が嫌いだからよ。」

目を開けるとベットの上。夢だったんだ。
彼女がなにを言っているのか私には分からなかった。彼女はまだなにか言おうとしていた。冷たい床に足を下ろして、冷たいスクランブルエッグをほおばる。



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