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言葉の壁と医療従事

グローバル化が進む日本でもまだまだ英語の壁は高いようです。今朝、友人から悲しくも腹ただしいことを聞きました。

カナダからの友人家族は、今2年間の契約で日本の奈良県に住んでいます。日本での印象を聞くと優しい人たちばかりでとても助かっている、自分たちは日本語は話さないので子供の保育園の探し方や生活の仕方など地域の人々が親切に教えてくれる、と来日する前とほぼ変わらない印象だと言いました。

しかし、住んでみないとわからないことがたくさん出て来たそうです。役所の書類は全て日本語なので通訳が必要だけれども役所で通訳できる人がいない。外国人だからと後回しにされる。銀行口座を開くのに外国人が理由というだけで手続きにとても時間がかかるなど、住み初めはとても大変だったと聞きました。終いには1歳4ヶ月の息子さんが熱を出した時、家の目の前に夜間救急クリニックがあるのですが、そこに行ったら彼らが日本語を話さないので、何かしら理由をつけられ断られて呆然したということでした。結局自宅から遠いクリニックに英語を話す人がいたので、息子さんは無事に診療を受けられたので一安心したそうですが、断ったクリニックに関してはどうして医療を受けられなかったんだろうと理解ができないと言っていました。

私が日本で医療従事者だった時、海外からの日本語を話さない、ましてや英語も話さない患者さんはたくさんいました。英語を話さないスタッフはなんとか自分のできる限りの語学力で一生懸命コミュニケーションをとっていました。コミュニケーションをとれない時は絵を書いたりGoogle翻訳を使用してなんとか理解してもらうように努めていました。

今はテクノロジーが発達してて言葉の壁もだんだん低くなって来ていると考えてましたが、まだ高いままなのでしょうか?ましてや医療の場合は、倫理的に全ての人に医療を従事しなければならず、それには言葉の壁はあってはなりません。言語の壁が理由で医療従事を拒否することは今様々なテクノロージーが利用できる現代社会にあってはならないのです。

海外へ移住するとはとても大きなことです。言動や行動で差別されたと感じることもありますが、時々それは実際文化の違いからと理由づけられます。彼らは日本語を話さないため、実際はクリニック側についてどのような理由で医療拒否をしたか分かりませんが、もし私がその場にいたら色々聞いてみたいなと思いました。


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